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異世界の魔法をプログラムする~日本生まれの異世界の王子は培ったプログラミング技術で魔法国家を建設する~  作者: 霧里 野蒜


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第23話 面接

 レバークレーゼン家の応接ソファに座っている。この家の主人であるアルベルトさんが紹介したい人がいるとのことである。セバスさんから話をされてここに案内された。今、呼びに行っているようだ。歩いたせいか、時間がたったせいか、気分はだいぶ良くなっている。


 「校長、こちらです」

 扉が開き、セバスさんを先頭にアルベルトさん、そして、長い白髭の紳士が入ってきた。僕も慌てて立ち上がる。

 アルベルトさんが口を開く。

 「紹介します。こちらは、王都で有名な王立魔法学院のオルフェス・グレイフォード校長です。入学にあたり、ヒロシさんと会ってみたいということでしたので今回お連れしました」

 「オルフェスです」

 「初めまして、ヒロシと申します。この度はご足労頂き、ありがとうございます。アルベルトさんにご無理言いまして、学院を紹介していただくというお願いをしました。これから、よろしくお願いします」

 「いや、いや、ヒロシさん、まだ、入学は決まっておりません。その前の面接というわけです。まぁ、座りましょう。さぁ、先生もこちらにどうぞ」

 アルベルトさんに促されて、皆ソファに腰を下ろす。


 セバスさんがタイミングよく、お茶を用意してくれる。ティーカップを口に運びながら、オルフェス先生が僕をジッと見つめている。チクチクと肌が痛い。質問を待っている時間が長く感じる。

 「凄い才能ですね」

 オルフェス先生が話し始める。

 「失礼ですが、鑑定させていただきました。能力的には問題なくやっていけると思います。もし、入学されたらどのような活動をしたいですか?」

 「魔法の理論を学んでいきたいと思っております」

 「魔法理論ですか?」

 「えー、そうです。ある程度、魔法を使えると思っているのですが、本格的な勉強をしておらず、自己流で実現しております。やはり、基礎は大事かと思いまして、基礎から学びたいと思っております」

 「なるほど。殊勝なお心掛けですね。その他にありますか?」

 「魔道具の解析と製造をやってみたいと思います」

 「魔道具ですか?あれはダンジョンから出てくるもので製造出来るものではありません。また、実用的ではなく、壊れやすく使いものにならないという評価がされています。学院には古来からの本があったような気がしますが、誰も解読することが出来ず、ご協力は出来ません。勉強するとすれば独自で調査することになると思います。もし入学出来たとして、それをご承知おきください。ところで、魔法を学んでどうするつもりですか?」

 「うーん、難しい質問です。オルフェス先生は鑑定の能力を持っておられるので、嘘をついても無駄だと思いますから、正直にお話しします。魔法を学びたい理由は単純です。使えなかったものが使えるようになり、それが、なぜ、使えるようになったかを知りたいからです。

 私の生まれた国である日本はもの凄く遠いところにあり、不思議なことに日本という国では使えない治癒の魔法がこの国では使えました。これはある程度分かった気がします。この世界にある魔法の素になる魔素が日本にはないのです。

 しかし、私が使えるようになった理由は、魔素があることだけでは説明が出来ないのです。その理由が知りたいのです。また、知らずに使っているうちに魔力切れとなりました。無駄な使い方をしていると思っております。これは、魔法の理論を学べば効率化出来、簡単に魔力切れを起こさなくなると思っております。

 加えて、しだいに言葉も話せるようになりました。まるで私がこの世界で生まれてきたようでした。多分、これは私に与えられたスキルと言われる力のせいだと思っています。その能力で魔法を解明し、装置を作って、その装置を使って日本に戻りたいというのが本当の気持ちです。ですから、お答えとしては元の世界に帰りたいということになります」

 「そうなのですね、ただ、お名前がヒロシではなく、ラインハルトとなっていますが、これはどう説明されますか?」

 「私の名前は日本という国ではスズキヒロシでした。しかし、この世界にきたらこの名前が表示されるようになりました。詳しく言うと、この名前は亡き母からもらったモノらしく母からの手紙を読んでいるうちに現れたのです。母はこの世界の何処かにあったアレクサンドという国の人のようで、彼女は国が滅びる直前に日本へ逃げ出したという事でした。

 私を産んですぐ亡くなったので、彼女の記憶がありません。私は母親を知らないまま、日本という国で大きくなり、一緒に遊びに行く友達を迎えに行く途中にこの世界に迷い込んでしまったのです」

 何か、言わないで良い事まで話した気がする。


 「そうですか。アレクサンドという国は海を渡った大陸にあった魔法国家です。その国は内政の拙さからか、大臣達の反乱により幾つかの国に分割されたという記録があります。何を隠そう、私の一族もその難を逃れてこの国に移り住みました。幸い魔法が使えたのでその力を使って糊口を凌ぎながら、何とかこの国で生きる事が出来るようになりました。しかし、この国の人はほとんど魔法を使う事が出来ません。使う能力が民族として組み込まれていないのです。正確に言えば魔力を生み出し、蓄える魔臓が体に存在しないのです。

 私達は故国から逃れた人の子孫を見つけるために学校を作り、人材を育成して新たな魔法国家を夢みており、卒業生を送りだしてきました。しかし、それは反面、魔法というモノにこの国の人々の疑いを向ける事にもなりました。

 魔臓がないこの国の人は頑張って勉強しても魔法が使えないのです。悪いことに、魔法の雰囲気をまねて善良な人々を騙してお金を集める宗教家のような輩もでてきました。また、魔法の治療として高額な費用を要求する輩もおります。そのため、魔法使いは詐欺師として蛇蝎のように嫌われるようになりました。これはご先祖含めた私どもの不徳の致すところです。

 また、恥ずかしいお話ですが、王立魔法学院と名乗っておりますが、何らこの国から援助を受けたり資格を得ている学校ではなく、物好きが学ぶ私塾のようなモノなのです。ですので、あなたが望むような勉強が出来るところでは無いかもしれません。また、教えられる人も数えるほどです。それでも入学されますか?」

 オルフェス先生が真剣な眼差しを僕に向ける。


 「現在の私には入学する以外の選択肢はありません。よろしくお願いします」

 と、頭を下げた。

 「つきましては学費はいくらぐらいでしょうか?できれば、寮もご用意していただけると助かります。幸い亡き母からの贈り物としてのお金をもっておりますが、手持ちで足りなかったら、アルベルトさんにお借りしないといけません」

 「学費は寮費込みで月に1000Gとしております」

 「そうですか、良かった。その金額であれば支払えますので、入学手続きをお願いします」

 「ヒロシさん、いや、ラインハルトさん。学院は魔法が使えないと入れません。何かの魔法を見せてもらえませんか?」

 オルフェス先生の顔つきが変わった。

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