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1496.最終防衛戦

「「「うおおおおおおおお――――っ!!」」」


 中型ゴーレムは、シオールの怒りの一撃によって粉砕。

 こうして残ったのは、大型一体のみ。

 こちらもメイたちの連携によって、残りHPは3割ほどとなっていた。

 しかしそうなれば敵も、最後の攻勢をかけてくる。

 全身の紋様の小さな集結点から放たれたのは、大量の魔法石弾。

【魔宝石爆撃】は、ミサイルのように一斉に飛んでくる。


「明らかに街への攻撃を強めてきたわね! 【低空高速飛行】!」


 レンはわずかに下がって位置取りを確認、杖を【ヘクセンナハト】に持ち替え天に向ける。


「【フレアバースト】!」


 魔法効果範囲を広げる杖で放った爆炎は、多くの魔法石弾を爆発させ、パパパパパと空を輝かせる。


「【集中】【炸裂の矢】!」

「「【フレイムストライク】!」」


 さらにハウジング勢と掲示板組が放つ遠距離攻撃で、撃ちもらしにも見事に対応。


「今度は何!?」


 だが攻勢を続ける大型ゴーレムは、先ほどの数を超える炎弾を射出。


「これって! 狙いは私たち!?」

「この火炎弾、追ってくるヤツだ!」


 一人につき数弾ずつ放たれた【追尾火炎弾幕】は、後を追って来るタイプの攻撃だ。


「【フリーズブラスト】!」


 レンは続けざまの【ヘクセンナハト】使用で、炎弾の数を減らす。


「【臨海氷樹】!」


 さらに樹氷の魔女の氷結魔法が続き、炎が次々に消滅。それでも。


「「「うわああああ――っ!!」」」


 全てを撃ち落とすことはできず、一部の掲示板組とハウジング勢が、爆発に巻き込まれて倒れ込んだ。


「ツバメちゃん!」

「メイさん!」


 追尾の攻撃は恐ろしいが、速さや攻撃で対応できる者にとっては好機となる。

 メイとツバメは『二人が交差しながら走る』ことで、追尾弾同士をぶつけて無力化。

 それでも残った、しつこい炎弾は――。


「【装備変更】! それそれそれーっ!」


【魔断の棍棒】で次々打ち返し、綺麗な角度で飛んだ炎弾がゴーレムにぶつかり炎を巻き上げる。

 この隙に二人は、大型ゴーレムのもとに駆けつけていく。


「「っ!!」」


 しかしここで近接対策の【緑炎大噴出】を発動し、噴き出す猛烈な炎風で二人を足止め。

 蒸気を噴き出す汽車のように、大量の炎を盛大な風で広げて防御中のメイたちのHPを削る。

 そして強烈な熱風が、ようやく落ち着いた時には――。


「隙あらばね!」


 レンが思わず苦言をぶつける。

 頭部の集結点から放たれる【閃光爆破砲】が、猛烈な光を閃かせた。


「【チャリオット】!」


 気付いて前に駆け出してきたのは、まもり。


「【錬金の盾】【インストールシールド】【不動】【コンティニューガード】【天雲の盾】っ!」


 生み出した壁が、【閃光爆破砲】から街を守り抜いた。しかし。


「も、もう一発ですかっ!?」


 まさかの事態に驚愕する。

 角度を変えて放つ二発目の【閃光爆破砲】の輝きが、確かに見えた。


「メ、メイさんっ!」

「りょうかいです! 【裸足の女神】!」


 もはやメイの位置からでは、大型ゴーレムの攻撃を停止させることは不可能。

 それでもまもりが呼んだのは、一つの狙いのため。

 気付いたメイは走り、ビームの射線の前に立つ。


「【かばう】!」


 この位置からなら【かばう】が届く。

 壁に変えた盾を置いたまま、まもりは跳んでメイの前へ。


「【コンティニューガード】【天雲の盾】ええええ――っ!」


 直後、猛烈な光線がまもりの構えた盾に直撃した。

 どうしても間に合わなかった【不動】が、当然ここでマイナスに働く。しかし。


「まもりちゃん、大丈夫だよっ!」

「ありがとうございますっ!」


 メイが後ろからしっかり抱き止め転倒を防ぎ、二人は見事に【閃光爆破砲】から街を守り抜いた。

 そしてさすがにこれだけの大技を使えば、さすがに隙ができる。


「【ゴッドハンド】!」


