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560.暗夜教団との戦い

 フールフールは炎の蛇の尾を持つ、有翼の黒鹿。

 その体高は角を入れず3メートルに及び、現実に存在すればまさに怪物といえる大きさだろう。

 跳躍と同時に翼を羽ばたかせて飛行。

 そのままシンプルな【飛び掛かり】で迫り来る。


「「ッ!!」」


 これを飛び込むような形で回避した二人。

 フールフールが身体を回転させると、尾の【炎蛇】が喰らいつきにくる。

 リズは白夜を突き飛ばし、地を転がすことで回避させた。


「気を付けろ。72柱悪魔フールフールは、雷や嵐を呼び寄せる」

「よくご存じですわね、助かります……わっ!」


 黒鹿が馬のように前足を上げると、天から落ちる雷。


【天雷】は空を輝かせた次の瞬間、5本同時に雷撃を落とす技。

 リズの速い指摘もあり、二人はしっかりタイミングを待って回避した。


「【ファントムダンス】」


 輪廻は雷の隙間を縫うようにして駆けてくる。

 連撃からの雷撃短剣をリズが避けたところに、飛び込んでくる彼方の矢。


「叩け【狼腕】」

「くっ」


 矢はどうにか回避したものの、続く【狼腕】に叩かれ転がる。


「【エクステンダー】」


 距離ができたところを狙う、炎リボンの叩きつけ。


「ッ!!」


 その場を転がり、追撃はどうにかかすめる程度に収めた。

 これで3割のHP減。

 暗夜教団の二人は、さらに攻める。


「起きろ【雑兵】」

「【霧隠れ】」


 広い範囲に、一気に広がっていく白霧。

 霧によって、雑兵の姿もおぼろげにしか見えない状況となってしまった。

 輪廻はアンデッドの隙間から、そっと迫る。


「もらった」

「その手は食わぬ!」


 霧とアンデッド兵の隙間から飛び出してきた輪廻の手には、魔力光をたぎらせる宝石剣。

 これをリズはとっさの横っ飛びで回避。


「さすがです。だが本命は如月ではない……【栄光の手】」

「なにっ!?」


 輪廻の攻撃をオトリとし、背後から音もなく接近してきていたのはネビロス。

 燃える腕から払われた火の粉を浴び、動きを強制停止させられる。

 そして、霧が晴れるのと同時に――。


「【照準】【チャージアロー】【呪爆の矢】」


 待っていましたとばかりに放たれた彼方の矢は、空を切り裂き一直線にリズへ。


「【ライトニングスラスト】!」


 この状況から矢を弾く自信は、さすがになし。


「はああああっ! やあっ!」


 白夜は高速飛行突撃でわずかに的を外してタックル。

 リズを思いっきり弾き飛ばす。


「ぐああああっ!」


 衝突ダメージを取られたものの、炸裂する矢をかわすことには成功した。


「礼には及びませんわ」

「……ふん」


 ゆっくり立ち上がる、リズと白夜。


「悪魔がそろってからは、さすがに劣勢ですわね」

「だがどこかで隙は生まれる。そこで主導権を奪い返すぞ」

「もちろんですわ」

「まだまだ終わらないのでございます! フールフール!」

「「ッ!?」」


 地面に走る無数の光の線が、パチパチと青白の火花を散らし出す。

【地雷】はこの『線引き』の後、壮絶な雷光が地を駆ける電撃スキル。

 視界を焼くほどの光の炸裂が、アンデット兵を消し飛ばす。


「【跳躍】!」

「くっ!」


 白夜はスキルで、リズはなんと気合の自前ジャンプでどうにか範囲外へ転がり出る。


「【斉射】【神速連射】!」


 しかし体勢を崩したリズを狙い、放たれる矢の連射。


「なにっ!?」


 矢をかすめながら逃げた先に、【ゴーストダイブ】で影から浮かび上がってきたのは輪廻。


「【雷光剣】【ソードダンス・ラピッド】」


 踊るような高速連続剣舞に、宝石剣による雷属性攻撃を乗せて放つ必殺技。

 もはや回避ができる状況ではなく、リズは必死のガードでこらえる。


「くっ、見事だ」


 2割強のダメージで、残りHPは半分まで減少。


「【爆嵐】」


 フールフールが吐き出した透明な球弾は、白夜の手前で炸裂。

 圧縮されていた嵐が解かれ、暴風が辺り一面に吹き荒れる。


「きゃあっ!」


 ダメージは微量。

 あくまでこのスキルの狙いが『敵の吹き飛ばし』だと気づいた時には、すでに輪廻がこちらを狙っていた。


「喰らえ【死龍】!」

「ッ!! 【ライトニングスラスト】!」


 白夜は真上にレイピアを向けることで、迫る竜のアギトに足に弾かれる程度におさめた。しかし。


「【呪爆の矢】」

「きゃああああっ!」


 そこを撃ち抜かれて、闇色の爆発が巻き起こる。

 見事に撃ち抜かれた白夜は吹き飛ばされ、合計4割ほどのダメージを受けた。

 彼方はさらに、フールフールを追撃に走らせる。


「ですがこの位置関係。いいタイミングで好機がきましたわね」

「目覚めろ【暗夜剣】!」


 白夜が落ちた先には、今まさに新たな【雑兵】を呼び出そうと下がった輪廻とそれを制止するリズ。


「いきますわよリズさん」


 そうつぶやいて白夜は、右手を突き上げる。


「【エーテルジャベリン】」


 生まれた六本の光の槍を、迫るフールフールにまとめて発射。


「好機でございます!」


 するとフールフールは翼を広げて跳躍。

 滑空からの飛び掛かりで白夜を狙いに行く。


「今ですわ!」


 叫んでしゃがむ白夜。

 するとリズは振り返り、空から迫るフールフールに向け黒の大剣を振り上げる。


「【飛天闇祓い】」


 豪快な剣の振り上げと共に、闇の飛沫が盛大に噴きあがる。

 白夜を狙いに来ていたフールフールに、これをかわすことはできず直撃。

 飛ばせて落とす戦法で、空から迫る悪魔を地に叩き落した。

 共闘型の召喚には各自『耐久力』があり、それを一気に減らした形だ。


「【ファントムダンス】!」


 流れの変化に気づいた輪廻は、一気にリズへと迫る。


「【エーテルライズ・エクステンド】」

「っ!」


 しかし目前に置かれる形になった、聖なる光の噴き上げに慌てて足を止めた。


「――――【暗衝突破】」

「なっ!?」


 次の瞬間、聖なる輝きの壁を突き破るようにして飛び出してきたのは、黒の大剣を抱えたリズ。

【暗衝突破】は、魔法スキルをダメージ覚悟で突き破るアーマースキル。

 煌々と輝く光の壁から黒のオーラをまとった全身鎧が飛び出してくる光景に、輪廻は思わず硬直。


「喰らえ輪廻――【闇十字】!」

「あああああ――っ!!」


 放たれた闇の十字斬撃が直撃し、輪廻は地面を転がった。


「……どちらも思った以上にやりますわね」

「これが闇の使徒の力だ」

「ちょっとうれしそうですのね」

「そんなことはない」


 輪廻と彼方の豪快なコンビネーションを目の当たりにしてもなお、そんな軽口をたたき合う二人。


「悪魔召喚を使った戦いはどちらも見事だ。だが、ここからは――」

「――本気ですわ」


 先に言われて少し不満そうにするリズと、バッチリポーズの白夜。

 HPはすでに半分ほどまで減らされているのに、まるで慌ててもいない。

 戦いの空気が、確かに変わり出した。

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