◯10-5 売人の裏に潜むものとは…………?
売人の裏には誰がいるのかな…………?
路地裏で、売人の男とアシュアさんが向き合う。
「何だお前、仕掛けてこないのか?」
「だって、私から行かなくても別に勝てるし…………!」
アシュアさんの煽りが止まらない。
この人戦闘技術だけじゃなくて、口も達者なんだよな……………
「俺を舐めるのもいい加減にしろよ!」
シュッ──────────────
その言葉に激昂して、男がアシュアさんに何かを投げる。
「へぇ………投げナイフか!面白いことするじゃん………見えてるけどね!」
アシュアさんは薄ら笑いを浮かべて、投げナイフを躱わす。
その時、俺に予想外のことが起こる。
「ちょっ、え………!?」
俺の目の前に、ナイフが現れたのだ。
ザシュッ───────────
「あ、あっぶな…………………………」
ナイフは………後ろの壁に突き刺さった。
俺は何とか、飛んでくるナイフを避けたのだ。
(これ、アシュアさんの後ろにいない方が絶対良かったよな俺………………)
「ミナトくん大丈夫そ?ごめんね~後ろ見てなかった!」
「ま、まあ避けれたから大丈夫ですよ!」
アシュアさんがすぐに俺のところに来てくれる。
結局過保護気味なんだよな、アシュアさんって。
「なに敵に背中向けてんだ!さっさと死んどけ!」
そんな会話をしていると、男がアシュアさんに背後から襲いかかる。
手には、オーラを纏っている。
だが──────────────
「だからさ~そんなので私に勝てるわけないって何回も言ってるよね?そろそろ学習しようよ…………バカなのかなぁ?」
アシュアさんは呆れたような顔で男の拳を軽く受け止めた。
(な、何で当たらないし、こんな余裕で受け止められるんだ!?一応全力で殴ったはずなんだが………………)
男は、アシュアさんに実力の差を思い知らされた。
「もうめんどくさいから終わりにし~ようっと!」
ビュンッ─────────
「うおっ!?」
アシュアさんは片手で、軽々しく男を空中へと飛ばした。
そして………………………
「これで死なないでね?まだ聞きたいこといっぱいあるから!」
ドゴオッ───────────
「ぐぼぉっ…………………………」
落ちてくる男の腹部に、強烈なトーキックをお見舞いした。
男はその場にうずくまって、意識を失った。
「あれ………?死んじゃった?」
「………大丈夫です、まだ生きてますよ!」
「良かった~!じゃあ起きるまでこの男で遊んで待っとこうか~!」
決着がついてから、数分後────────────
「……………………………はっ!」
「おっ!ようやく起きた~!」
男がハッと目を覚ます。
「そろそろ殴って起こそうかな~って思ってたんだけど、殴る前に起きちゃったか~!残念!」
「お、お前ら…………何者だ!何が目的なんだ!」
男が怯えたような顔をして、俺たちに問いを投げる。
「えっとさぁ…………あんたたちが売り捌いてる"ブツ"。あれ、誰の指示で捌いてんの~?それだけでいいから教えて!」
「…………………言えない」
「ふ~ん………まあ私たちにはあんたの事情は関係ないし~教えて!」
「だから………………言えないって言ってるだろ!」
男は先ほどより怯えた眼と顔をしている。
(なるほど……………裏にいる奴に口止めされてるんだな、これ)
「あんた、そんなこと言える立場だと思ってるのかな?早く教えてくれないと、そろそろ私も怒って強硬手段に出ちゃうよ?」
アシュアさんが男に強烈な圧をかける。
「ひっ……………………」
(何なんだよこの女!まじで何者なんだよ……………)
「わ、分かりました…………………教えます!教えますから!」
「よ~し!物分かりが良くて助かるよ~!」
最終的に男は、アシュアさんの圧に負けて内情を話すことになった。
(あれ……?アシュアさんってこんな怖い人だったっけ?なんかリルアさんにちょっと似てたよな、今の圧かける感じとか…………………)
「それで、あんたの裏にいるのはどんな奴ら?」
「ええっと、“ヴェノム・ハウンド”っていうギャングです!」
「う~わ、あいつらか………………」
その名前を聞いた瞬間、アシュアさんが苦虫を噛み潰したような顔をする。
「アシュアさん、知ってるんですか?」
「うん!ちょっと昔、色々あってね……………」
「なるほど………………………」
「よし、じゃああんたはもう用済み!もうどっか行っていいよ!」
「は、はい!すいませんでした〜!」
アシュアさんがそう言うと、男は小走りでこの場から去っていった。
その背中が最初会った時と大きさが違ったように見えたのが、すごく印象的だった。
「さ~てと、じゃあヴェノムのところ行くか~!本当は行きたくないんだけどね~」
「まあ、いつも通り元気出して頑張りましょうよ!」
「そうだね………!よし、行こう!」
ということで、俺たちはヴェノムのアジトへと向かうことにしたのだった。
─────────────────────
路地裏を出てから、数分後。
「よ~し、着いたよ~!じゃじゃ~ん!ここがヴェノムのアジト!」
俺たちの目の前に現れたのは、えらく外壁がカラフルにペイントされた建物。
「う~わ………明らかに“ギャング”みたいな外見のアジトですね…………」
「まあこいつら本当にギャングだし、間違ってないね!」
「はは、そうですね」
「それじゃ、中入ろっか!」
「は、はい!」
(アシュアさんがいるとはいえ、ギャングのアジトってやっぱり怖いな…………)
「大丈夫だよミナトくん!リラックスした気持ちで行こう!」
顔に出ていたのだろう。アシュアさんが俺の気持ちを保とうとしてくれた。
「そ、そうします!」
ガラガラガラ───────────
そして、アシュアさんが入り口に扉を開ける。
「どうも~!お邪魔しま~す!」
「何じゃ、お前!ここがどこか分かっとるんか!」
「そうだそうだ!ここら辺じゃ有名なヴェノムのアジトだぞ!」
中には、強面の男たち数人がいた。
「分かってきてるに決まってるじゃん!こんなダサい外壁の場所!」
ギャング相手でも、アシュアさんは煽ることをやめないようだ。
「何がダサいだ!あれはボス渾身の一作だぞ!」
「あっ、そうだったんだ~!で?そのボスはどこ~?ボスに会いにきたんだけど………」
「今ボスは来客対応中だ!要件だけでも聞いてやろうじゃねえか」
「あのさぁ………ブツを売り捌くのやめてくれないかな?困ってる人がいるんだよね」
アシュアさんはど直球に、ギャングたちに要件を伝える。
「それは無理だ!ボスは絶対に意向を変えねえ!」
「なら力づくで止めるしかないか~!」
「何だとこの野郎!俺たちとやり合おうってのか!」
ギャングたちはその言葉を聞いて、全員立ち上がる。
「だからそう言ってるじゃん!ほら~来なよ!全員相手してあげる!」
「舐めんじゃねえぞ小娘!ぶっ殺してやる!」
こうして、アシュアさんとギャングの戦いが始まるのだった………………
次回はギャング数人対アシュアさん!お楽しみに!
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