〇6ー8 モーリェ防衛大作戦!?
さあ今回は事件解決回だよ!
クルフ、シリノ視点────────
「さて、どうやって遅くしようか……………」
「能力を使わないと無理だよね」
「俺の能力は使っても意味ないしな…………」
クルフの能力は“残像”。今回は使い所がない。
「ほんと、使えないんだから~」
「うるせえ!俺の能力は使用状況が限られてんだよ!」
「じゃあ私がどうにかしてやるか~」
どうやら、シリノには何か考えがあるらしい。
「何する気だ?」
「私の能力を使えばいけないかなって!」
シリノの能力は“武器生成”。一体どうするつもりだろうか。
「なるほどな」
「じゃあちょっと待ってて!今から生成するから」
(う~ん…………どんな感じがいいかな?)
シリノは頭の中で考えを巡らせる。
(波の速度を遅らせる………時間を操る!?よし、これだ!)
次の瞬間、シリノの手に剣が現れる。
「剣?これでどうするつもりだ?」
「まあ見てなって!」
シリノが波に向かって剣を振る。
だが、見た目に変化はないように見られた。
「…………何も起こってねえじゃねえか」
「よく見てよ!ほら!」
クルフが目を凝らして波を見る。
すると──────────
「……………あっ!」
なんと、少しだが波がこちらに向かう速度が遅くなっているのだ。
「すごいな………どうやったんだ?」
「この剣に時間をいじれる要素を入れたんだ~!」
武器生成。生成という名の通り、新しいものを作ることができる。
つまり、自分の理想的な武器を作ることも可能なのである。
…………普通にすごい能力だ。
「お前………結構凄い奴だったんだな」
「そうでしょ?クルフとは能力の差が天と地ほどもあるんだよ!」
「だから俺の能力は使用状況が限られてるって言ってるだろ!」
「分かった!分かったからそんな怒んないでよ~」
「つ~か何でそんな強い能力なのにあの女どもに抵抗できずに負けたんだよ!」
そう、シリノはアシュアさんとの戦いでほぼ何もできず完敗した。
確かに、武器生成をうまく使えば少しは抵抗できたのでは………と思ってしまう。
「え~と……あれは様子を見てたらいつの間にか超劣勢になってたというか………あとは使いすぎると私のオーラと体力がすっからかんになっちゃうから!」
能力には、体力とオーラを消費する。強力な能力だと尚更、消費量が上がる。
実力者は、体力とオーラを上手く消費して戦う。
───────と、リルアさんに教わったことがあった。
「確かに、お前は体力無さすぎだもんなw」
「ちょっ!笑うな~!」
クルフがシリノを煽る。先ほどとは立場が逆になったようだ。
「というか、旅始めてから体力ついてきたし!無さすぎじゃ無いし!」
「はいはいww」
「も~!!!」
「まあまあ、俺たちの役割は果たせたんだからいいじゃないか」
「それとこれとは別だよ!」
シリノがクルフの胸部をポンポンと叩く。
「分かった分かった!反省したから!痛いからやめてくれ!」
「…………しょうがないな~」
「ほら、後はあの女に任せて俺たちはゆっくりしとこうぜ!」
「はいは~い」
こうして2人は………というかシリノは、リルアさんからの無理難題をやり切った。
──────────────────
リルアさん視点──────────
「はぁ………あの子どこいったのよ、本当」
リルアさんはアシュアさんがいるであろう場所に来ていた。
だが………アシュアさんは見つからない。
(あの子のことだから私たちを置いて逃げるはずはないわ!絶対どこかにいる!)
「次はあっちの方、探してみましょうか………」
数十分後────────
(まずいわね、本当に見つからない…………)
「そろそろ時間がないわね。…………奥の手、使いましょうか」
リルアさんの身体をオーラが包む。
(ここはオーラ探知をつかう。疲れるから本当は使いたくないのだけど………)
オーラ探知。
自身のオーラを元にして、他の者のオーラを探し出すことができるというオーラ技術。
聞いたところによると、使うには結構な特訓がいるらしい。
「さて、どこにいるかしらね。あの子のオーラは分かりやすいからすぐ見つかるはずなのだけど………」
リルアさんは辺りを歩きながら、探していく。
すると──────
「………いたわね」
リルアさんが奥の方の岩の陰に、オーラの波を見つけた。
(全く、何であんなところにいるのよ!そんなところ、普通行かないわよ!)
