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849.アーリィの決断

 メイたちの前に新たにやって来た、4人のアサシンたち。

 数で上回っていても、ここまでの流れを考えると油断はできない。


「【クイックステップ】!」


 今度はすぐさま、アーリィが動き出した。

 アサシンとの戦いは、長くなっていいことはない。

 その判断のもとに、先行を仕掛ける。

 速い移動からの斬り付け。

 これを先頭のアサシンが後方に下がることでかわしたところに、灰猫が続く。


「【十字光弓】」


 四本の誘導矢が一斉にアサシンに迫り、いよいよバランスを崩したところに夜琉が詰める。


「【爆歩】【月穿ち】!」


 しかしアサシンはこれを引き寄せ、伏せることでかわした。


「「「ッ!?」」」


 予想外の回避に驚くアーリィたち。

 しかしすぐに意識を集中し、灰猫が攻撃を再開。


「【浄炎】」


 白い炎砲弾が、一直線にアサシンを狙う。


「【リトルウィング】【エアダッシュ】!」


 それを追うように、アーリィが空を駆けていく。

 飛んできた白炎をアサシンが回避したところで、アーリーが攻撃に入る。


「【白鳥乱舞】」


 一連目をアサシンは後方への大きな跳躍で回避し、続く二連目の跳躍乱舞をそのまま後方へ転がる形でかわす。

 そして三連目は回避し切れないと踏んで、防御を選んだ。


「【加速】」


 そこに詰めていたのはツバメ。


「【電光石火】!」


 駆け抜ける斬撃を、アサシンはそのまま防御を続けることで対応。


「【反転】【電光石火】!」

「ッ!?」


 しかし行って戻る形の斬撃に、驚きと共に振り返りダメージを受けた。


「【大嵐払い】!」


 一方夜琉は大きな太刀の振り回しで、風を巻き起こす。


「くっ! 【リバースステップ】!」


 敏捷型にとっては『動きを制限される』ため嫌な攻撃。

 これにアサシンはいち早く気づき、後方へ飛び下がるようなスキルで風の範囲外へ。


「【回転跳躍】【痺れナイフ】」


 反撃は、当たれば相手を麻痺に追い込む投擲武器。


「【誘導弾】【連続魔法】【ファイアボルト】!」


 夜琉がこれをかわすとレンが再反撃を放ち、炎弾はアサシンの肩をかすめていった。

 一連の流れが、ここで一度途切れる。

 そこに聞こえてきたのは、ざわめきのような声。


「外が騒がしくなってきてる……!」


 メイの耳に、先ほど動かした装置の音に加えてプレイヤーたちの声も聞こえてきた。

 どうやら外では、何かが起き始めているようだ。


「……レンちゃん、ここは任せてもらってもいいかな?」

「どうしたの、急に」


 アーリィは内緒話のような小さな声で、レンに問いかけた。


「外に動きがあるみたいだし、ここもまた落下と隔壁っていう形ではないと思うの。アサシンたちの戦闘姿勢もそうだけど、ちゃんと戦う形だと思うんだ」

「それはそうかもしれないけど……」

「バニーが追って来たらここを通る可能性が高いから。その時は出迎えてあげたいの。あと……」

「あと?」

「偶然かもしれないけど、少し思うところがあって。それを確かめたい」

「ああ、私もだ」

「その通りだにゃん」


 自然に夜琉と灰猫も、アサシンたちを見る。


「私たちの攻撃があまり通じないのは、『知ってる』からだと思うんだ」


 そう言ってアーリィは、アサシンを見据える。

 思わぬ言葉に、意味を計りかねるレン。

 だが確かに、アーリィたちの攻撃はアサシンに上手くかわされている感じはあった。


「そしてこの一連の攻撃が止まって息をつく感じ……NPCっていうより対人戦ぽいなって」

「もしかして、このアサシンたちがプレイヤーだっていうの?」

「確信はできないけど」


 そんなレンの言葉に、アーリィはうなずく。


「私たちの戦闘方式もよく見て知っていたなら、さっきの連携をあれだけ的確に回避できたのにも納得できるんだよね」

「まさか、このアサシンたちが元攻略組だってこと……!?」

「その辺りを、しっかり確認したいなと思って」

「……了解。私たちは先行するわ」


 アーリィたちの冒険の目的は、行方不明になった攻略組の謎。

 ここでその真偽を確かめるためには、3人が知る元攻略組の『証拠』を引き出す必要がある。


「……一緒に冒険できてよかったよ。後で情報交換しようね」

「楽しい時間だったにゃん」

「ああ、最高のパーティだった」


「またあとで」と約束し、ここで分かれる2つのパーティ。

 先行するメイたちを追い、アサシンたちが動き出す。


「【影走り】」


 立ちふさがったのはアーリィ。

 疾走から振る短剣の連撃を、しっかり見据えて回避。

 返す細剣の連撃を、アサシンも見事な後方へのステップでかわす。


「【ヴァルキリーストライク】! 【クロスエッジ】!」


