◯8-6 条件、過酷すぎやしませんか!?
一体条件とは!?そしてカレンさん対ミナトも少しだけ………!
「と、特訓を終える条件………!?そんなのあったんですか?」
「ああ、あるぞ!リルアから何かノルマを作ってやれって言われたからな」
「それで、何ですか………その条件って………」
「それはな…………これだ!」
そう言ってカレンさんが指さしたのは、部屋の隅にある黒板。
そこには、文字が隙間なくびっしりと書かれていた。
「条件は2つ。一つ目は私がミナトの実力を認めることだ!認める条件としては、ここで私と戦ってもらう!それで私に一回でも目に見えるダメージを与えることがでれば、認めてやる!」
「う~わ…………………キツそう…………」
なぜキツイと思ったか、それはカレンさんからもあの2人と同じような雰囲気を感じるからだ。
だから絶対、一筋縄ではいかないということは確信できた。
「こんなのでキツイなんて言ってたら、2つ目の条件を聞いたら絶望するぞ?」
「そ、そんなやばいんですか?」
「まあ、慣れたら楽勝だ!二つ目はまず山登りをしてもらう」
「や、山登りってこの山を!?この山、めっちゃ高いですよね?」
俺はここへ来る時に、山を登ってきた。
その時に、山の全貌を見たのだが………かなりの高さだった気がする。
「そうだな。大体2000mはあるんじゃないか?」
「高っ!2000はやばいですって!」
「登るだけじゃないぞ?頂上まで登った後、あるやつと戦ってもらう」
「た、戦う!?誰とですか?」
「それはな………………私の一番弟子だ!」
「い、一番弟子さんですか………………?」
「そうだ!強いぞ~あいつは!」
つまりまとめると…………まずカレンさんに認めてもらって、そしたら山に登って頂上に辿り着き、カレンさんの一番弟子に勝つ。というのが条件らしい。
絶対キツイとは思っていたが、思った数倍もキツかった。
「まあ、頑張れよ!私が教えた特訓をし続ければ、確実にミナトは強くなるからな!」
「が、頑張ります!」
「今日はもうフリーだから、しっかり休んで疲れとれよ~!」
「はい!」
そう言って、カレンさんは部屋から出て行った。
「さてと、俺も部屋に帰って休むとするか…………」
そうして俺も、疲れ切った身体を癒すべく部屋に戻った。
明日からは、自主特訓。条件をクリアするための、特訓。
今までよりも、全力でやらなければこの条件をクリアすることはできない!
さすがに、前みたいな無茶はしないようにしよう。
カレンさんにはもう迷惑をかけたくないからな……………
─────────────────────
翌日から、俺は特訓に特訓を積み重ねた。
飽き性な俺だが、『強くなるためだ』という気持ちを持って努力できた。
「ふぅぅぅぅ……………よし、かなりいい感じだな」
オーラも、前より断然良くなった。
オーラ量も増やすことができたし、いい状態を保つことができる時間も長くなった。
ここまでできたのは、俺自身があることに気づいたからだった。
「調和………………本当便利な能力だな」
調和をオーラに応用すれば、より早く身体に馴染むのではと俺は考えた。
結果、その考えは正しかった。
普通の人の数倍早く、俺はオーラを身体になじませることができたのだ。
途中、俺の特訓を見にきていたカレンさんも──────
『適応するのが早いな!ここまで早いやつは初めてだ!』
なんて、言ってくれた。正直……………めちゃくちゃ嬉しかった。
そしてオーラや能力だけでなく、走り込みも頑張った。
「はぁ、はぁ、はぁ………………走り込みだけはマジで慣れねぇ……………」
本当に、走り込みはキツかった。
心臓と肺が、張り裂けるような感覚を何度も味わった。
だけど、やり切った。強く………なるために。
そして──────────特訓を始めて、2ヶ月が経った。
「雰囲気が変わったな、ミナト」
