◯2-5 二人の秘密と初仕事!
今回は2人の秘密が少しだけ分かっちゃいます!
数十分後。
朝食を食べ終え、俺は緊張と期待が入り交じった複雑な気持ちを持ちながらソファに腰掛けていた。
「よいしょっと。じゃあ私たちのこと、色々教えてあげるわ」
「そうだね!一緒に住むんだし、これくらいは教えてあげないとね」
そう言ってリルアさん、アシュアさんが笑顔を浮かべながらやってくる。
「はい!お願いします!…………あれ?」
(アシュアさん、目に涙の跡がある…………あ、怒られたんだな)
確かにさっきリルアさんに『アシュア、ちょっと来なさい!』って呼ばれた後に、聞いたこともない怒号が聞こえたけど………
リルアさん、怖ぇぇ…………………
「ミナトくん、どした?じ〜っと私の顔見て。私の顔に何か付いてる?」
アシュアさんが不思議そうな顔をする。
「いや、何もついてないですよ」
「ふ~ん………?ならいいけど!」
「さて、じゃあ説明、始めてもいいかしら?」
「あっ、はい!お願いします!」
説明ということで、結構真面目な雰囲気になる。
「じゃあまずは私たちの特異性について話しておくわね。一応…………私たちは俗にいう不老不死ってやつなのよ」
「そ、そうなんですか…………!?」
(………めちゃくちゃ異世界の設定キター!!ワクワクが止まんねぇ!)
俺は心の中で興奮するが、表情にはあまり出さないようにする。
「だから私たちは死なないし、体の成長も20代くらいで止まってるよ~!」
「まあ、条件はあるんだけど……それは言わなくていいわよね」
「えっ!いや、知りたいです!」
俺は興味津々で聞く。
俺は現実でもこういう感じの漫画とか読んでいたし、
正直…………憧れてた。
「そこまで言うなら……教えてあげるわよ」
「ありがとうございます!」
「……条件は“死を受け入れること”。つまり、致命傷を負った時とかに『死んでもいいや』みたいな気持ちを持ってしまうと、不老不死の効果が消えるって感じね」
「なるほど」
つまり、どれだけ肉体が不死身であっても、精神面が折れたら終わりということだ。
メンタル豆腐な俺には絶対扱えないだろうな…………
「まあこんな私たちの特異性は一旦、こんな感じよ」
「ちゃんと覚えておくんだよ~!ミナトくん!」
「はい!分かりました!」
この二人の凄さを知れば知るほど、自分だけ違う次元にいるように思えてしまうのは俺だけだろうか?
「じゃあ話は変わるけど……次は仕事のことについて話してもいいかしら?」
「はい……」
「急に分かりやすく嫌そうな顔したわね」
「そりゃ仕事なんて嫌に決まってますよ」
「分かるよ~ミナトくん………私だって朝起きた時、『今日仕事行きたくないなぁ……』って思う日あるもん!」
アシュアさんがこれ以上ない深い共感してくれる。
この人、現実世界でいう社畜みたいな感じなんだろうか……………?
「………じゃあミナトを家から追い出すわね」
「え……………!?」
──────無常だ。
「ちょ、マジでやめてください!俺行く当てなくなっちゃいます!」
「冗談に決まってるじゃないの。でも、仕事してくれないと本当に追い出すかもしれないわよ?」
「やります!やらせていただきます!」
「よろしい」
なんとか追い出されずに済んだようだ。
もし追い出されたら………野宿だろうか。確実に変なモンスターにやられる気がする。
「じゃあまずは私の店について説明するわ。私の店は食品とか生活用品とか色々売ったり、怪我人の救護したり、色んな相談受けたりもしてる。ミナトくんにやってもらいたいのは“接客”よ」
「“接客”ですか……」
「ええ。お店に来た人への説明とか案内とかお会計とか…あとは救護や相談が来た時に私を呼ぶとか。まあ慣れてきたら、他にも雑務をやってもらうかも知れないわ」
(なるほど、覚えることも多そうだな。でも、この世界の基本も多く知れそうだ………!)
「分かりました!精一杯、頑張ります!」
「今日は10:00に店を開けるから、それまでに接客の基本的なことは教えるわね」
「頑張ってね~ミナトくん!私はこれから、嫌々ながら仕事行くから!」
「あっ、はい!頑張ります!アシュアさんも頑張ってください!」
「ミナトくんも頑張るなら私も頑張ろ~っと!」
(そういえばアシュアさんってなんの仕事してるんだろう……?聞いてみるか)
「あの、アシュアさんってなんの仕事してるんですか?」
俺は興味を持って聞いてみる。
「えっ?私?えっとね~“ギルド”っていうところに登録していろんなところ冒険して~、指名手配モンスター倒したり、拾った値がつくもの売ったりしてお金稼いでるよ!」
「す、すごい職業ですね」
「というか、ミナトくんと出会ったのも仕事途中だったんだよ?」
「あ、そうだったんですね。ごめんなさい、あの時は仕事の邪魔して」
「いいよいいよ!そのおかげでミナトくん会えたんだし!結果オーライだよ!」
「確かにそうですね……!」
「まあそんな感じだから!行ってくるね~」
カランカラン─────────
そう言って、アシュアさんは出かけて行った。
「さて、アシュアも行ったことだし………私たちもボチボチ始めましょうか!」
「はい!」
(仕事、頑張るか~!拾ってもらった恩を返さないといけないしな。あと、野宿は嫌だし…)
俺はぐっと両手を握りしめ、新たな世界での第一歩を踏み出すべく、リルアさんの後ろをついていったのだった。
さて、2章もあと1つになりました!次回はミナトがお仕事します!お楽しみに!
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