 雄叫びをあげたのは、シオール。

 左右の拳で上級拳撃を放つスキルを使用しながら、駆け込んで行く。


「【悪鬼羅刹】!」


 さらに【知力】を全て捨て、【腕力】に振る変わり種スキルで火力を増加。


「【爆炎正拳突き】! 右ぃぃぃぃ!! 左ぃぃぃぃ!!」


 あまりに重い豪炎の拳が、大型ゴーレムに片ヒザを突かせた。


「いきますっ! 【装備変更】!」


 そこにはすでに、【肉球グローブ】装備で駆け出してきていたメイの姿。


「【虎爪拳】だああああ――――っ!!」


【狐耳】による【狐火】状態で放った一撃が、さらに敵を崩して腕を突かせる。

 赤と青の炎が燃え上げる中、続くのはアサシンとそれを模したドール。


「【ホムンクルス】コピー生成!」


 なーにゃは即座に、スワローのコピー体を生成。

 左右を入れ替わる形の速い疾走を見せた二体のスワローたちは、その手に魔法石の剣を取り出す。


「【氷刃刺槍】ですな!」


 そのまま伸びる長い氷槍が二本、クロスする形で紋様の集結点を貫いた。さらに。


「【影分身】!」


 四人に増えたツバメが、【村雨】を手に接近。


「【水月】!」


 生み出した長い水刃で、集結点を貫く。

 計六本の刃に貫かれたゴーレムは、大量の水飛沫をバラまきながら倒れ、ついにHPも残りわずか。

 一方四人のツバメは、とんでもない一撃を刺したにもかかわらず当然のように息をつく。

 そして双子のような状態のスワローも、静かに敵に背を向け息をつく。

 メイたちの苛烈な『動』の一撃から、ツバメたちの粛然たる『静』の一撃へ。

 その落差に、レンですら息を飲んだ。


「わずかに、残ってしまったのですな……」


 スワローの攻撃は十二分の威力を持つが、ツバメの【影分身】【水月】には届かない。

 敵のHPが薄く残ってしまったことを、悔しそうにするなーにゃ。

 そうなれば当然、敵は最後の猛攻を仕掛けてくる。


「消えました!」

「ここで私たちを、直接攻撃で叩くつもり!?」


 身体を気化させ姿を消したゴーレムは、突然液状に戻り腕だけを固体化。

 生まれた拳を強く振り下ろす。


「【アクロバット】!」

「【加速】!」


 メイとツバメは、冷静にこれを回避。

 すると敵は再び気化して姿を消し、今度はシオールたちの背後へ。


「う、後ろですっ!」


 固体化した腕で、シオールを狙っての叩きつけ。


「当たらないよ!」

「甘いですな!」


 これは早いまもりの声が活き、大きなサイドステップでかわす。

 そのまま巻き起こす爆発も、前衛組は早めの退避で対応。

 生まれた隙に、全員が攻撃体勢に入った。その瞬間。


「またですか」


 大型ゴーレムが消えた。

 各自が視線を走らせ、再登場に意識を集中する。


「「まさかっ!」」


 レンとなーにゃが、声を合わせた。

 突然足元に広がった液体。

 メイたちをまとめて、その場に縫い付けた。

 気体になって姿を消した後の攻撃には、液状化してまとわりつくパターンもあるようだ。


「うごけないよっ!」

「広範囲への硬直スキル……まさかの展開ですな!」


【黒蜜液化】は、長い時間に渡って攻防のどちらも許さない恐ろしい罠スキルだ。


「急な接近戦を始めたのは、このためだったの!?」

「完全無防備状態での足止めをした上で、私たちを狙わないのですかっ!?」


 メイたちが隙だらけにもかかわらず、大型ゴーレムの狙いはあくまで街。

 その額の収束点に、魔力が集まっていく。

【収束・閃光爆破砲】

 それはこれまでのビーム砲を『溜め』から放つことで火力を上げ、一撃で広い範囲を吹き飛ばすスキルだ。


「……これ、皆で総攻撃して止めるやつだ」


 つぶやいたのは極・魔剣。


「これ、全員で一斉攻撃をかけて敵の必殺技を止めるやつだぞっ!!」

「いきましょう! 死ぬ気で撃ち込んでください――――っ!!」


 アクションRPGなどで見られる、時間制限付きの溜め攻撃。

 止めなければ、無慈悲な一撃が放たれる。

 マーちゃんの声で、ハウジング勢と掲示板組が一斉に攻撃を開始する。


