◯8-9 ミナト、絶体絶命!?一番弟子、ディシェさんの実力!
決着です!
(勝つ方法は、ある!カレンさんとの戦いを思い出すんだ!)
カレンさんとの戦いでは能力のミス、もとい隙をついて勝った。
ディシェさんの能力、“分解”も、カレンさんの“撃滅破壊”と同じく細かい技術が必要!
つまり、隙は確実にあるはずだ!そこを狙えば…………いける!
「量を多くしたら、対処できますかね!」
俺は大量の混ぜ弾幕を飛ばす。
「俺に量は関係ねえぞ!全部分解してやる!」
ディシェさんは俺の飛ばした弾幕に分解を付与して拳を高速で飛ばす。
(予想通り、全部分解されてるな…………だが、そこに隙がある!)
俺は弾幕を分解するディシェさんに近づく。
「隙ありです!」
「残念、そこに隙はないんだよ!」
ディシェさんがオーラの波を飛ばす。
「うわ!」
その波に、俺は吹き飛ばされる。
(くっそ、隙が思ったよりないぞ……………どうするか…………)
「もうやけだ!これでも飛んでけ!」
シュッ───────────
俺は足元に落ちていた石を、ディシェさんに向かって投げつける。
(よし、そろそろ弾幕も弾切れだろう。分解し終わったらミナトに速攻を仕掛ける!)
バシッ──────────────
その時、俺の投げた石が命中する。
「……………痛った!何だこの石!?って、しまった……………………!!」
バンバンバン!──────────
ディシェさんは、俺の弾幕を何発かまともに喰らった。
「あれ!?なんか弾幕が当たったぞ………………?」
(そうか…………弾幕から意識を逸らさせれば、分解を阻害できる!だから当たったんだ!)
俺のヤケクソがなぜか成功してしまった。
どうにもこうにも、俺は運のいい男である。
「まさか、こんな方法でダメージを喰らうとは思わなかった!やるな、ミナト」
「これが、俺の実力ですよ!」
(たまたまだけど………………まあいいか!)
「さてと………じゃあミナトに敬意を表して、そろそろ俺も本気を出して相手しよう!」
次の瞬間、ディシェさんのオーラが強大なものになる。
「うわ…………すごい圧だ………………………」
そのオーラは、俺の戦意を少し削ぐ。
だが………………………
(リルアさんのオーラに比べたら、大したことはない!大丈夫だ!)
身近にすごい人がいてよかった。いなかったらこの圧だけでやられていただろう。
「さあ、行くぞ!この攻撃に耐えられるかな?」
そう言って、ディシェさんが弾幕を飛ばしてくる。
俺の弾幕とは比べものにならないほど、強い弾幕だった。
(ここはオーラ壁だ!そしておそらく弾幕には分解が付与してあるだろうから、オーラ壁に調和を付与しておこう!これで大丈夫だ!)
俺は調和を付与したオーラ壁を目の前に発生させる。
「オーラ壁か!それで止まるといいな!」
「止めて見せます!」
そして、その弾幕がオーラ壁へと当たる。
「ぐぅぅ…………………」
俺は何とか持ち堪えている。だが、かなりきつい状況だ。
「まさか持ち堪えるとは………………どんな手を使ったんだ?」
(ちゃんと分解は付与したはず!本当ならオーラ壁なんてすぐ分解してダメージを与えられるのに……………まさか、能力か?一体どんな能力なんだ……………)
「だが、持ち堪えられなくなるのも時間の問題!さあ、どうするんだ?」
「くっそ………………………」
(本当にまずいぞ!それにこれを止めても、追撃を喰らって終わりだ……………どうする、俺!)
「意外と耐えるな…………じゃあ、ここで直接攻撃だ!」
ディシェさんが俺に近づき、拳を振り上げる。
「やばい………………!」
「楽しかったぞ、ミナト!また機会があったら戦いたいものだ!」
(くっそ、どうするどうするどうする!考えろ、考えろ…………………あっ!)
そして、次の瞬間。
バゴーン!──────────
「ぐあぁっ………………!』
攻撃が、俺に直撃する。そして、吹き飛ばされた。
俺は軽く2mは飛ばされたと思う。
「がはっ…………………!げほっ、ごほっ…………」
俺は大ダメージだ。吐血もある。
「意識があるのか…………………タフなやつだな」
「俺は………耐えるしかないので…………げほっ…………」
「もう、無理だろ。さっさと降参した方が身のためだ!俺だってお前のことを殺したくはねえ…………………」
「……………………………………………」
(もう、このくらいのダメージならいいだろう………………)
俺は手を前へと伸ばす。
(ん?何だ……………?俺の身体がまだ戦いは終わってないって言ってる感じがする………だが、ここからどうやって?もうミナトはまともに動けねえぞ?)
「これで………………イーブンです………………!」
俺がそう言った、次の瞬間。
「な、何だよこれ………腹の底に痛みが…………げふっ!」
ディシェさんは吐血し、その場に座り込む。
(な、何が起きたんだ…………?何で俺はダメージを受けたんだ…………?)
「俺の能力…………“調和”を使って俺とディシェさんのダメージ量を同じにしました」
「何…………だと………………」
そう、俺がダメージを喰らう前に思いついた考えはこれだった。
本当なら、こんなダメージを喰らわずとも調和で少しは受け流すことが可能だった。
だがこの作戦のために、痛みを我慢してわざと大ダメージを喰らったのだ。
(受けた物理的ダメージ量は一緒だが、総合的なダメージはディシェさんの方が上!この隙に決める!)
俺は少し離れた位置にいるディシェさんに突っ込む。
そして、オーラを付与した拳を振り上げる。
「これで………………俺の勝ちです!」
「…………まだだ、まだ終わってない!」
だがその拳は、何とか立ち上がったディシェさんに止められる。
(かなりダメージがあるはずなのに、パワーは全然劣ってない!ほんと、すごい人だ!)
一旦、俺は殴りかかるのをやめて距離を取る。
「はぁ………はぁ……………」
「はぁ…………ふぅ……………」
お互いにもう満身創痍だ。
確実に次の一撃が最後になるのは……………分かりきっていた。
「さあ、決着をつけようか………………」
「そうですね…………早く決めちゃいましょう………」
俺たちは向かい合う。
次の瞬間───────────同時に、動き出す。
お互いに、能力なんて頭にない。
ただ、目の前の敵を殴り倒す。それしか考えていなかった。
『ウオオオオオ!』
俺をディシェさんも、声を張り上げて殴りかかる。
そして………俺とディシェさんの身体が交差する。
ズザッ─────────
「…………………………………」
「…………………………………」
互いに声を発さず、その場で立ち止まる。
その沈黙を破ったのは、ディシェさんだった。
「……………ミナト、いい戦いだったな」
「そうですね……………過去1よかったです」
「だから俺はこの戦いに敬意を表して言う。ミナト………お前の勝ち………だ………」
バタッ────────────
ディシェさんがその場に倒れる。
そう………………俺は勝ったのだ。この、過酷な戦いに。
「強かったです、ディシェさん。本当に」
こうして、この戦いは終わった。
何とか、第二条件をクリアすることができた。
これで………………特訓終了だ!
次回が8章最終回!お楽しみに!よければ感想、評価、フォローよろしくお願いします!




