旧図書館棟の謎
春風たちは再び旧図書館棟に通じる扉の前に立っていた。
「鍵を開けますよ」
真治は懐から鍵を取り出すとゆっくりと鍵を開けた。
「皆さん……ついてきてくださいね。決してはぐれないように」
生徒会長らしくメンバーに注意を促すと真治を先頭に続々と扉の奥に進んでいった。
「すっかり主導権を握っちゃって!」
美夜は不満そうに呟いた。
旧図書館棟は薄暗く不気味な雰囲気が漂っていた。今にも幽霊が出てきそうだ。
「旧図書館棟は図書委員の私でもめったに入らない施設です……何が起きても不思議ではありませんね」
姉川は震える声で春風たちに言った。
「確かに幽霊の根城にしてもおかしくないわね」
彩歌は苦笑いをした。
「皆さん、僕たち生徒会は二階を調べてきます……くれぐれもおかしな真似をしたりしないように」
真治は注意を促すと桜小路を連れて二階に通じる階段に消えていった。
「私達も一階で何か調べてこようか」
美夜の宣言とともに特別クラスと姉川は調査を開始するのだった。
「古くて難しい本ばかり……あとは東照院の歴史資料ばかりだ」
美夜はつまらなそうに呟いた。旧図書館棟には面白そうな本は少ないようだ。
「美夜……そりゃそうに決まっているでしょう……旧図書館棟は書庫替わりに使っているんだから」
彩歌は呆れたように美夜に呟いた。
「あら?」
その時、姉川は何かを見つけたような表情をした。
「姉川さん……どうしたんですか?」
春風は姉川に近づいてきた。遅れて特別クラスの2人もやってきた。
「この本、内容がスカスカです」
そう言って姉川は本のページをみんなに見せた。そのページは何も書いてなかった。何ページかめくってみたが空白のページが続くだけだった。
「なぜこんな本が旧図書館棟に置いてあるの?」
春風は首を傾げた。ほぼ全ページが何も書いてない本が旧図書館棟に置いてあるのは奇妙だ。蔵書の水増しか?
「まったくわからないわね」
彩歌は空白の本を本棚の元の場所に戻した。すると何かのロックが解除された音が聞こえてきた。
「何か聞こえてこなかった?」
訳の分からないまま音のしたほうに向かう4人だった。そこには本棚が横にスライドされてあり、本棚のあったところには地下に通じる階段があった。
「隠し部屋……誰がなんのために作ったの」
春風は呆然と隠し部屋を見つめていた。
「……中に入って確かめてみよう」
美夜は隠し部屋に興味津津のようだ。
「危険かもしれないわ……慎重に動かないと」
彩歌は美夜を嗜めた。
「……中に入るよ」
「春風先生?」
「一応、隠し部屋の中も調べないと」
こうして特別クラスの2人と姉川と春風は地下室に入ることになった。




