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特別クラス


 東照院総合学院の巨大キャンパスにある北側のはずれの小さな校舎を春風は訪れていた。無論、幽霊騒ぎの聞き取りのためだ。

 春風はこの校舎はこじんまりしているなと思った。教室には生徒たちが思い思いに遊んでいた。教室のドアをノックして入室した。

「こんにちは、ちょっと聞きたいことがあるけどいいかな?」

 春風は幽霊騒ぎについて説明した。

「幽霊騒ぎですか……確かに聞いたことがありますね」

 クラス委員長風の女子学生が代表して話した。

「でもあの幽霊騒ぎって人間に害をなしたことはないって聞いたよ」

 活発そうな生徒が口を挟んできた。

「でも、幽霊騒ぎで何かがあったときのために呼ばれてきたんだ」

 春風は立場を説明した。

「そう、二人で広い学園都市を回るから大変なんだ」

「じゃあ、特別クラスが幽霊騒ぎの解決を手伝ってあげるよ!」

「え?」

 活発そうな生徒の提案に春風は戸惑った。

「二人だけなら広い学園都市を回るのは大変でしょう、私たち生徒は学園都市の土地勘があるからお姉さんをサポートできるよ」

「それじゃあ、頼もうかな」

 春風は特別クラスの生徒たちと協力して幽霊騒ぎについて調べることになった。


◆◆◆◆◆


「それじゃあ自己紹介するね……私の名は甘粕美夜! みゃーちゃんって呼んでね」

 美夜はニコニコ笑ってお辞儀した。

「高槻彩歌……特別クラスはだいたい二人で活動しています」

「そうなんだ……私は上里春風。よろしくね」

「春風先生、よろしくね!」

 美夜はニコニコ笑った。


「これが学園都市の地図です」

 そう言って彩歌は学園都市の地図を広げた。

「幽霊は神出鬼没に学園都市に出現しているから目撃証言を積み上げましょう」

「確かに学園都市のことをよく知らないから地道に目撃証言を集めようか」

 とりあえずの方針が決まると3人は教室を出ようとした。

……すると、教室の扉が開きジャージ姿の女性が出てきた。教師だろうかと春風は思った。

「あら、こんな僻地の教室に客人は珍しいわね」

 ジャージ姿の女教師は春風を一瞥した。

「あっ!名倉先生!」

 美夜は名倉先生を見て驚いた。

「学園都市の地図を広げてどうしたの?」

「実は幽霊騒ぎについて調べているんだ」

「へぇ……幽霊騒ぎもいいけど勉強もしっかりやりなさいよ」

 名倉先生はそう呟くとプリントを美夜と彩歌に渡した。

「このプリントを週明けまでに終わらせなさい」

 そう呟くと名倉先生は去っていった。

「何だったんだろう」

「名倉先生は特別クラスの先生なんです……先生と言っても週に1回、教室に来るぐらいですけどね」

「週に1回程度しか来ないんだ?」

「特別クラスは基本的に自習なんだよ」

 世の中はそういうクラスもあるんだと春風は思った。

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