花より団子
会場につき、ジョージと並んでいると、私達は明らかにお揃いの対になるドレスとタクシードだと分かった。それもお互いの色を纏っている……。
ジョージ様の瞳のオリーブ色と私の銀髪に合わせて作られているんだわ。もしかして、このドレス……ジョージ様から??
「ジョージ様、もしかして……このドレス?貴方が?」
「あぁ。前に訪問した時に、宰相殿にお願いしたんだ。殿下からのドレスがなければ、私が贈りたいと」
あぁ……あの時の訪問!でも……!どうして……私に?っと聞こうかと思っていた矢先
「レミア嬢。こうしてエスコートできて嬉しいよ。とても似合っている。可愛らしくて綺麗で……、とても1人にはさせられないな。今夜は私から決して離れてはいけないよ。」
そう耳元で囁かれた……。耳、耳が、溶けるからやめて〜っ!!っ思わず耳をふさいで真っ赤になっていると
「クスっ……かわい」
また、何か言っている。もうっ!!絶対に面白がってやってるに違いないわ〜。乙女心も知らずに、弄ぶのも大概にして欲しいですわっ!!
でも!!今夜は大事な決戦である。気を引き締めなきゃだわっ。気合を入れ直した私は、公爵令嬢の顔をなんとな貼り付ける。
「いきますわよ」
レミアは凛とする声で、颯爽と会場となる大広間へと向かう。
大広間へ入ると、そこには既に大勢の人が賑わっていた。各自思い思いに、派閥同士で交流していたり、仲間たちと歓談していたり、と…
グルっと見渡すと、ある集団にローア殿下とアミーリア嬢を見つけた。ローア殿下はアミーリア嬢とペアな装いで、腰に手を回しアミーリア嬢をエスコートしているのが分かる。
どのあたりが『急な任務』なのだろうかと……ジト目で思わず睨みつけてしまう。
「あぁ。いたな。……でもまずはパーティーを楽しもう。」
ジョージ様も殿下達を見つけたみたいだ。でもそうね……。せっかくジョージ様がエスコートしてくれている。あちらが騒動を起こすまで、パーティーを楽しみましょう。
「お姫様。まずはダンスにしますか?それともお食事に?」
恭しくジョージが問いかけてきたので
「一仕事する前に腹ごしらえっていうでしょ??」
私は、ウィンクして答えると
「仰せのままに」
とジョージも楽しそうに、食事が並んでいる壁際に移動した。
「わぁ……」
目の前には、オードブルからメインディッシュ、奥にはデザートが並び、色鮮やかでどれも食欲が唆る品揃えだ。
そういえば、今までパーティーといえば、挨拶回りや社交ばかりで、食事までありつけたことがなかった。
こんなに素敵な食事が食べれるなんて、勿体無いことをしてきた気分だわ………。もっと早く気付いてればっ!!
「見繕ってくるから、ちょっと待ってて」
ジョージはそう言うと、お皿を持って離れた。
私はその間に、会場が見渡せる壁際の席について待っていた。こうして、人間観察するのも楽しいものなのね〜…でも、ついついローア殿下とアミーリア嬢を探してしまう。2人はダンスホールで踊り始めたところだった。
先に食事にしておいて良かったわ……ダンスで鉢合わせになったら面倒だもの。
「お待たせ。」
ジョージが料理を取り分けてきてくれた。私の大好きなお肉料理がたっぷりあるチョイスで、私好みなのが憎らしい。それにバランスよくサラダもついてある。う〜ん……文句のつけようがないわね。
これが属にいうスパダリってやつかしら!!
パクりと食べると、王宮専属料理人の作る料理はやっぱり一味違う。ん〜〜美味〜〜〜。頬に手をあてて、思わず悶えそうになっちゃうわ〜。
ハムハムと頬をいっぱいにしながら、一生懸命食べていると、チラホラとこちらを伺う視線がやけに気になる。………もしかしてっ!!私!口元に何かついてる??アワアワしてナプキンで口元も拭う。
あれっ??違った……??それでも視線がなくならず、むしろ増えてる気がする。………え?なんだろ?食べ過ぎたかなぁ?みんなの分がなくなっちゃうの気にしてたり?
首をコテンとしながら、悩んでいると
「どうやら、あちらで何かあったみたいだよ?」
ジョージに釣られて料理から目線を上げると、ダンスホールで何やらローア殿下が騒いでいる…。
あら?もしかして………婚約破棄の騒ぎって、私なしで始めちゃったのかな??
あれ?これって……………………私待ち??
わぁ……なんか……ごめんなさい。めちゃくちゃ気づかなくて食べてましたっ!!
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