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1485.謎の全滅パーティ

「おい! どうしたっ!?」


 スライムによるアイテム盗難を無事乗り越えた、メイたち街づくり組。

 翌日戻ってくると、一部の建物が壊されていた。

 さらに、朝一から来ていたのであろうパーティの一つが全滅。

 HPゼロの状態で、倒れ込んでいた。


「まさか、新たな魔物にやられたのか!?」


 ハウジング組の極・魔剣が問いかけるが、倒れたプレイヤーたちは首を振る。


「やったのは、ザッハだ……」

「ザッハ!? あいつ戻ってきたのか!?」


 ハウジング組の中でも建築系の能力に長けるプレイヤーであるザッハは、突然姿を消したままだった。


「でもどうして? 何か喧嘩でもするような事案でも抱えてたのか?」


 極・魔剣が問いかけるが、倒れたプレイヤーたちはやはり首を振る。


「そんなことはなかったはずだ。そもそもこんなことをする必要がないし、意味が分からない」

「ザッハは、どこに行ったんだ?」

「分からない」

「とにかく探してみましょう。まだ近くにいる可能性があるわ」


 こうしてレンの一言で、マーちゃんを始めとしたハウジング勢も辺りの確認に入る。

 するとそこに、遅れてきたハウジング組も集合。


「あれ、壊れてるところがあるな」

「まずはそこの修理から始めるか?」

「簡単なのは俺たちでやってくよ」


 さらに掲示板組がやってきて、そのまま作業に入り始めた。

 メイたちはその隙間を縫うようにして、事件のカギを握るであろうザッハというプレイヤーを探す。


「お、おい……っ!」


 そんな中、極・魔剣が驚きの表情を見せた。


「ザッハ! お前、何やってんだ!?」


 駆けつけるとそこには、家の壁を作る金髪プレイヤーの姿。


「何って、なんだ……?」


 壊滅パーティの件なんて最初から知らないような感じで、首を傾げるザッハ。

 その返事があまりに自然で、思わず呆気にとられる極・魔剣。


「パーティが全滅してただろ!?」

「どこで?」

「どこでって……」


 真正面から「分からない」と言われてしまうと、こちらも首を傾げるしかない。


「どういうことかしら……」


 事件の跡を目の当たりにしたこちら側とは、明らかに違う温度。

 またあまりにも自然な口調に、事件の気配が感じられない。

 これにはメイも、首と尻尾を傾げる。


「俺はさっき来たばかりだから、そのパーティが何かしてたんなら……それより前ってことになるんじゃないか?」


 そう言って、ポカンとしているザッハ。


「これは一体、どういう事なのでしょう」


 これには極・魔剣についてきたハウジングプレイヤーも、不思議そうにしている。


「一度、現場に戻ってみるか……」


 こうして極・魔剣を先頭に、事件現場に戻ろうと歩き出すメイたち。

 不可思議な状態に、頭を悩ませていると――。


「っ!」


 異変に気付いたメイが、突然振り返る。


「ウオァァァァァァ――――ッ!!」

「「「っ!?」」」


 今話を聞いたばかりのザッハが突然、ハウジング組の一人を猛然と攻撃。


「うおおおっ!?」


 そのまま背後からの【必殺喰らいつき】を繰り出す。

 それは敵を認識していない状況や、背後から喰らうと大ダメージをもらう攻撃だ。


「【投石】!」


 しかし、メイの反応は圧倒的。


「えっ!?」


 真横を通り過ぎた石が、ザッハに直撃して倒れ込む。


「は、はあっ!? なんだよこれどういうことだよっ!?」

「仲違いでする喧嘩なら、こんな魔物のような【喰らいつき】は使わないわ! 何か別のものと考えた方が良さそうね!」

「でも、あいつさっきまで……!」


 普通に話していたはず。

 あまりに急な事態に、今も困惑が抜けないハウジング勢。


「ヤバッ!!」


 起き上がったザッハは、全力疾走で接近。

 放つ豪快な爪の振り降ろしも、やはり人間の動きではない。

 凄まじい勢いの一撃に、極・魔剣は足を取られて転倒した。


「ウォォォォォォォォ――――ッ!!」


 そこに迫るおぞましい【必殺喰らいつき】と、迎えた唐突な危機。


「【バンビステップ】!」


 そこに飛び込んで来たメイの手には、【ダイナボーン】


「【ダイナブラスト】だああああ――――っ!!」


 打ち付けた一撃は、狂ったザッハを打ち付け吹き飛ばす。

 しかし相手は、さっき話をしたばかりのプレイヤーだ。

 そのまま追撃して倒してしまっていいのか、悩むメイが動きを止める。

 これがクエストなどであれば、HPを削ることで目を覚ます流れがあることを覚えていたからだ。


「【誘導弾】【フレアアロー】!」


 そんなメイの迷いに気づいて、追撃したのはレン。

 一度マーちゃんと目を合わせたことで、こちらに『目を覚ますためのアイテムや情報』がない事を確認。

 中級魔法一発で削り切れてしまうほどの敵なら、高い可能性で『瀕死で目を覚ます』展開はないと判断した。

 炎の矢が炸裂し、上がる炎。

 メイの【ダイナブラスト】で削られていたとはいえ、そのダメージは衝突。

 炎の矢の一発くらい受けても、HPは残るだろうと予想するが――。


「ウボァァァァァァ――――ッ!!」


 狂うザッハ(狂ったプレイヤー)は、その姿を粘土のような物体に変えながら倒れ伏し、そのまま粒子になって消え去った。

 思った以上に強くない。

 HPを残して説得などをするようなクエストに、巻き込まれていたというわけではなさそうだ。


「なんだよ、さっきまで確かにあいつだったのに……!?」

「こ、これは、魔物が化けていたということでいいのでしょうか……?」


 呆然としたまま、まもりが言う。

 演出的に考えれば、変身が解けて本体が現れたという流れで間違いない。


「そうだと思います」

「ちょっと待って。じゃあ……本物はどこに行ったの?」

「確かにそうですね。ご本人が今どうしているのか、気になります」

「それに、この事態を引き起こしたのが何なのかもね」


 突然狂い出し、魔物のような攻撃を繰り出してきたザッハだが、それまでは普通にコミュニケーションを取っていた。

 それがもし偽物だったというのなら、本物はどこでどうしているのか。


「一体誰が、いや、何が起こってるんだ?」


 唖然としたままの極・魔剣。

 思わぬ事態に、皆一様に首を傾げたのだった。

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