◯6-10 いざ交渉!ミナトの作戦はいかに………
今回で6章最後です!
「交渉………だと」
「はい、俺と交渉しましょう!」
「ミ、ミナト!大丈夫なの?」
「はい!任せてください!」
………なんて言ったモノだが。
本当はめちゃくちゃ緊張している。今にでも心臓が張り裂けそうなほどに。
それもそうだろう。たぶん、交渉に失敗したら………死ぬ。
これは、俺の人生を賭けた交渉なんだ!
「いいだろう。話くらいなら聞いてやる」
「ありがとうございます!」
「頑張ってね………ミナト」
アシュアさんとリルアさんは、その場を離れる。
そして俺と、ネプティオスが向き合う。
「それで、何を話すんだ?」
「えっと、聞いた話なんですけど………ネプティオスさんって綺麗なモノがお好きなんですよね?何か理由とかあるんですか?」
「う~ん、そうだな…………まあまあ昔の話になるんだが、母親から綺麗な宝石を貰ってな。その時から、俺様はそういう綺麗なモノが好きになったんだ。たまに収集とかもしててな。だから、ここの奴らに宝石を貰った時もすごく嬉しかったんだ」
「なるほど………」
宝石というのは素晴らしい。
人の心を動かす“ナニカ”が秘められているんだ。
「宝石ってのはな………海の光にかざすと、より綺麗に輝くんだ。その美しさも………元の宝石とは違った良さがある」
「そんな綺麗なモノが大好きなネプティオスさんに……プレゼントがあります!」
「………プレゼント?何だ?」
「これです!」
そうして俺はポケットからあるものを取り出した。
「…………ブレスレットか」
そう、この綺麗なブレスレットだ。
俺がサマーフェスティバルの出し物を考えている時にやった、射的で入手したモノ。
まさか……………こんなところで役立つなんて思ってなかった。
本当、ラッキーだ。適当に選んだモノだったのに……
「どうでしょうか……………」
「いいじゃないか。すごく輝いている。気に入った」
どうやら、気に入ってくれたらしい。
マジで良かった。気に入ってくれなかったら俺は……打つ手なしだった。
「それで何ですけど………」
「言いたいことは分かっている。この件を穏便に済ませて欲しいんだろ?」
「あっ、よくお分かりで………………」
「少し、考えさせてくれるか………?」
「あっ、もちろんです」
そうして奴は、目を瞑った。
頭の中で、どうするのか考えているのだろう。
(ど、どうなる?もしダメだったら…………俺は死ぬ。そして俺が死んだら………確実にあの2人は怒る。大戦争にも発展しかねないぞ………!そう思うと俺、結構ヤバめなことしてるんだな)
そうして…………数十秒後。
「よし、決まったぞ」
どうやら、考えがまとまったらしい。
「ど、どうですか?」
「……………いいだろうその条件を飲もう。今回は穏便に済ませてやる」
「あ、ありがとうございます!」
交渉は……………成立した!
俺の命も……………失われずに済んだ。
「だが………条件がある」
「な、何でしょう?」
「50年に一度、10個程度でいい。俺に宝石を捧げてくれ。条件はそれだけだ」
「わ、分かりました。いろんな人達と協力して頑張ります」
「ありがとな。じゃあまた50年後に。くたばるんじゃないぞ」
そう言って、ネプティオスは帰っていった。
リルアさん、アシュアさん視点─────────
「ねえリルア!ミナトくんすっごいね!あいつとの交渉に成功するなんて」
「本当、そうね。でもまさか………交渉っていう手を取るとは思わなかったわ」
「いっぱい褒めてあげよ~っと!」
そうしてアシュアさんは、俺の元へと駆け出した。
すると───────
「どうやら、上手くいったみたいだな…………」
「良かったね!」
クルフとシリノがやってくる。
「何?交渉をするって作戦、あんたたちが考えたの?」
「い~や?全部あいつが考えたことだよ。『海神は綺麗なモノが好きっていうのを利用して交渉しましょう!』ってな。ちょうどよく射的かなんかでいいモノ貰ってたらしいし……」
「なるほどね…………………」
「さ~てじゃあ俺たちは帰るかな。あいつらにもよろしく伝えといてくれ」
「じゃ~ね!」
「ええ、じゃあまた」
そうして2人は帰って行った。
もしかしたら…………また、この2人と協力する日が来るかもしれない。
「さて、私も2人の所に行こうかしらね………」
「ふう、めちゃくちゃ疲れた………今日はよく寝れるだろうな」
俺が一息ついていると───────
「ミナトく~ん!!!」
聞き覚えのある、明るい声が聞こえてきた。
その声の主は、俺の身体に抱きついてくる。
「びっくりした!いきなり何ですか、アシュアさん」
「いや~、ミナトくんのおかげで無駄に戦わなくて済んだからさ~!ちょっと褒めてあげようかなって!」
「あ、ありがとうございます」
「よ~しよし!偉いねぇ~!」
アシュアさんが俺の頭を撫でてくる。
「ちょっと!子供扱いしないでくださいよ!」
なんかこんなこと、前にもあった気がする。
──────俺、いつまで子供扱いされなくちゃならないんだ………?
まさか!?2人からしたら俺って年齢的にめっちゃ下だから、永遠子供扱いする気なんじゃ!?
………………………流石にないか。
どうにかして早く2人に認められたいなぁ。
俺がそんなことを考えていると─────────
「ミナト………よくやったわね」
リルアさんがやってくる。
「今回は褒めてやらないこともないわ」
「あ、ありがとうございます」
珍しい。こういう事件系でリルアさんがこんなことを言うなんて…………
「というか怪我がなくて良かったわ。もし、あいつのせいでミナトが怪我してたら………神だろうが何だろうが地獄に落としてやる」
………マジで交渉成功して良かった。失敗してたら絶対、俺の危惧した通りになってただろう。
「ねぇ~!早く帰ろう?私疲れた~!」
「はいはい、分かったわよ。ほらミナト、帰るわよ」
「分かりました!」
「帰ったら、サマーフェスティバルに出す物決めたいといけないんだからね」
「あっ、そういえばそんなことも…………今日ですか?」
「まあ、今日じゃなくてもいいわよ………ミナトも疲れてるだろうしね」
「ありがとうございます!」
こうして、海に行った先で遭遇した事件を解決した俺たちは………帰宅するのだった。
今回のMVPは間違いなく──────射的の屋台のおっちゃんだ!
今度会ったらお礼を言っておこう。きょとんとした顔で『何の話だ?』とか言われそうだけど。
まず、そもそもまた会えるかすら分からないのだが…………
まあ会えなくても、心の奥で感謝しておこう。
次回から7章!サマーフェスティバルに向けての出来事です!お楽しみに!よければ感想、評価、ブクマよろしくお願いします!




