◯2ー1 新生活は色々大変なようです
今回から2章!一体どんな生活が待っているのか……!
初対面から約10分後。俺とリルアさんは一階から階段を上り、家の二階へと来ていた。
「こっちよ!早く来なさい!」
「ちょっと〜待ってくださいよ〜!」
(リルアさん、足速っ!)
俺はなんとか、足の速いリルアさんについて行く。
その時通った廊下の窓からは涼しい風が心地よく吹き抜けている。
そしてそこから見える風景は……先ほど山から見た時よりも、風景がよく見えてとても綺麗だった。
「ってことで、この部屋がミナトの部屋よ。綺麗に使いなさいね」
俺がリルアさんに案内されたのは綺麗に整えられた、広い洋室である。
(え!?現実の俺の部屋より広いじゃないか!?)
俺は現実の部屋との広さの違いに驚く。
こんな広い部屋なんて、あるんだ……………
「ありがとうございます!こんな良い部屋、使っていいんですか?」
「いいのよ。私が提案したことなんだから、遠慮なんてしないで」
「ほんとすいません……申し訳ないです」
『あっ、そうだ!ミナトく〜ん!』
リルアさんと話し終えた時、一階からアシュアさんの元気な明るい声が響く。
ドタドタと階段を駆け上がる音が聞こえ、アシュアさんが俺に近づく。
「えっとね………ちなみになんだけど、隣の部屋は私がいるからね~!困ったらなんでも頼りなよっ!」
「あっ、はい!分かりました!頼りにしますね!」
(この2人、美人なのにめっちゃ優しくないか?現実世界だったら、初対面の男をこんな風に受け入れてくれるなんてほぼあり得ないよな……)
俺は現実世界をひねくる。
まあ、事実だから………しょうがないな。
深く考えるのはやめておこう。ここは素直にありがたく甘えておくのが吉だ。
「そうだ、そういえば………」
そんなことをしていると、何かを思い出したリルアさんが話しかけてくる。
「生活費のことなんだけど……ミナト、お金持ってないわよね?」
「そう……ですね……1円もないです」
「……………え…ん?えんって何?アシュア、知ってる?」
「ん~ん、全然知らな~い!なにそれ?」
俺はその会話を聞いて、背筋が凍る。
(や、やばい!どうしよう!やらかした!)
「えっ、あ、えっとその…そう!縁のことですよ!恵みがないってことです!」
俺は必死に苦し紛れの言い訳をする。我ながら強引で酷すぎる言い訳だ。
「あ~そういうことだったのね!つまり、すっからかんってことでいいのかしら?」
「は、はい!」
俺がそう答えるとリルアさんはコクコクと頷いた。
なんとかバレずに乗り切ることができたようだ。
なんだか、無駄に冷や汗をかいた気がする。
(危なっ!そうだよな、ここ異世界だから円とかないじゃん!適当に誤魔化せて良かった~)
これからは、現実の言葉を出さないような発言をするように心がけよう。
「じゃあ、今度は私からちょっと話していい?」
俺が心の中でホッとしていると、リルアさんが再度、話しかけてくる。
何か、この状況をどうにかするような考えがあるのだろうか………?
「なんでしょう?」
「提案なんだけど、私の店を手伝う代わりに、生活費を払わなくていいっていうのはどうかしら?」
「ええっ!?」
「私的には手伝ってもらうとありがたいから、Win-Winの関係って奴でしょう?」
(う~んどうしようかな…仕事はめんどくさいけど、この居心地のいい家には住みたいし…………)
「分かりました………じゃあそれでお願いします!」
「オッケー!話が早くて助かるわ!じゃあ早速明日から手伝ってもらうわね!今日は色々あって疲れただろうし、ゆっくり休みなさいよ」
「はい!お願いします!」
(アルバイトみたいなもんだよな?やったことないけど、俺なりに頑張ってみるか〜!)
こうして俺は住む場所を手に入れるために、リルアさんの店を手伝うことになったのだった…………
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手伝いをすることが決まった数分後────────
一階のリビングでは、リルアさんとアシュアさんがのんびりと座りながらある話をしていた。
「ねえリルア~私もお店の手伝いするから生活費チャラっていうのは……?」
「あんたは自分の仕事があって忙しいでしょ?あと、あんたはミナトと違って稼ぎがあるじゃない」
「でもさ~手元に残るお金は多いほうがいいじゃん!」
「アシュア……あんたはいい大人なんだから、そのはちゃんと払いなさいよ!」
「え~!リルアのケチ~!」
「はいはい、何とでも言えばいいわ。結局払ってもらうことに変わりはないんだから」
「だったら、一生ブーイングしてるもんね~!ぶ~ぶ~!生活費チャラにしろ〜!」
「………いい加減にしないと追い出すわよ?」
リルアさんの目がキリリと鋭くなる。
「ひぇっ、それだけはご勘弁を~!」
その冷徹な視線に、アシュアさんはビクッと方を跳ね上げて許しを願う。
「……………………………」
「え……!?嘘!?私マジで追い出されるの!?」
「ふふ…………冗談に決まってるじゃない」
そうやって、いたずらっぽく不敵に笑うリルアさんは……なんだかんだ普通に怖かった。
2章は生活の基盤を書く予定です!
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