リルアさんが岩の陰へと顔を出す。
「はぁ…………………」
そこで見えた光景に、リルアさんは呆れるしかなかった。
何とアシュアさんは…………気持ちよさそうに寝ていたのだ!
さらに、手には屋台で買ったであろう食べ物の空き容器が握られていた。
これは予測だが……食べ飲みしてそのまま寝たのだろう。
「アシュア…………何してんのよ!さっさと起きなさい!」
リルアさんがアシュアさんの身体をゆさゆさと揺らす。
「んあ………?」
少しして、アシュアさんが目を覚ます。
「何こんなところで寝てんのよ!」
「ひぇっ~!!何でリルアがここに!?」
アシュアさんが飛び起きる。
いきなり目の前に鋭い雰囲気のリルアさんが現れたら、そんな反応にもなる。
「あんたが帰って来なさすぎたから探しに来たのよ」
「え?そんなに私寝てたの?」
「ざっと1時間くらいは寝てたんじゃない?」
「そ、そんなに!?30分くらいで起きようと思ったのに!」
「で?なんでこんなとこにいたのよ?」
確かに、疑問だ。
何か食べるにしろ、こんなところで食べないだろうに。
「え~と…‥それは………何というか………だらけてたのバレたら怒られるかな~って」
「はぁ………私がそんなので怒ると思う?」
「うん!絶対怒るね!」
「大正解よ!後で説教ね!」
リルアさんがニコッと笑う。
だけど─────目の奥は笑っていなかった。
「あ…………終わった~これ……………………」
「そんなことより、今は緊急事態なのよ!」
「え?なになに?何があったの!?」
アシュアさんが興味津々に聞く。
………こういう事件とかは、アシュアさん好きだろうな。
「とりあえずこっち来て!」
「オッケー!」
そうして2人は、元の場所へと戻る。
────────────────
「これよ」
「これは………もしかして………」
波は先ほどよりかは進んでいるが、まだこちらには到達しそうにない。
「おお、お前ら!帰ってきたか!」
「おかえり~」
一仕事終えた2人が、出迎えてくれた。
「ん?ええ~!?何で2人がここに!」
「ああ、そういえばさっきお前とは会ってなかったな……何で俺たちがいるかは、あとでそいつにでも聞いてくれ」
「オッケー!」
「どうやら………上手くやってくれたみたいね」
「まあな。あとはお前らに任せるぞ」
「任せなさい。アシュア、頼みたいことがあるわ」
そう言ってリルアさんは、アシュアさんの方を向く。
「私は何をすればいいの?」
「あなたの能力であの波を止めて。…………できるでしょう?」
どうやらリルアさんは、アシュアさんの“自然支配”を使って止めようとしているようだ。
なるほど、だからアシュアさんを探しに行ったのか…………
「もちろんできるよ!任せて!」
アシュアさんが手を前へとかざす。
すると………みるみるうちに波が収まっていく。
(ふぅ、一旦波問題は解決かしらね…………)
そう………リルアさんが思った時だった。
ザブゥゥン!────────
「ちょっと!何が起きてるのよ!」
「分かんない!いきなり強くなってきた!」
なんと、波が息を吹き返したの如く強くなったのだ。
「やばいな………ちょっと“本気”だすか………」
アシュアさんの纏う雰囲気が変わる。
いつものほんわかとした雰囲気とは違う………鋭い雰囲気だった。
「………久しぶりに見たかも、アシュアがあんな雰囲気になるの」
「いつもはもっと緩い感じだもんな」
「あの子、あんな雰囲気出せるんだ………ちょっと意外かも」
しかし……アシュアさんの力と比例するかのように波もまた、勢いを増していく。
「もうちょっとでいける!さっさと鎮まれ~!」
そして……………………
ザヴゥゥゥゥン!──────
今まで一番大きな波の音が響いて─────
波は………消失した。
「よっし!収まったよ~!」
「アシュア、良くやったわ」
「まあ、“前に一回止めてる”からね~!前より強かったから驚いたけど………」
「じゃあ、“あいつ”を待つか………どうせ来るでしょ」
「そうだね!」
ということで、4人(?)の活躍で波は止まった。
だけど………疑問はいっぱいだ。
この波を引き起こした元凶、目的。
一体、何なんだ!?
自然現象かと思いきや……?まさかの黒幕がいるらしい!?いったいどんなヤツなんだ……?っていうのは次回!お楽しみに!感想評価よろしく!




