1497.勝利と完成!
「やった……やったぞ……」
「メイちゃんが決めたァァァァ!」
「街を、街を守り抜いたんだ……っ!」
座り込んだ状態のハウジング勢が、唖然としたまま声をあげる。
その視線の先には、溶け落ちた身体が粒子になっていくゴーレムの姿。
街を狙い続けた恐ろしい魔物は、空気に溶けるようにして消えて行った。
「やったー!」
最期の一撃を決めたメイが振り返って、最高の笑顔を見せる。
するとハウジング勢が立ち上がり、フラフラだった掲示板組も拳を突き上げる。
「「「やったぞぉぉぉぉぉぉ――――っ!!」」」
駆け出すメイと、ツバメたち。
そのまま大きく跳んだメイを三人が抱き止めると、街づくり組も集合。
すぐに一つの輪が生まれた。
「やったぽよーっ!」
「やりましたね!」
「みんなありがとーっ!」
メイが迷子の肩やスライムの肩らしき場所を叩くと、二人も弾けるような笑みを見せる。
「ありがとう、助かったわ」
「と、当然のこと……」
笑うレンに、樹氷の魔女は嬉しさと作りたいクールな表情が混ざった変な顔で応える。
「とてもクールでしたね。氷刃六連発は、最高に気持ち良かったです」
「まったくですな!」
六本の氷刃を同時に突き刺すという、かつて見られなかった連携はこの二者ならでは。
「これでまた、スワローさんの方が声を掛けられるようになるのでしょうか……」
複雑そうな顔でスワローと見つめ合うツバメに、なーにゃも笑ってしまう。
「好きな顔が二つ並んでいるというのは、最高ですな……」
そして早くも、この動画が出たらエンドレスでリピート再生することを誓うのだった。
「よし! 俺とザッハ、ゲンサンは初撃で壊れた民家を修復してくる! 俺たちなら一瞬で元通りだ!」
「俺も行くぜ!」
「私たちも道の補修に行きます!」
そう言い残して、駆け出していく極・魔剣。
どうせなら街が完成を迎える瞬間を、完璧なものにしようと動き出す。
「これでもう、邪魔になるものもいないでしょう! あとは教会の聖十字が、結界の力を解き放つのを待つだけです……!」
マーちゃんは楽しそうにそう言って、移動を開始する。
「メイちゃん、教会を見に行きましょう」
「おお……っ」
すっかり素敵なお姉さんモードに戻ったシオールは、教会が異常に似合う。
その魅力に「うむむ」と、うなずきながらメイたちもマーちゃんの後を追う。
「たまにはこーういうのも、悪くないよねっ」
ローチェも戦いが終わってしまえば、お気楽なものだ。
後ろからメイの肩に手を回して抱き着くと、そのまま一緒に教会へ。
最後に、生きていたマウント氏がコソコソと続く。
こうして街づくり組は、そのまま全員で最後のポイントへと向かって進む。
「おおーっ!」
その神々しさに、思わず声をあげるメイ。
見れば塔の先端に飾られた聖十字はすでに、まばゆい光を灯していた。
しばらく見つめていると、大きく一度輝きを増幅させる。
「よし、間に合った!」
「俺たちが力を合わせれば、これくらいは当然だ」
するとここで、早い仕事を見せた極・魔剣たちも駆け戻って来た。
「いよいよですね……」
マーちゃんが、聖十字を見上げながらつぶやいた。
「三度の橋崩壊、街作りの時にはアイテムを喰うスライムの妨害、七不思議にハウジング勢が奪われたりもしたけど……ついにここまで来たんだな」
「やっぱりメイちゃんたちが来てくれて変わったな。戦力はもちろんだけど、何よりみんなずっと希望を持って楽しく街づくりができてたもんな」
「そりゃ身体を張ってでも、守るよなぁ……」
「いよいよ、ですね……!」
マーちゃんの言葉に応えるように、聖十字に溜まった聖なる力が放出される。
「「「おおおおおおおおおお…………!」」」
思わず皆、感嘆の声をあげた。
結界の光が広がり、優しい輝きが降り注ぐ。
そして鳴り響く、鐘の音。
それは新たな街の誕生を、祝福しているかのようだった。
「これでこの街は、正式に完成となりました! 皆さん、ありがとうございましたっ!」
マーちゃんが、感極まりながら頭を下げる。
「ヤマトの時もそうでしたが、メイさんたちと一緒に不可能を可能にする瞬間……こんなに楽しいことはありません……!」
「まったくだ!」
「最高ぽよ!」
「ああ、間違いない!」
歓喜に、巻き起こる拍手。
「異世界、来てみて良かったですな」
「本当だね」
「みんなと何かを作るって、楽しいものなんだねっ」
なーにゃたちも、出来立ての街を楽しそうに眺める。
するとさっそく、ハウジング勢が語り出した。
「異世界最初の街がサツキタウンだから……ワイルドタウンかな」
「却下でーす!」
これをしっかり【聴覚向上】で聞きつけて、すぐに手で大きく『×』を作って首を振るメイ。
「「「ええっ!?」」」
これに対してハウジング勢は、本当に不思議そうに首を傾げる。
「それなら、ワイルドメイちゃんタウン?」
「もっとオシャレな感じを出して、ネイチャーメイちゃんシティとか?」
「もっとダメですー!」
いよいよ飛び跳ねながら拒否するメイと、さらに首を傾げるハウジング勢。
その姿を見ながらレンたちは、楽しそうに笑うのだった。
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