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848.アサシンと罠とバニーちゃん

「【影走り】」


 中枢部への介入によって始まった異変。

 鳴り響く作動音の中、10人のアサシンたちは、同時に駆けだした。


「【跳躍】【斉射】【フレイムダガー】」


 一体が同時に投じた8本の炎ダガーを、メイたちは回避する。


「【牙打ち】」


 うち一体は、メイを狙って高速接近から短剣を突き立てにくる。


「【アクロバット】!」


 これをメイはバク転で回避し、即座に反撃へ。

 三連続の剣の振りを、アサシンも器用にかわす。そして。


「【影打ち】」

「あれっ!?」


 アサシンは影に潜り、視界から姿を消した。


「【アクロバット】!」


 メイはその瞬間、前方へ伸身宙返り。

 敵が突然見えなくなったら『上か後ろ』

 その予感は正解。

 背後に出てきたアサシンの刺突を、見事にかわしてみせた。


「【因幡ステップ】」


 バニーもメイに続いて、炎ダガーをかわして前線へ。


「【三枚おろし】!」


 通常攻撃を三本の斬撃にする得意スキルで、先手を打つ。

 右の包丁を緊急停止で回避したアサシン。

 バニーはさらに進んで左手の包丁を振り払う。

 斬撃が胸元をかすめ、わずかにダメージ受けたアサシンは即座に反撃。


「【魔剣連殺】」


 短剣を魔力光で延伸させ、放つは大剣サイズの高速三連撃。


「わっと」


 右への払いをしゃがんでかわす。


「わわっと!」


 左への振り上げを横移動で回避。


「わわわっとー!」


 最後の大きな振り下ろしをバックステップで回避すると、叩きつけられた魔剣は魔力光を弾けさせる。

 数で勝るアサシン。

 その1体は、メイたちの戦いに目を付けた。


「【影走り】【跳躍】」


 戦いの真っ最中にあるメイに向け、空中からの攻撃を仕掛ける。

 しかしメイは、戦闘中でも視野が広い。

 これに気づいてすぐさま反応。


「ここっ! 【ターザンロープ】!」


 メイが投じたロープは、空中から迫るアサシンの足をつかんだ。


「このままいきます! 【ゴリラアーム】! それええええ――――っ!」


 風を切る音と共に、振り回したアサシンをそのまま戦闘中だったアサシンに投擲。

 2体はブロック床の上を冗談のような勢いで転がり、壁に激突した。


「はいそこっ! 【フレアバースト】!」

「【十字光弾】!」


 これを逃さず放つ爆炎と光の矢が、2体をまとめて打倒。

 メイとレン、そして灰猫の3人は目配せ一つで笑い合う。


「【刺竜殺】」


 水晶をそのまま短剣にしたような武器で放つ、高速の刺突撃が迫る。

 その狙いはまもりだ。


「【地壁の盾】!」


 それは速く鋭い攻撃だが、まもりには慌てるまでもない。

 これを難なく盾で受けた瞬間、夜琉が動き出す。


「まもり!」

「はひっ」


 その意図に気づいたまもりが、その場にしゃがむ。


「【爆歩】【月穿ち】!」


 するとその背後から飛んできていた夜琉の一撃で、アサシンは吹き飛ばされた。


「締めはお任せっ! 【千切り】だーっ!」


 さらに夜琉の頭を越えて跳び込んできたバニーがトドメを刺し、二人に可愛くピース。


「【誘導弾】【連続魔法】【ファイアボルト】!」


 一方レンは、駆けてくるアサシンに炎弾の連射で早めに対処。


「【影走り】【跳躍】」


 これをアサシンがかわし、跳躍からの攻撃に入ったところで入れ替わる。


「【杭打ち】」


 レンの背後にいた灰猫が放つ、魔力の杭。

 空中から迫るアサシンの腹部を貫くように、背中から突き抜ける魔力光で消し飛ばす。

 するとそんな2人のもとに迫るのは、2体のアサシン。

 速い接近からの近接戦闘となれば、戦いは厳しいものになってしまう。


「【リトルウィング】【エアダッシュ】!」


 しかし駆けつけたアーリィの剣の振り降ろしを受け、アサシンは大きく切り飛ばされた。

 そのまま放つ【白鳥乱舞】で、追撃も見事に成功。


「【アサシンクロス】」


 残ったもう1体は二本の短剣を身体の背後から前面へ、クロスさせるような形で振り上げる一撃を放つ。

 強烈なエフェクトを生み出し、範囲も火力も高いその一撃。


「【加速】【リブースト】【雷光閃火】」


 しかし発動直前に間に合わせたツバメの一撃が炸裂。

 吹き飛ばされた二人のアサシンは、すでに瀕死だ。


「【フリーズブラスト】!」


 トドメはレンの起こした氷嵐。

 跳ね飛んだダガーを回収したツバメも、まだまだ余裕の様相だ。

 8人の連携は、すっかり強固なのものとなっていた。

 しかしアサシンの数が10人から5人と、半分になったところで戦い方に変化がおとずれる。


「始まったぞ!」


 アサシンが取り出した、黄色の結晶が輝く。

 すると浮遊するブロックたちが、次々に飛んでくる。

 事前にこの戦い方を知っていたメイたちは、これをしっかり回避。

 するとアサシンは、すぐさま結晶を再点灯。

 足元のブロックが、ランダムで光り出す。


「気をつけて! 足元が落ち始めるよ!」


 点灯ブロックは次々に落下を開始。

 足元に意識を奪われる8人に向けて、アサシンは攻撃を再開する。


「【跳躍】【氷槍弾】」

「あっぶなーい!」


 バニーは降り注ぐ氷槍をかわすが、その先にあった穴に転がり落ちそうになって、ギリギリ体勢を立て直す。

 アサシンはさらに結晶を使い、天井のブロックを点灯。