「【サンダーバード】!!」

「【隼狩りの矢】!!」

「【風刃】!!」

「【鷹狩りの矢】!!」

「【アックスバスター】!!」

「【グラビトン・ハンマー】!!」

「【ヘパイストスの炎】!!」


 全員が持てるスキルを、次々放って一斉攻撃。

 しかし【収束・閃光爆破砲】には、ため時間にアーマーあり。

 魔力の収束は止まらず、収束点が強い輝きを放ち始める。

 それでも、諦めない。


「目覚めし白き吹雪の王その息吹は絶対零度の祝福なり凍てよ世界来たれよ悪夢我が根源の本流は移る時すら流れを止める――――【無明雪月花】!!」


 全力の早口で樹氷の魔女が放った氷球は、一瞬小さく白い輝きを見せた後に爆発。

 猛烈な氷刃の嵐が全てを吹き飛ばし、大型ゴーレムの表面を白一色に塗り替える。

 だが、これでもまだ止まらない。


「これで勝負ぽよ――――ッ!! 【超可変・海王】!」


 スライムは巨大な一角の海獣に変身し、そのまま突撃。


「勝負ですっ! 来て! 私のゴーレム!」


 迷子の叫びに、オリハルコン製のゴーレムが頭上から当時して拳を叩きつける。

 最後にたどり着いたのは、スライムと迷子の一撃。


「「「ああっ!!」」」


 しかし、それでもビームは放たれた。

 その場にいた全員が、思わず目を閉じるが――。


「……間に、合ったぽよ――ッ!!」


 ギリギリで発射角度が変わっており、光線は建物のわずかに上を通り過ぎて、盛大な爆発を巻き起こした。


「「「っ!!」」」


 放たれた一撃の余波は、凄まじい。

 スキルを使い果たしたところに受けた衝撃波の影響で、誰もがその場に倒れ込む。

 それでもビーム攻撃をどうにかそらしたハウジング勢が、掲示板組が視線を向ける。

 その先には、皆の健闘に応えるように大きく拳を突き上げてみせたメイ。

 そして気合を入れる、ローチェの姿。

 液体による拘束が、ここで解ける。


「先行しちゃうねっ! おいで、【神霊祖竜】!」

「【装備変更】【群れ狩りⅢ】! ――――それでは、よろしくお願いいたしますっ!」


 メイの前に出てきた魔法陣から腕を組みながら上がって来たのは、一体の子グマ。

 勢いのままに走り出す。

 そしてそのまま高く跳躍したところで、親グマに抱えられた。

 法被を着た親方姿の親グマは手にした角材を振り上げると、やっぱりそのまま放り出し、代わりに爪を豪快に振り下ろす。

 するとローチェの【神霊祖竜】に噛みつかれて動けないゴーレムに、容赦なく直撃。


「今っ! 【同時撃ち】【火炎弾】」


 さらにそんな親グマの後ろを飛んで来たパラス・アテナが、霊竜の牙の隙間を通り過ぎ、放った【火炎弾】がさらに隙を延長。

 そこに駆け込むのは、もちろんメイだ。

【バンビステップ】による華麗な踏み込みから放つのは――。


「【蛮族流】【装備変更】っ!」


 まずは左手に持った【世界樹の剣】を叩き込む。


「【フルスイング】! からの【地裂撃】っ!」


 振り払う猛烈な剣撃で、しっかりと敵の位置を調整。

 そこに【大地の石斧】で、割れ落ちる地面に巻き込んだ後は。


「からの――――っ! 【グレートキャニオン】だああああああ――――っ!!」


 集結点を貫く勢いの一撃。

 天高く打ち上げられたゴーレムは、そのまま盛大に爆発。

 大量の飛沫をまき散らすと、付近にたくさんの黒い水たまりを作る。

 それから蒸発するかのように粒子になって、消えて行った。


「やった……!」

「やったぞ……メイちゃんが決めた!」

「「「やったぞおおおおおお――――っ!!」」」


 ハウジング勢が歓喜の雄叫び上げて、走り出す。

 こうして新たな街は、街づくり組の見事な共闘によって守られたのだった。

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【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
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