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日差しが強い。
眩しいな・・・
目が覚めた。
いったい何時まで寝てたんだろう。
たしかカレーを食べている途中眠くなった。そのあとの記憶がないからそのまま寝たのだろう。
とりあえず起きよう。
身体を起こそうとしたときに違和感を感じた。
軽い・・・
手足も細い。腰も膝も痛くない。
120キロを超えていた体にミッチリとついていた腹の肉がない。
どういうことだ?
起き上がって周りを見た。
簡易的な木のベッド。
見たことのない造りの窓枠や壁。
6畳くらいの広さの見覚えのない部屋に自分がいる。
・・・ここ、どこ・・?
ふとベッドの端に目を向ける。
ゲームで見かける剣や革鎧が置いてあった。
転移・・?
よくは分からないが異世界に転移したってことか?
鼓動が一気に速くなる。のどが渇く。手が震えてくる。
「ハハハ!やったぞ!!異世界に転移だ!転移したんだ!!」
笑いがこみ上げてくる。
人生をやり直せるかもしれない。物心ついたときから読んでいた漫画や小説のジャンルのほとんどは異世界転生や転移ものだった。憧れていたがフィクションだと諦めてもいた。
それが現実になった。ありえない現実。かつての自分に未練はない。転移した先の自分を思う存分楽しみたい。色々な想いが全身に駆け巡って気持ちが昂っている。
ーコンコン
ドアがノックされた。その音で昂っていた気持ちがスッと引いて少し冷静になれた気がする。
ーコンコンコン
もう1度ノックされた。
「はい」
「大丈夫ですか?何か大きな声が聞こえましたが・・」
ドアを開けて入ってきたのは目の色が青い、金髪の少女だった。それも驚いたが言葉が分かるのにも驚いた。
「だ、大丈夫です。ちょっと変な夢を見てしまって。」
咄嗟についた嘘だったが彼女は信じたようだ。怪訝な目を向けていたが少し安心したように見える。
「それならいいのですが。あまり大きな声を出されると周りのお客様のご迷惑になりますのでご注意ください」
そう言うと彼女は取り付く島もなくドアを閉めて去っていった。
階段を下りる音がする。どうやらここはどこかの宿屋で、この部屋は2階。少しずつ落ち着いてきたのか、状況を確認する余裕ができたように思える。
よく考えてみよう。
ここはかつて知った日本ではない。持ち物や周りの部屋の造り等からファンタジーのような、中世的な世界のような感じがする。窓の外は明るく日差しも強い。おそらく昼すぎだろう。
鏡のようなものはないので自分の姿は確認できない。髪はある。ひげは生えていないようだ。ベット近くの鎧を見ればそこまで身体は大きくないのだろう。
とりあえず革鎧を着てみたが、体にしっくりとなじんだ。剣はこれまでの人生で持ったことがなかったのでやや重く感じた。剣は装飾などほとんどなくシンプルな造りだ。
革鎧に小袋がついていて、その中にくすんだ硬貨が十数枚入っていた。この世界のお金だろう。ほかに持ち物はなさそうだ。部屋の中をもう一度見回したが特に変わったものもなく、また自分の持ち物のようなものはない。
そこで改めて気づいた。
俺は誰なんだ?




