東照院生徒会
図書館のホール前で鉢合わせした特別クラスと生徒会、どこか不穏な空気か漂っていた。
「……まさか、特別クラスの2人も幽霊騒ぎのことを追いかけていたのですか」
生徒会長、徳田真治は呆れたようにつぶやいた。
「……あの、音楽堂の鍵を持ってきてほしいんだけど」
部外者の上里春風は不穏な空気の圧を感じながら音楽堂の鍵を持ってきてほしいと提案した。
「生徒会は部外者の提案を拒否します……あなたも家照理事長から呼び寄せてきた退魔師でしょう?」
「まぁ……そうだけど」
春風は頷いた。
「……まったく、家照理事長は一体何を考えているんだか」
「真治会長……早いところ用事を終わらせましょう」
「……わかっていますよ、桜小路」
徳田真治は馬鹿騒ぎは嫌いだと言う表情でホールを去ろうとしていた。
「ちょっと! どこに向かうの!」
美夜は真治を呼び止めた!
「……何処って? 旧図書館棟ですよ」
「……やはり旧図書館棟ですか」
「……私達も同行してもらってもいい?」
特別クラスの2人は同行を願い出た。
「……別に構いませんが邪魔してはいけませんよ」
真治はそう言って春風を見た。どうやら同行を許されたようだ。
「……ついていってもいいんだ。もっと排他的だと思っていたのに」
「いいですか? 東照院学園都市では学園都市のやり方で問題を解決します……部外者は大人しくしてくださいね」
春風は条件付きで同行が許されたようだ。
◆◆◆◆◆
「生徒会はなぜ部外者の介入を拒むのでしょうか?」
涼太は東照院生徒会がなぜ部外者の協力を拒むのか疑問に思っていた。徳川家照は特に生徒会のことを言及していなかったはずだ。何か探られたくないことでもあるのか。涼太はそう思った。
「全ては謎ですね……」
涼太は苦笑いすると彼も図書館に向かうことにした。おそらく、生徒会のメンバーの目的地は幽霊がよく目撃されている図書館周辺のはずだ。
軽く伸びをすると涼太は生徒会室を出ようとした。
「葉月涼太さん」
誰かに涼太は呼び止められた。涼太は振り向いたらギョッとした。強い妖力を持った妖魔が立っていたからだ。
「わたしの名前を知っている貴方は何者ですか?」
涼太は只者ではない妖魔に恐る恐る何者かを問いただした。仮にも人間と妖魔のハーフでありブシドーグリーンである涼太に気取らせることなく背後をとる妖魔はただの妖魔ではないからだ。
「私の名前はイヌガミです……大禍社というつまらない組織で幹部を務めています」
その妖魔……イヌガミは丁寧に自己紹介をして名刺を渡してきた。
「なるほど……大禍社の方でしたか……それで僕に何か用事ですか?」
張り詰めた空気が生徒会室に包まれた。
「……実は東照院の幽霊騒ぎの件で少し耳に入れてほしいことがあって参上しました」
「幽霊騒ぎの件ですか?」
「今回の幽霊騒ぎですがどうやら入江義秋が関わっているようです」
「入江義秋……あの妖術師が幽霊騒ぎに関わっているのですか?」
「えぇ……退魔師が事態に介入したと聞いて急いで情報を伝えた次第です」
「なぜ私にその情報を伝えたのですか?」
「上里春風にはあいにく接触できない状況でして」
「……なるほどお見通しですか」
「……急いで図書館に向かってください。危険が迫っています」
「……わかりました」
葉月涼太は急いで駆け出した。




