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713.結木まもり

「まもりちゃん、すごーい!」


 これまで見たことのない戦い方を目の当たりにしたメイは、目を輝かせて尻尾をブンブン振る。


「両手盾は、あくまで時間稼ぎのための防御力を上げるために使うなんてことが極まれにあるみたいだけど、実際見たことはなかったわね」


 赤錆色の植物から採取した毒を瓶に入れながら、レンがつぶやく。


「私も初めて見ました」

「でも、どうしてそんな戦法を?」

「も、もしパーティを組むようなことがあったら、め、迷惑になってしまうので……とにかく死んでしまわないようにと考えまして……」


 流行のクエストを受けたりすると、当然誰かと一緒になることもある。

 そんな時、相手に迷惑をかけないようにするにはどうするかと考えて出したのは『とにかく死に戻りはダメ。だから死ぬのはダメ。よって【耐久】が大事』という結論。

 さらに守りがしっかりすれば長生きできると考えて、まもりは防御を優先することにした。


「そ、それでですね……クエストに『とにかく盾で防衛する』というものがありまして。そればかりをひたすら繰り返して練習したんです」


 難易度高めの要人警護クエストは、なかなかの変わり種。

 ひたすらに敵の攻撃から要人を守るというもので、反撃はNPC任せ。

 攻撃はしなくていいというのが特徴だ。


「そ、そうしたら、だんだん攻撃が見えるようになってきて……」

「わかりますっ。基本はとにかく敵がどういう攻撃をするのか、しっかり見ることなんだよね」


 毎日ひたすら、同じクエストの繰り返し。

 やがて飛んできた攻撃を、どの方向に弾くかまでを考えての盾防御を始めた。

 いつしか難易度の高いそのクエストもパーフェクトが当たり前になり、最終的には単なる作業になるまで続けられた。

 そして盾さばきの技術が付いた頃、防御スキルの起動を速くする【クイックガード】を入手。

 さらにレアスキルである【防御クールタイム減少Ⅲ】という、防御スキルの使用速度を上げるものも乗せた。

 これによって、両手に盾という『冗談でやるやつ』が本当に成立することになったのだった。


「そ、そのクエストはすごく効率が良くて、経験値はほとんどそこで得ました」


 どうやらまもりも、メイのように一つのクエスト集中でレベルを上げたタイプのようだ。


「それでも、攻撃手段が何もないわけはないでしょう?」

「は、はい……【シールドバッシュ】が【耐久】依存なので……あといくつかの盾スキルと、あまり使いませんが【魔神の大剣】です」


 そう言ってまもりは、そこそこ禍々しい大型の剣を取り出す。


「こ、この剣は攻撃時に1/5でクリティカル必中になるんです」

「なるほど、【技量】がなくても攻撃が20%で当たるってことね」

「すごい攻撃の仕方ですね……」


 パーセンテージの話が出た瞬間から白目のツバメが、感嘆の声を上げた。


「それにしてもこの硬さ……どこか有名なパーティとかで戦ってきたんじゃないの?」


 怒涛と言ってもいいほどのツルに、毒液の混合攻撃を見事に全て守り切ってみせた盾さばき。

 これまでもかなりの活躍をしてきたのだろうと、レンがたずねる。


「い、いえ……その、まだ……一度も」

「そうなの!?」


 なんとこれまでの長いプレイ期間で、まもりはパーティでの攻略に参加したことがないのだった。

 自分からパーティプレイに参加しにいけるタイプではなく、そのせいでいつまで経っても自信がつかない。

 だから「……もう少し上達したら」と、ひたすら技術を磨く。

 こうして『いつかパーティに参加したら』の瞬間は来ないまま、今日という日を迎えたのだった。


「まあ、パーティプレイへの参加に気が重くなる感じは、分からなくはないけど……」

「や、やっぱり私なんかじゃ皆さんの足手まといに……っ」

「それは大丈夫よ」

「あの防御は、素晴らしい戦力です」

「いきましょうっ」

「あ、あわわわわわっ!」


 素直で元気で強い野生児少女メイ。

 その姿を偶然映像で見かけて、思わずカフェにまで見に来ていたまもりは、まさにその本人に背中を押されてあわあわ。

 四人はそのまま一緒にポータルへ向かい、王都ロマリアを選択。

 多くのプレイヤーが行き交う街は、今日も賑わっている。


「ここに植物学者さんがいるんだよっ」


 以前崩壊の危機を救った王都に戻ってきたメイたちは、その足で植物学者トミーの研究所へ向かう。

 いつも通りラボ前に寝転んでいる猫にまみれたメイと共に、室内へ。


「おやメイさん、何か御用ですか?」


 植物学者トミーはすでにメイたちと面識があり、いつも通りの対応を見せる。


「はいっ、実はこの毒を見て欲しいんですっ」


 そう言ってメイは、毒を入れた三つのビンを取り出し渡す。

 するとすぐさま、トミーの表情が変わった。


「その毒に飲み込まれちゃった街があってね、毒を食べてくれる植物が欲しくて来たの」

「……この三種の毒が占拠しているのですか? それはもう……死の街ですね」


 その惨状を想像して、大きく息をつく。


「どれも手元にあるもので対応するのは難しい、特別な毒素です。ですがこれらの毒に対処できる物の『在処』には心当たりがあります」


 そう言ってトミーは、三本の指を立てる。


「一つ目は【毒食草】、二つ目はエルフの作る【清地薬】、三つ目は商人の街にある【浄化剤】ですね。これらをそろえることができれば、毒を消すことができます。そうなれば毒に群がるモンスターも枯れる他ありません」

