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異世界の魔法をプログラムする~日本生まれの異世界の王子は培ったプログラミング技術で魔法国家を建設する~  作者: 霧里 野蒜


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第78話 夜の語らい

 僕とソフィアさんは食事を終えて、屋上に作成したお風呂に入っている。

 夜の星灯りで濡れた彼女の体が綺麗だ。華奢に見える彼女は出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでおり、モデルのような体型である。こんな美しい彼女が僕に好意を寄せているのは今でも不思議な気分である。

 「綺麗です」

 「そうですね、星が綺麗な夜です」

 「いや、上手く言えませんが、ソフィアさんのことを綺麗だと思っています。それに、なんでこんなに綺麗な人が僕と一緒にいてくれるのか、不思議な気分です。オルフェス先生からの申し入れだとしたら済まなく思います」

 「王子、なんてことを言うのですか。私は私の意志で貴方についてきています。私は私の選択を後悔していません」

 彼女は艶やかに笑いながら、僕に抱き着いてくる。

 「私は王子が好きなのです。それ以外はありません」

 そう言いながら、ソフィアさんは、僕の肩越しに遠くの星を眺めている。


              ◆


 私が初めて彼を見た時の印象はよく覚えていないが、話し始めたときのその声に私の体の中の何かが反応し始めたことを覚えている。その言葉の一言、一言が私の体に響く気がして、なんだろう、この感じはなんだと今までの過去の経験の中からこの違和感を探し始めた。探し始めて、思い当たらず、最終的には探し疲れて、迷子になった気がした。

 しかし、彼の声が頭に響き、胸に、お腹に、手に、足に、指の先にまで、しだいに振動が伝わってくる。それは、動悸を激しくし、私を息苦しくさせるが、不快を伴わないもので、逆にその声を、それから至る状態を渇望している。不思議な気分であった。


              ◆


 「ソフィアさん、どうかしましたか?」

 ボーっと僕の肩にもたれかかっているソフィアさんに声をかけた。

 「えー、大丈夫です。もう少し、こうしていたいのです。しばらく、このままでいさせて下さい」


              ◆


 彼はおどおどしていて、自信なさげに見えた。しかし、やることはすべて私や家族の常識を越えていた。それを考えようとせず、真っすぐに私を見てくる。私は、その瞳に心を焼き尽くされるように思い、恐怖さえ感じた。でも、それは私だけの感情であり、彼の中の私は、ただの人であったのかもしれない。何も特別な扱いをされなかった。それに焦った。それを片想いというのかもしれない。


              ◆


 「ソフィアさん、寒くないですか?」

 僕の肩に長い間、頭をのせているソフィアさんに声をかけた。

 「ちっとも、気持ちいいです。この時間の流れが心地よくて。もう少し、どうぞこのままでいさせてください」


              ◆


 フローラさんの存在は私を不安にさせて、彼を取られる気がした。彼女は運命の人だと皆の前で堂々と告白した。その態度がうらやましく思った。彼女は年下だけど、私とは違った。積極的だった。彼は優柔不断に見え、その積極性に押し切られる感じがした。それはますます不安にさせ、彼の前では見せないようにしていたが、急に怒り出したり、泣いたり、周りの人を困らせたこともあった。

 転機があった。

 私は彼と同じ家に住むことになった。それも二人っきりである。嬉しかった。嬉しかったが、思いとは裏腹に彼と近づくことが何もない。その距離が縮まることがないことが寂しくて泣いた。優しい彼は私を慰める。私は彼に抱かれた。その安心感は私に新しい夢を見せ、深い眠りを連れてきた。

 翌日から彼の態度は変わった。なんでも私に聞いてくれるようになった。また、私を大事にするとも言ってくれるようになった。彼の声は前にも増して私の体を震わす。


              ◆


 「ソフィアさん、初めてのお風呂なのでこのくらいにしましょう。風邪をひいてしまうかもしれません」

 僕はソフィアさんに声をかける。ソフィアさんは肩に預けていた頭を戻し、目をあけて僕を見つめる。

 「王子は私のことを好きですか?」

 「好きですよ」

 「本当に好きですか?」

 「本当です。嘘を言う訳ないじゃないですか? なんでそんなことを聞くのですか?」

 「そうですね。私は鑑定が使えません。王子の気持ちを確かめることができません。だから、毎回聞くのです」

 「いつ聞いても変わらないと思います、僕はソフィアさんが好きです。いつも、いつまでも一緒にいてください」

 「それはプロポーズでしょうか?」

 彼女は誘うように僕を見上げる。僕が何か言おうとすると、彼女は、唇で僕の言葉を飲み込む。彼女との甘い夜が過ぎていく。

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