 その後を追うように発動するスキルは、高速移動からの振り降ろし。

 そしてそのまま一回転して放つ横の振りで、斬撃が十字のエフェクトを描く。

 初見では二撃目の対応に少なからず驚きを見せることが多いが、アサシンはこれを見据えて右、後ろへと二段階のステップで回避する。


「【残像斬り】」


 反撃に放つは、速い移動斬り。

 これをアーリィが剣の峰で受けると、遅れて同じ動きの残像が全く同様の斬撃を放つ。

 二段の防御になったアーリィはわずかに下がり、アサシンは再び先手を奪う。


「【残像弐連殺】」


 放つ右剣の刺突。

 これをアーリィが防御したところで、続けざまに出される左剣の刺突。

 これを受けると、遅れてきた残像が二発の刺突で追撃を仕掛ける。

 弾かれ下がったアーリィは、早くも防戦を強いられる。


「【爆歩】【月穿ち】!」


 一方の夜琉は爆発的な低空跳躍で一気に二体目のアサシンのもとへ跳び、放つ豪快な回転撃。


「【伸身宙返り】」


 アサシンはこれを、前方への回転跳躍でかわす。

 両者は着地から再び向かい合う。


「【影走り】」


 一気に駆け寄ってくるアサシンに対し、夜琉は一歩を強く踏み出す。


「【焔薙ぎ】!」


 轟音と共に放たれる回転撃。

 しかしアサシンはこれも、しゃがみでかわしてすぐさま反撃に入り――。


「ッ!!」


 大慌てで防御に入る。


「【朧打ち】!」


 強烈な一回転で放たれる【焔薙ぎ】には、二回転目。

 左手に持った鞘を打ち付けるという派生スキルがある。

 重い鉄製の鞘は、十二分の攻撃力を持つ。


「【錬鉄手甲】」

「ッ!?」


 初見ならどれだけ注意深くても、防御することが限界のその一撃を、アサシンはガントレットで弾いてみせた。


「【螺旋炎弾】」


 三体目のアサシンが右手を伸ばし、放つ炎弾。

 今まさに攻撃を弾かれたばかりの夜琉に向かい、二つの炎弾が渦を巻きながら迫る。

 さらに手前のアサシンも、刀身が黄色の結晶でできた振り上げ空刃を飛ばす。

 左右から同時に迫る攻撃に、夜琉は剣を引く。


「なめるなあっ! 【大嵐祓い】!」


 大きな回転斬りは爆風を生み、空刃を消し去り炎を散らす。


「【八岐大炎蛇】」


 しかし3体目が続けざまに放った8本の炎の蛇が一斉に伸び出し、夜琉に喰らい付きにくる。

 噴き続ける風に速度を落としたものの、8本全てに強い誘導がかかったこの魔法。

 夜琉は全てをかわせず腕に炸裂し、弾き飛ばされた。


「【十字輝光】」


 灰猫は自身の周りに小型の十字光を8つ展開し、けん制とばかりに射出する。


「【影走り】」


 その軌道をしっかり見定めて迫る、4体目のアサシン。


「【十字光雨】】


 その的確な回避接近を見て、灰猫はすぐさま頭上数メートルに無数の十字光を輝かせ範囲攻撃を仕掛ける。


「【影転】」


 するとそれに気づいたアサシンは急加速。

 瞬間移動かと見紛うような速く大きな歩幅の走行で、光の雨が降り出す前に範囲を駆け抜け接近。

 両手のシンプルな短剣で、斬りかかってくる。


「【十字光剣】!」


 余りに見事な距離の詰め方に、わずかにたじろぐ灰猫。

 しかし近接の状態をひっくり返すための一撃も、その手にはある。

 払う手から生まれる光の長剣は長さ約3メートルに及ぶ。

 武器としての重さがないゆえに高速で振られる光剣の一撃は、付近を豪快に薙ぎ払う。


「【回転跳躍】」


 しかしそんな奥の手を、アサシンは跳躍でかわしてそのまま回し蹴りへ。


「【雷転閃脚】」

「く、ああっ!」


 直撃を受けた灰猫は転がり、そのままブロックの床を大きく転がった。

 アーリィたちに、大きな危機が迫っていた。

おめでとうございます!

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【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
― 新着の感想 ―
どうも、百獣の王兼サバンナの王(偽)です。 ガントレット?いや、まさかな。さすがにここにいるわけが…というか攻略組じゃなかったはずだし、でもなぁ…俺が知る限りガントレットつけてるやつ迷子ちゃんくらいし…
[一言] あ、殺人犯と一緒にいられるかの歌詞は、探偵弱音ハクの憂鬱の方ですね。 なぁに、大丈夫。すぐに追いつくさ。」(死亡フラグ!) 「あら、こんな時間に誰かきたみたい……」(死亡フラグ!) 「やった…
[一言] アサシンの正体が攻略組?! もしそうなら彼らは彼らで何かのクエストを進行中ってことですか。 PVPの形になるクエストは今までも有ったことだし、不思議ではないけど、どんな流れでそうなったのか…
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