「なるほどね。それじゃまずは【毒食草】からいってみましょうか」

「【毒食草】は毒の沼に生えています。高い毒性を求めるために、必然的に危険地域にしか植生していません。毒によるHPの減少は恐ろしいものになるので、くれぐれも気をつけてください」

「その辺りは大丈夫ですっ」


 メイは「おまかせくださいっ」と胸を叩き、【原始肉】を取り出してやっぱりしまう。

 あらためて見ても、【原始肉】は驚くほどに野生的だ。


「それじゃいきましょうか」

「はい」

「は、ははははいっ」


 さっそく四人はマップを確認。

 まずは【毒食草】に狙いを定め、動き出すのだった。



【名前:メイ】

【クラス:野生児】


 Lv:316

 HP:31208/31208

 MP:515/515


 腕力:1320(+58)

 耐久:875(+78)

 敏捷:550(+30)

 技量:455(+20)

 知力:10

 幸運:10


 武器:【蒼樹の白剣】攻撃43(【大蜥蜴の剣】)(【魔断の棍棒】)(【大地の石斧】)(【王樹のブーメラン】)

 防具:【白花の鎧】耐久30 腕力15(【王者のマント】)

   :【白花のブーツ】耐久20 敏捷10

 装飾:【猫耳・尻尾】敏捷20 技量20(【鹿角・尻尾】)(【狐耳・尻尾】)(【狼耳・尻尾】)(【狸耳・尻尾】)

   :【召喚の指輪Ⅴ】【友達バングル】


 スキル:【ソードバッシュ】【投石】【装備変更】【キャットパンチ】【フルスイングⅢ】

    :【ラビットジャンプ】【バンビステップ】【モンキークライム】【ゴリラアーム】【カンガルーキック】【四足歩行】【裸足の女神】【野生回帰】【ドラミングⅡ】

    :(【アクロバット】)(【突撃】)(【狐火】)(【幻影】)(【遠吠え】)(【まやかし】)(【トカゲの尻尾切り】)(【魔弾リフレクト】)(【地列撃】)(【グレート・キャニオン】)

    :【アメンボステップ】【ドルフィンスイム】

    :【遠視】【聴覚向上】【嗅覚向上】【夜目】【雄たけび】【尾撃】

    :【自然の友達】【密林の巫女】【蓄食】【帰巣本能】【呼び寄せの号令】【お仕置き戦樹】【穴を掘る】

    :【クマ召喚】【クジラ召喚】【ケツァール召喚】【白狼召喚】【象召喚】(【ランダム召喚】)



【名前:聖城レン・ナイトメア】

【クラス:魔導師】


 Lv:138

 HP:3260/3260

 MP:1702/1702


 腕力:10(+8)

 耐久:10(+76)

 敏捷:200(+12)

 技量:154(+15)

 知力:1026(+35)

 幸運:10(+1)


 武器:【銀閃の杖】攻撃8 知力15(【ワンド・オブ・ダークシャーマン】)(【魔剣の御柄】)(【ヘクセンナハト】)

 防具:【夜空の冠】防御5 知力10

   :【夜風のローブ】防御40 知力10

   :【夜空のブーツ】防御15 敏捷12

 装飾:【銀の腕】防御15 技量15(【宵闇の包帯】)(【常闇の眼帯】)(【色炎のお守り】)

   :【真っ赤なリボン】防御1 幸運1


 スキル:【スタッフストライク】【吸魔】【浮遊】【低空高速飛行】【旋回飛行】

    :【ファイアボルト】【フリーズボルト】【ファイアウォール】【ブリザード】【フレアアロー】【氷塊落とし】【悪魔の腕】

    :【フレアストライク】【フリーズストライク】【フレアバースト】【フリーズブラスト】

    :【ダークフレア】【魔力蝶】

    :【魔眼開放】【連続魔法Ⅲ】【連続魔法Ⅳ】【連続魔法・中級】【魔力剣】(【魔力剣・改】)【魔砲術】【コンセントレイトⅠ】

    :【誘導弾】【設置魔法】【魔法速度変化】【ペネトレーション】【罠の心得】【超高速魔法】

    :【クイックキャストⅠ】【クールタイム減少Ⅰ】【MP向上】



【名前:ツバメ】

【クラス:アサシン】


 Lv:124

 HP:4789/4789

 MP:229/229


 腕力:184(+50)(+75)

 耐久:10(+48)

 敏捷:903(+38)

 技量:143(+10)

 知力:10

 幸運:10


 武器:【グランブルー】攻撃50(【デッドライン】)(【境界死線】)

   :【致命の葬刃】攻撃75(【ダインシュテル】)

 防具:【ミスリルベスト】防御15 敏捷5

   :【紺碧のローブ】防御16 敏捷18

   :【天駆のブーツ】防御18 敏捷20(暗転のブーツ)

 装飾:【シルクグローブ】防御5 技量10(強奪のグローブ)

   :【隠し腕】


 スキル:【加速】【跳躍】【隠密】(【スティール】)【壁走り】(【天井走り】)【忍び足】【残像】【分身Ⅱ】(【暗転】)【リブースト】【疾風迅雷】【エアリアル】【スライディング】【反転】

    :【スラッシュ】【投擲】【連続投擲】【電光石火】【雷光閃火】【アサシンピアス】【紫電】【不可視】

    :【アクアエッジ】【ヴェノム・エンチャント】【四連剣舞】【剣舞の才】【瞬剣殺】

    :【二刀流】【ダブルアタック】【サクリファイス】

    :【罠解除】【地図の知識】

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◆◆◆新作よろしくお願いいたしますっ!◆◆◆

【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
― 新着の感想 ―
あーうん、ふっつーに強いわこの子……
[一言] 狼の【遠吠え】と狸の【まやかし】が抜けてますよ
[一言] 論理クイズのヒントは確率計算は必要ないかな
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