不貞について
なんの茶番歌劇かしら……。
アミーリア嬢とローア殿下のワンマンショーを見ているようで、周りはポカンと残されている。
公爵令嬢らしからぬ眉間にシワを寄せて、片手を額にあてて、
「………殿下。私と殿下の婚約はそもそも、公爵家を後ろ盾にする政略結婚であり、王家と公爵家の契約でもあります。陛下とは、ちゃんとお話をされているのですか?」
「父上には、まだ言っていないが!きっと分かってくれるだろう。アミーリアは聖女であるからな。おまえとは雲泥の差だ。」
エヘンと自慢気にのたまう彼を、アミーリア嬢は凄いとばかりに拍手を贈っている。うん。何だろう。残念な感じがする。殿下の頭脳レベルがここまで下がっていると思わなかった。……洗脳って怖いわね。
「婚約については、父と陛下から後ほど話がありますわ。それに踏まえて、私からも申し上げますわ。……ローア殿下。貴方の不貞行為について」
「ハッ。何を馬鹿なことを。不貞行為だと??」
「えぇ。アミーリア嬢とのです。」
「なっ。!!」
………ビックリするようなこと?今だって腰に手を回し、ピッタリとくっついているじゃない。
「こちらが殿下とアミーリア嬢の不貞行為の目撃情報ですわ。」
私が手を挙げると、ササっと使用人が書類の束をドサっと持ってきた。
「これだけありますので、裏をとるの大変でしたのよ。王家からの影の方にもご協力して頂きました。皆様ご協力ありがとうございます。」
ニコっといい笑顔になってしまいますわ。かわりにローア殿下は引きつった笑顔になってますわね。
「お、おまえだって!!横にいるヤツと不貞ではないのかっ!!」
ローア殿下が真っ赤な顔して興奮しながら、ジョージ様を指差して叫んだ。
おぉ〜!殿下、ようやく気づきました??うふふ。ジョージ様のこと。マルコニ洋菓子店のアンバサダーとして、イケメンの素敵なビジネスパートナーだと大いに自慢したい。
私がジョージ様を紹介しようと思っていた矢先、先にジョージ様が、口を開いた。
「殿下にご挨拶申し上げます。ジョージ・マルコニと申します。いまレミア嬢の婚約者に立候補していますので、以後お見知り置きを。」
それはもう爽やかな素敵な笑顔で、ジョージ様が挨拶をした。
『えっ!!!』
ローア殿下、アミーリア嬢、……私。3人の驚嘆が響いた。レミアは一気に赤くなり、頭の中はパニック状態に。
いま、今、婚約者に立候補って……!!!
ジョージさまーーーーーーっ!!どういうこと?
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