ヴィランが学園都市に潜入してみた
「上里さん、実は頼みたいことがあるんです」
葉月涼太は上里春風に頼み事をした。
「頼み事とはなんですか?」
「僕と一緒に学園に行ってもらえないでしょうか?」
「学園? 葉月さん、学園都市になんの用事があるんですか?」
春風の疑問に涼太は少し苦笑いした。
「実は学園都市の理事長とは古い知り合いで、その縁でトラブル解決を頼まれているのです」
「へぇ……」
春風はトラブルに少しばかり興味を持った。
「葉月さんを呼び出すほどのトラブルとはなんですか?」
「学園都市内で幽霊騒ぎが相次いでいるのです」
「幽霊騒ぎですか……」
春風は面白そうだなと思った。
「学園に一緒に行きましょう……久しぶりに青春の空気を吸うのも悪くなさそうです」
そういうわけで学園都市に二人は向かうことになったのだ。
◆◆◆◆◆
学園都市中央駅、学園都市の中央部にあるステーションに降り立った二人は涼太はフォーマルなスーツ姿、春風はラフなパンツルックだった。
「目的地は中央駅から降りてすぐです」
春風は涼太についていき駅を出ると大きな建造物があった。
「わーお」
春風は思わず感嘆した。
「ここが東照院総合学園です。早く中に入りましょう」
涼太の言葉に春風は我に返った。
「そうですね……葉月さんの古い友人だという理事長に早く会いたいです」
春風は慌てて涼太についていった。
「私が東照院総合学園の総理事長……徳川家照です」
「あなたが総理事長ですか」
スーツ姿の家照理事長に春風はたじろいだ。纏っているオーラが違うのだ。
「こんにちは、助手の上里です」
春風は挨拶を返すのがやっとだった。
「家照理事長……幽霊騒ぎですが私たちが幽霊の出処を突き止めてみせます」
涼太は和やかに問題解決を約束した。
「退魔の名門である琴城の系譜に連なる葉月さんがこう言うのだからきっと解決しますね」
家照理事長は大きく笑った。
(琴城常陸の威光は恐ろしい)
春風はそう実感するのだった。
「上里さん、二人で手分けして情報収集しましょう……私が南側をやりますので、上里さんは北側を情報収集してください」
「わかりました」
幽霊騒ぎの情報収集をするために広い学園都市を二手に分かれて行動することになった。
春風はこれは骨が折れそうだと思った。




