◯10ー4 店主さんの依頼を解決せよ!
さあ、やって貰いたいこととは何なのか…………
「すまねえな、こんなところまで連れてきちまって」
「全然大丈夫ですよ!やるって言ったのは俺たちなので!」
俺たちはあの会話の後、店主さんに連れられて店の奥へとやってきていた。
店の奥はめちゃくちゃ暗くて、何だか不気味な雰囲気を放っていた。
「それで、私たちにして欲しいことって何ですか~?」
「それはな…………最近ここら辺で出回ってる“ブツ”をどうにかして欲しいんだ!」
「ぶ、ブツ………!?」
何だか物騒な言葉が出てきた。
ブツと聞けば、100人中ほぼ100人が『怪しい』と思うに違いない。
そんなものが、この街では出回ってる。流石危険地区に認定されただけはある。
「ブツか…………これはタチが悪いね!」
「あ、あの~……ブツって一体何なんですか?知りたいです」
俺はブツの正体をアシュアさんに聞いてみる。
「オッケー!私が教えてあげよう!じゃあまずミナトくん、砂糖は知ってるよね?」
「はい、もちろんです!」
砂糖。それは俺がこの世界に来て一番最初に驚いたものだ。
『現実と同じ調味料があるだと!?』とその時は心の中で声をあげて驚いた。
「その砂糖とよく似た白い粉………それがブツだよ!」
「えっと……………?そのブツの名前が知りたいんですけど…………」
「だ~か~ら!ブツはブツだって!」
(も、もしかして…………“ブツ”ってそういう名前の粉ってことか!?何とも紛らわしい………)
「り、理解しました!」
「よし!じゃあ次はブツの詳細について!ブツは砂糖と味とかは一緒なんだけど…………唯一違うところがあるんだ!」
「それは…………何なんですか…………?」
「それはね……………中毒性だよ!」
「ちゅ、中毒性!?」
「うん!一度摂取しちゃうとね……………もうブツがないと生きていけなくなる身体になっちゃうらしいよ!」
(おいおい………ガチモンの危険薬物じゃねえか!しかも砂糖と味一緒って……………これ、騙されない方が難しいかもしれないぞ!?)
まさかこの世界にもヤクが出回っているなんて、俺は思ってもいなかった。
「さっき、ここら辺でブツが出回ってるって言っただろ?実は近隣の店も最近被害にあったらしくてな………次は俺のところかと最近思ってしまうんだ……………」
「そりゃ怖いですよね…………」
「よし、ミナトくん!私たちで解決するよ!」
「はい!もちろんです!」
「お客さん…………頼んだぞ!」
ということで、俺たちはブツ事件の犯人を探すことになったのだった。
───────────────────────
店から出て数分後。
俺たちはまたもや街中を歩き回っていた。
「アシュアさん、犯人の目星とかってありますか?」
「うん!一応あるよ!」
どうやらアシュアさんは犯人の目星がついているようだ。
「一体、犯人は誰なんですか?」
「えっとね、たぶんここら辺のギャングが関わってるはず……………!」
「なるほど………………!」
確かにギャングならブツを売り捌いていても違和感はない!
いや、流石に俺の偏見がすぎるか………………?
「まあギャングのアジトがある場所の近くの路地裏とかにいれば、売人に会えるでしょ!」
「ま、まさか………………そこに行くんですか?」
「そりゃもちろん!ほらほらミナトくん、行くよ!」
「えぇ………………!?」
こうして、俺は嫌々ながらもアシュアさんの計画通りに動くことになったのだった。
数分後─────────────
「さ~て、ここら辺の路地裏なら売人が来るはず!」
俺たちはギャングのアジト近くの路地裏に到着していた。
「…………というか、何でギャングのアジト知ってるんですか!?」
「え~っと………………何となく?かな!」
(アシュアさん、絶対何か隠してるな……………まあ聞かないでおこう)
どうせ、アシュアさんのことだからいつか教えてくれるだろうし…………
「さてと、じゃあここからは二手に分かれて待とう!」
「分かりました!もし売人が来たらどうしますか?」
「その時はオーラを出して伝えよう!」
「オッケーです!じゃあお互い頑張りましょう!」
ということで、俺たちは各自の持ち場に待機して売人を待つ。
(あぁ~…………めっちゃ怖えぇ!なんか売人以前に変な奴に襲われそうで怖い!頼むから何も起こらないでくれ!)
「………なんか他のこと考えよっと!ちょっとは怖さも和らぐだろうし」
こうして、俺は他のことを考えて気を紛らわすことにしたのだった。
───────────────────────
「…………………ふぅ」
(結構、気を紛らわせたな!それにしても………全然来ないじゃないか!もしかして、アシュアさんの考えは間違っていたのかな?)
俺がそんなことを考えていると……………………
「なあ、そこの若い兄ちゃん。いいものがあるんだが買わないか?」
「え……………………!?」
俺の目の前に現れたのは、明らかに怪しげな服装をした男。
(おいおい…………いかにもって奴が出てきたぞ……………アシュアさんにオーラで伝えないと!)
俺はアシュアさんに言われた通り、オーラを微量出しておく。
「どうするんだ?買うのか?」
(ここは話を聞いてアシュアさんが来るまで時間を稼ぐか………………)
「えっと…………そのいいものって何なんですか?」
「それはな、砂糖だよ。しかも最高級のな」
そう言って、男は手に持っている袋から白い粉を取り出して俺に見せてくる。
「へぇ…………それってすごいんですよね?」
「もちろん!ここら辺じゃあんまり出回ってない代物だ!買うなら今だぜ…………」
「そうなんですね…………どうしようかな…………」
(まだ………まだアシュアさんは来ないのか…………早く来てくれ!)
俺はだんだんと、話のレパートリーが少なくなってきていた。
「それで買うのか?買わないのか?」
「えっと………そうですね………………」
「おい………ここまで話を聞いて買わないって話はないよな?」
男がいきなり俺に圧をかけてくる。
(まずいまずいまずい!どうする?抵抗してみるか?でも相手の実力も分からないし………)
その時────────────
「ちょっと~!何してんの!」
聞き覚えのある、元気のいい声が路地裏に響く。
「何だ……………お前」
「あ、アシュアさん!」
俺の目の前に現れたのは、アシュアさんだった。
「やっほ!大丈夫?というか抵抗すれば良かったのに………こいつ、ミナトくんでも余裕で倒せちゃうレベルで弱っちいよ?」
「誰が弱っちいだ!お前、殺すぞ!」
「やってみなよ!どうせ勝てないに決まってるからさ~!」
ということで、この路地裏で売人の男とアシュアさんのバトルが勃発したのだった……………
ってことで次回、売人対アシュアさん!お楽しみに!
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