 すると今度は、ブロックが次々に落下してくる。


「きゃっ!」


【天雲の盾】でアサシンの炎ダガー投擲を受けたまもりが、落ちてきたブロックに弾かれ転がる。

 ここで足元のブロックが一気に落ち出し、『仕掛け』としての要素が強く出始めた。

 まもりは一瞬で、離れブロックの上に取り残される形になった。

 アサシンたちには『仕掛け』や『罠』としての要素があることも分かってはいたが、思わぬ不運に見舞われた形だ。


「……隔壁っ!? これがこの空間の最大の仕掛けってこと!?」


 さらに進むべき方向に、天井から降ってくるブロックが隔壁を作り始める。

 この空間で求められるのは、すでに『点在』状態のブロックを乗り越え隔壁を越えること。

 その事に気づき、各自が脱出に動き出す。

 しかし離れブロックに取り残されたまもりと足の遅い灰猫には、すでに崩れかけの階段のようになっているこのブロック足場の攻略はあまりに難しい。


「メイ、灰猫とまもりをお願いっ!」

「りょうかいですっ! 【ターザンロープ】!」


 メイは言われるままロープでまもりを引き、灰猫のもとへと駆ける。

 そこに跳びかかるのは、2体のアサシン。


「【三枚おろし】!」

「【牙打ち】」

「っ!」


 バニーは手前のアサシンを弾き、2体目のアサシンの跳躍突きを防御。


「【斉射】【フレイムダガー】!」


 その狙いは灰猫。

 バニーはこれを身を挺して防ぎ、声を上げる。


「……こいつらはバニーちゃんが引き留めるから、先に行っちゃって!」

「ええっ!?」

「だいじょーぶ! 後で必ず追いつくから!」

「メイ! 早くっ!」


 すでに隔壁前の隙間は残りわずか。

 アサシンたちに立ち向かっていれば、間に合わない可能性もある。


「えっへへ、言ってみたかったんだこれ! 5対1なら、ちょーどいいハンデかもねっ!」


 そう言ってメイに背を向けたバニーは、腰を落とし二本の包丁を構える。


「メイちゃんっ! 急いで!」


 落ちたブロックはいよいよ道の形を失い、離れ小島と化していく。

 スキルによるジャンプ移動でも、難しい距離感だ。


「【バンビステップ】【ラビットジャンプ】!」


 灰猫を抱えて走り出したメイは、残り少ないブロックを大きなステップで駆けていく。


「【アクロバット】からの【ターザンロープ】!」


 投じた【ターザンロープ】を、今度は夜琉が受け取り引き上げる。

 隔壁と化していくブロックの隙間は、残りわずか2マス分。

 ギリギリのところで3人を引っぱり込み、7人は事なきを得た。


「さー、これで心おきなくやれるね」


 最後にはメイに抱えられたまもりに向けて、両手でピースして見せたバニー。

 隔壁が閉じたのを確認して、アサシンたちに振り返る。


「さあいくよーっ! 【因幡ステップ】!」


 残り少ないブロックも、連続跳躍が得意なバニーなら、まだ戦いを続けられる。


「【サンドキック】!」


 着地と同時にヒザを曲げ、伸脚の体勢で足を床に擦るように一回転。

 すると巻き上がった砂煙が、隣接していた二体のアサシンの視界を奪う。


「覚悟しちゃってね! 【啄木鳥】いっきまああああ――すっ!」


 次の瞬間バニーは、手前のアサシンの肩に前から肩車する姿勢を取り、両手の刺身包丁を逆手で持つ。

 そしてそのまま、キツツキが木を突くような猛烈な勢いで刺突を連打。

 飛び散る光のエフェクトは、どう見ても出血をイメージしたものだ。

 怒涛の突き刺しは恐ろしい速度でHPを奪い取り、アサシン一体を容赦なく打倒。

 バク転で肩から降りると、アサシンはそのままブロックから転がり落ちていった。

 敵数はまだ4体。

 だがバニーは、その動きを止めない。


「さあおいで、ヴォーパルバニーちゃん! 全てを喰らい尽くしちゃええええーっ!!」


 離れ小島のように浮かぶブロックの上を、飛び跳ね駆けていく。

 ウサギの波と共に、アサシンに飛び掛かるバニー。

 迫る4人のアサシンと、崩れゆくブロック。

 最悪の状況下の中で、無謀な戦いが始まった。


「……バニーってあれで、私たちの中で一番熱いタイプなんだ」


 閉じた隔壁を見ながら、つぶやくアーリィ。

 壁の向こうからはもう、バニーが戦う音も聞こえない。


「今回は本当にずっと楽しそうだったからな。燃えるものがあったのだろう」


 集合のたびに、スキップでやって来ていたバニーを思い出す夜琉。

 崩れ落ちる通路からの脱出に成功し、残ったブロックの道は半分ほど。

 だが、ここで感傷に浸る暇はないようだ。

 見えたのは、出口からやって来る新たな4人のアサシンたちだった。

おめでとうございます!

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【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
― 新着の感想 ―
[一言] なんで、ウサギさんは包丁構えるの多いんだろ? ハガレン、ガルパンなど
[一言] 先に行け後から必ず行くは…死亡フラグ ちなみに死亡フラグばかりが歌詞になっている、初音ミクの 死亡フラグ と言う歌があったりします。
[良い点] アサシンズ A「ウサ耳美少女が俺の肩に跨って来たんだが?」 B「マジかよ!? ヤベェな!」 A「もう俺の視界はキュートなお腹とおっP…でいっぱいよ!」 C「最高かよ!」 A「んで上を見た…
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