「そうですか?あんまり自覚はないんですけど………」
「はは、そういうところは変わってないな!」
今日は、カレンさんに認めてもらうための戦いをする日だ。
正直……………自信はない。
まず、俺はそもそもカレンさんの戦い方とか能力とかを知らない。
多分、カレンさんはあえて俺に何も自分の情報を教えなかったのだろう。
教えてしまえば、俺が事前に対策してしまうからな………………
「さて、じゃあやりましょうか」
「よし!やる気十分だな!だが、やる気だけでは勝てないってことを思い知らせてやる」
「望むところです!勝って見せます!」
そうして、俺とカレンさんは正面に向き合う。
「認める条件は前言った通り、私に目に見えるダメージを一撃でも与えることだ!」
「オッケーです!」
「じゃあ……………始め!」
始まった瞬間、もう目の前にカレンさんはいなかった。
「ほら、もう私はお前の背後にいるぞ!」
「速っ!いつの間に…………………」
「さあ、この圧倒的スピード差をどうするんだ?」
「もちろん、想定してましたよ!」
俺は一応、作戦を立てて来た。プランA~Cまで。
(まずはプランA!速い敵にはこれだ!)
俺はオーラをカレンさんの動くであろう地点に見えないように置く。
「おっと!動けない………オーラ捕縛か!いつの間にそんなの習得してたんだ?」
「リルアさんの見たことあったので、それ参考にして覚えました!」
「さすがオーラの天才!だが、こんなものでは私は止められないぞ?」
カレンさんがそう言って、足元に手を伸ばす。
すると────────────
「さあ、これで動けるぞ!」
「そんな一瞬で……………マジか……………」
俺のオーラ捕縛はほんの十数秒で突破された。プランAは失敗だ。
「さて、次はどうするんだ?」
「まだまだ作戦はありますよ!」
続いて、俺はプランBを発動する。
そして、カレンさんに突っ込む。
「そんな単純に突っ込んでも、避けられるだけだぞ!」
「“単純”じゃないですよ、ほら!」
「うん?あれ?スピードがなかなか出ない!?…………まさか」
「そうですよ。調和、使わせてもらいました」
俺がやったのは、相手のスピードと自分のスピードを調和………つまり調整して同じくらいにしたのだ。これで、カレンさんにもついていくことができる。
「さあ、これでイーブンです!」
俺はそう言いながら弾幕を飛ばす。
「よっと!前より威力が上がったな!」
だが、カレンさんに簡単に躱されてしまった。
「じゃあ、これでどうです!」
俺は辺り一面に弾幕を張り巡らせる。
以前は数発しか打てなかったのだが…………………オーラ量が増えたので、こんなに多くの量を打てるようになったのだ!
「…………………………はは」
その時、カレンさんが不敵な笑みを浮かべる。
「何が…………おかしいんですか」
「いや、マジですごいと思ってな…………だけど、今からそれを“破壊”してしまうのが辛くて辛くて。笑ってしまった。ごめんな」
そう、カレンさんが言った瞬間だった。
バリーン!!────────────
「な…………………!?」
俺が張り巡らせた弾幕が、ガラス玉のように砕け散ったのだ。
「これが私の能力さ。言ってなかっただろう?“撃滅破壊”って名前なんだ」
「撃滅…………破壊…………………」
かっこいい響きだ。だけど俺にとっちゃ、最悪の能力だ。
これによって、今日考えていたプランは全て終わった。
ごめんプランC。お前の出番も“破壊”されたよ。
「さあ、どうする?これで終わりなんて言わないよな?」
「やってやりますよ…………………」
まだ………………過去最強の相手、カレンさんとの戦いは続いていく。
俺が諦めない限りは負けではない。どうにかして勝ってやるんだ!
さあミナトはどうやってカレンさんにダメージを与えるのか………!次回もお楽しみに!よければ感想、評価、ブクマよろしくお願いします!




