◯6-7 海だ!屋台だ!え!?事件だ!?
まさかの海で事件が!?
「う~ん…………どれがいいんだろうか?」
自身の担当である真ん中方面に来た俺は悩んでいた。
その理由は……………魅力的なものが多すぎる!
美味しそうな食べ物や飲み物に楽しそうな遊び!
全部食べたい!全部遊びたい!
「ん?あれは………………?」
でも、その中で俺の目を引くものがあった。
「射的か………?ちょっとやってみるか!」
何で海に射的があるんだというツッコミは受け付けない。
実を言うと、俺は射的が得意だ。
昔からよくやっていて、いつの間にか上達していた。
………………唯一、俺が誇れることかもしれない。
「いらっしゃい!坊主、やってくか?」
「はい、お願いします!」
「よし、じゃあこれ銃な」
俺は店主のおっちゃんから銃を受け取る。
だが、そこで予想外のことが起こる。
(銃が小さい…………だと……………)
そう、銃が小さかったのだ。
射的といえば、ライフル銃のイメージがあるだろう。
でも………今回もらった銃は、拳銃みたいな奴だった。
(これは…………結構苦戦するかもだぞ………)
だけど、やらないと何も起きない。
カチャ──────────
俺は銃を構える。
(いくぞ………………当たれ!)
パンッ─────────
俺は気合を込めた弾を放つ。
その弾の行方は…………………
カタン─────────
「おお、坊主やるな!その銃、当てるの難しいのによく当てた!」
「あ、ありがとうございます」
……………何とか、当たったみたいだ。
俺は胸をホッと撫で下ろす。
あんな得意ですよムーヴして外したくなかったからな。
「じゃあこの中から選んでいいぞ!」
「え~っと……………じゃあこれで!」
俺が選んだのは、綺麗なブレスレット。
なんでこれにしたのかって?…………適当に選んだだけだよ。
「ありがとうございました~」
「おう、じゃあな」
こうして俺は、射的をいい結果で終えた。
(………何で当たったんだろうな?あんな銃、撃つの初めてなんだけどな)
もしかしたら………俺には銃を撃つ才能があるのかもしれない。
「さて…………そろそろ戻るか」
悩んだり、射的をしてるうちに時間が迫っていたようだ。
俺は、集合場所に急いだ。
──────────────────
「お、時間内に帰ってきたわね」
「はい、ちゃんとしてますから」
集合場所に行くと、リルアさんが先に帰ってきていた。
手に、何か持っているようだ。
「何ですか?それ」
「これは“リスカリー”っていう食べ物よ」
「へぇ~そんなのあるんですね」
………見た感じ、カレーライスなんだが?
「食べる?」
「いいんですか?」
「もちろん。はいこれ」
俺はリルアさんからカレーらしき食べ物………リスカリーを受け取る。
(マジでカレーにしか見えねぇ………)
「じゃあ、いただきます」
俺はリスカリーを口へと運ぶ。
「…………うっま!」
口に入れた瞬間にくるスパイスの刺激!
全体のコクとバランスの調和感!
まじで美味い…………カレーだった。
(………やっぱカレーじゃねえか!こんな美味いカレー初めてだけど。)
この世界の食事の中でも現実世界と似ているものがあるようだ。
俺的には…………ありがたいのだが。
「美味しいでしょう?海で食べるっていうのもより美味しさを増すのよ」
「これ、もっと食べていいですか?」
「もちろん。というか、全部食べていいわよ!」
「マジですか!あざます!」
俺はリスカリーを瞬時に完食した。
「そんなにリスカリー気に入ったなら、家でも作ってあげましょうか?」
「マジですか!お願いします!」
家での食事のレパートリーが一つ増えた。
「というか、アシュアさんまだ帰ってこないですね」
「そうね………どうせあの子のことだから食べ物に夢中なのよ」
「それは言えますね…………」
アシュアさんは食べ物にめっぽう弱い。
こんな大量の屋台があれば、釣られるに決まってる。
「まあ、気長に待ちましょう。いつかは帰ってくるでしょうし」
「日が暮れるまで帰ってこなかったらどうしますか?」
「………やっぱり後少ししたら探しに行きましょう」
「ですよね〜分かりました!」
俺たちは砂浜に座る。
先ほどよりも、太陽が強く照りつけてる気がした。
(こういう時間も……………悪くないな)
目の前に広がる綺麗な青い海。
そこに群がる大量の人々。
その景色を見るだけでも、悦に浸れる。
─────チラッと、横に座っているリルアさんを見る。
俺と同じく、目の前の景色をじっと見ていた。
その横顔は…………陽の光にも照らされて、より綺麗に見えた。
(…………やっぱり、海は最高だ!)
そうして、俺たちは数十分ゆっくりとくつろいだ。
───────────────────
「はあ、やっぱり帰ってこないわね」
「探しに行きましょうか」
「そうね」
俺たちがアシュアさんを探しに行こうとしていたその時だった…………
「ん?………いきなり曇ってきましたね」
「そうね。雨での降るのかしら?」
さっきまであんなに晴れていたのに、厚い雲が空を覆ってしまったのだ。
そして、次の瞬間──────────
『きゃあ~!!』
『うわ~~~!!!』
辺りにたくさんの悲鳴が響きわたる。
「な、何だ!?」
海にいた人々が、海から離れていく。
一瞬で、あれだけ人がいた海から人がいなくなった。
そして、見えたものは──────────
「っ!あれは!」
大きな………すごく大きな、波だった。
「ミナト、先に逃げてなさい」
「え!?リルアさんは?」
「私はやることがある」
「いやいや、リルアさんも逃げないとやばいですって!」
「いいから!さっさと逃げなさい!死ぬわよ!」
リルアさんが声を張る。
その声に………俺は何も言えなかった。
「………死なないでくださいよ」
「私が死ぬわけないじゃない、安心して」
(そうだ、リルアさんだ。死ぬはず………ないよな)
そうして、俺はひと足先に避難するのだった。
──────────────────
(あ~あ、何でこんなタイミング悪く起こるのかしら)
リルアさんは海へと近づいていく。
波は、ゆっくりだが着実に近づいていた。
(あの波がこっちにくると、街が飲み込まれるわね。どうにかしないと………こんな時に何でアシュアがいないのよ!………一旦探しに行かないといけないわね)
そうして、リルアさんはアシュアさんを探しに行こうとした。
その時───────────
「おい、大丈夫かよ!」
「そうだよ!早く逃げないと!」
「あんたたち………」
そう、クルフとシリノが近づいてきたのだ。
「あの波を止めないと、街は飲み込まれるわ。だから………逃げられない」
「なるほど……………」
「あんたたち、ちょっと手伝ってよ」
「何だ?何をすればいい?」
「何とかしてあの波が来る速度遅くして」
リルアさんは、2人に無理難題を投げかける。
だが………………
「分かった、どうにかしてみよう」
「うん!頑張るよ」
2人は無理難題を受け入れた。
………どうやら黒月の仕事でこういうことは慣れているようだ。
「じゃあ、頼むわ」
こうして、3人のモーリェを守る奮闘が始まったのだった。
いきなり波が迫ってくるのは怖い…………本当に。
次回はこの事件を3人が解決できるように奮闘します!お楽しみに!
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