◯8-2 突然の宣告!俺…………出て行くの!?
追い出しを くらったミナト どうなるの?
リルアさんが部屋を出て行った数分後。
「………………………………?」
俺はまだ、先ほどの言葉を理解できていなかった。
(ちょっと待て!いきなり何なんだ!?出て行ってもらうって……………)
いきなりの『明日から出て行ってもらう』という言葉。
考えても考えても、追い出される理由が思い当たらない。
まさか、今日の戦いで失望されたか……………?
あんなに言ったのに、俺が期待外れな結果だったから……………
「ってことは俺、明日から野宿ってことか?マジかよ…………」
ここにきて野宿というのだけは避けたい。
だけど、たぶん避けられない。
「………理由、聞いてみるか?それで納得できたら諦めもつくし」
ということで、俺は理由を聞くべく一階へと降りる。
「あっ!ミナトくん起きたんだね!」
降りるとすぐ、アシュアさんが笑顔で迎えてくれた。
「はい、何とか………」
「良かった~!もし起きなかったらリルアを殴らないといけなくなってたよ!」
「まあそうなっちゃったら………潔く殴られるわよ………」
「…………………………………」
やばい、何も聞けない。
雰囲気がいつも通りすぎて、聞けない。
本当はもっと緊迫感のある雰囲気だと思ってたのに…………
もしかして………さっきのは聞き間違いだったか?
俺が寝ぼけてて、聞き間違えた。
この雰囲気を見ると、そうとしか思えなくなってきた。
「はい、2人とも。ご飯よ」
「やった~!って、何この魚!?初めてみた!」
「ご近所さんに貰ったのよ。ここら辺じゃあまり流通しない魚らしいわ」
「へえ~!いただきま~す!」
アシュアさんが魚へかぶりつく。
ほんと美味しそうに食べるな、この人。
「ミナトも早く食べなさいね」
「は、はい…………」
「ん?どした?食欲ない?」
「いやいや、全然ありますよ!食べます食べます!」
「ならいいんだけど……………」
(…………いったん、考えるのは止めよう。また後で考えればいい)
ということで一旦、俺は食事をすることにした。
そして、そのまま時は流れ…………翌日。
「はぁ…………………………」
(今日…………だよな……………)
昨日の言葉が本当なら、俺は今日家を出て行くことになる。
一応、起きてから今の時間まで追い出される空気は一ミリも感じない。
その時。
ガチャ────────
「ミナト~、起きなさ…………珍しい、こんな時間に起きてるなんて」
リルアさんが、部屋へと入ってくる。
「まあ、今日はたまたま起きれて…………」
「早起きはいいことよ。続けてみたらどう?」
「気が向いたらします…………」
嘘だ。俺は早起きなんてしていない。
今日のことが気になりすぎて…………眠れなかっただけだ。
「ご飯できてるから、早く降りてきなさいね」
「わ、分かりました」
そうして、リルアさんは部屋から出て行った。
(な、何も起きないな………やっぱり俺の聞き間違いか……………よかった)
俺の中では“あの言葉は聞き間違いだ”ということを確信してしまっていた。
「ふぅ…………なんかホッとしたな。よし、今日も頑張ろう!」
────────────────
約1時間後。
「じゃあ、行ってくるね~!」
「アシュアさんいってらっしゃ~い!」
俺たちは仕事に行くアシュアさんを見送っていた。
「よし。じゃあミナト、準備はいいわね?」
「準備……………何の準備ですか?」
「え?昨日言ったじゃないの。『明日からあなたはここを出て行ってもらう』って」
「……………………………は?」
………どうやら俺の耳は正常だったらしい。
聞き間違いだと確信していた俺は、呆気に取られる。
「ちょっと待ってください!?アレって本当だったんですか?」
「そうよ?だから準備できるように前もって言ったのだけど……………」
「出て行ってもらうって、理由は何ですか!それがないと納得できません!」
俺はようやく、理由について聞くことができた。
だが────────────
「………それは言えないわ」
帰ってきたのは、その一言だけだった。
「何でですか!というかこれから俺どうすればいいんですか!」
「それは大丈夫よ。この地図に書いてある印のところに行けばいいから」
そう言って、リルアさんは俺に地図を手渡す。
リルアさんが言った通り、その地図には赤い印が書いてあった。
「ここに行けば、どうにかなるんですか?」
「ええ、そうよ」
「分かりました………じゃあ行ってきます」
「………行ってらっしゃい」
カランカラン─────────
俺は家の扉を開ける。今までで一番、鈴の音が重く感じた。
出る前に一度リルアさんの方を振り向いてみる。
何か言いたげな、そんな顔をしていた。
俺はそんなことを思いながらも、家を………出た。
「さて、じゃあここに行くか…………って、結構遠くないか?」
地図が記してある場所は、"あの事件"があった海があるモーリェの奥。確か、“プリロダ”という名前の街だったはず。(〇6-5参照!)
つまり、隣町の隣町。かなり遠い。
「なんでこんな遠いんだよ!後で絶対文句言ってやろう!………いや、もう会えないのか」
そう、俺はあの家にはもう帰れない。
つまり、リルアさんはもちろんアシュアさんにも多分会えない。
「ちょっと……寂しいな。ここに来てからあの2人とずっと一緒だったからな………」
俺は二人との生活を思い出す。
どれも一生忘れることはないであろう、色濃いものばかりだ。
だけど、記憶を思い出していると……疑問が残る。
「なんで………リルアさんは俺を追い出したんだろうな?」
そう、この疑問だ。
結局理由は教えてくれなかった。
だからこそ、頭にずっと残る。
「リルアさんのことだ………何か考えがあるんだろうな…………」
リルアさんは、何もなしに俺を追い出すことはしないだろう。
なぜなら、俺を匿うと決めたのはリルアさんだから。
もし何もなかったのだとしたら………俺はリルアさんの"禁忌"にでも触れてしまったのであろう。
「とりあえず、この印の場所を目指そう」
ということで一旦、俺はこの印の場所を目指すのだった。
─────────────────
「はぁ、はぁ………何だよ!山を登るなんて聞いてないぞ!」
道のりは、険しいものだった。
かれこれもう1時間は山を登っている。
そして、体力はとうに限界を迎えている。
「もう……無理だ………」
俺はその場に座り込む。
(目眩までしてきた………ホントにヤバい……)
俺は何とか意識を保とうと上を向く。
すると………あるものが見えた。
「何だ……あれ……?デカい……建物だ。こんな山奥に?何の建物だよ………」
俺は目線の先に大きな建物を見つけた。
もしかしたら、アレがこの印の場所なのかもしれない。
「よし!行ってみるか………」
そして、俺は最後の力を振り絞ってその建物に向かうのだった………………
なんか変なデカい建物を見つけたミナト!その建物は一体何なのか………次回もお楽しみに!よければ感想、評価、ブクマよろしくお願いします!




