◯4-3 なんでこんな時に会うんだよ!
今回はミナト対大男!
何でこんなことになったんだろうか。
俺にはまったくと言っていいほど、理解できない。
俺はただ、リルアさんに頼まれて、買い出しをしてただけなんだけどなぁ…………
「オラッ!抵抗してないで、歯食いしばれ!」
「ちょっと待ってくださいよ!」
(ガチでなんだよこいつ!マジで頭おかしいんじゃないか!?もしかして…………あの女性が言ってた男!?こんなとこで会うなんて……………)
大男は俺の服を引っ張り、殴ろうとする。
(誰か助けてくれる人はいないか…………?)
俺は助けを求めようとする。
だが、ここは路地裏。
周りに助けてくれる人など1人もいない。
(ど、どうしよう……そうだ!調和を使おう!そうすれば痛くないはずだ!やってみよう、発動!あとは食らってるフリをすれば……………)
「まずは一発!」
ドカッ────────────
「ぐはっ………(迫真の演技)」
俺は一発殴られる。
だか幸いにも、調和のおかげで痛くない。
「…………………………」
俺に拳が直撃した後、大男は急に動きを止めた。
(ど、どうしたんだ?急に動かなくなったぞ………)
「お前さ………何したんだよ」
大男が低く、冷たい声でそう言う。
「な、何のことですか?」
「今、確かに殴った感覚はあったがその時違和感があったんだ……………お前、能力者か?」
一瞬でバレた。こいつ、結構な手練れのようだ。
「…………そうですけど、なんですか?」
「そうかそうか………じゃあ、この世から消えてもらうかなぁ!」
「っ!?な、なんでそうなるんだ!?理由はなんだ?」
その言葉に、俺はもちろん驚く。
「理由か?それはな……お前今、能力使って俺の攻撃を防いだろ?それがムカついたからだ!」
「はぁ?」
(なんだよその理論!マジでこいつやばいやつじゃないか!まあ、調和さえあれば大丈夫だろうけど………)
「じゃあ行くぞ。一発耐えられると良いな」
次の瞬間、大男が俺に向かってくる。
(ガタイデカいくせに速い!調和で対抗だ!)
バゴオッ──────────
そして、大男の拳が俺の腹部に当たる。
その感覚は、今まで感じたことのないものだった。
俺は吹き飛ばされ、近くの壁にぶつけられる。
口や身体からは血が溢れ、辺り一体を赤く染めていた。
(な、なんで……ダメージを喰らったんだ?調和を使ったはずなのに……………)
俺はダメージをくらった理由が理解できなかった。
「おお、生きてるか。意外と頑丈だな」
大男がゆっくりとこちらに向かって近づいてくる。
「………………………」
俺は意識が朦朧としていた。
油断すれば、意識を失ってしまうほどに。
(どう……する…?ここからどうにかしないと……)
その時、俺はあることを思い出す。
『何かあったらこれを使って私を呼びなさい』
それは出発前に聞いた、リルアさんの言葉だった。
(そうだ、この水晶……ここで使おう。)
俺はポケットから水晶を取り出す。
「ん?何だ?何をしようとしている?」
大男がこちらの異変に気づく。
(お願いします!リルアさん、助けてください!)
そうして俺は最後の力を振り絞り、思いっきり水晶を上に投げる。
すると…………………
パァッ─────────────
辺りを綺麗なまばゆい光が包む。
「な、なんだ!?何が起こってるんだ!?」
大男の表情が驚きへと変わる。
(ま、眩しい!どうなったんだ………?)
そして、光の中から現れたのは…………………
「ミナト、どうし……っ!何、そのひどい怪我は!」
リルアさんだ。全身血まみれの俺の姿を見て驚く。
「そこの男に………やられました………」
「あいつ?あのでかい奴のこと?」
「は……い。あとは………お願い…します……」
次の瞬間、俺の意識は闇に落ちた。
力が抜けた俺の身体を、リルアさんが支える。
「気を失ったのね………さて、この怪我どうしましょうか……………あっ、そうだ」
ガサガサ───────
リルアさんがポケットを探る。
「一旦、これでも飲ませとこうかしらね。オーラで治す時間はないし………」
取り出したのは、錠剤だった。
それを俺の口の中に放り込む。
(私が創った“これ”を飲めば傷は治る。あとは戦闘の邪魔にならないようにしておこうかしらね………)
そうして俺を抱えて、道の端へと置く。
「お前、この男の仲間か………?」
「ええ、そうよ」
リルアさんはゆっくりと立ち上がり大男の方を向く。
「それなら話は早い。お前もそいつと同じようにしてやるよ!」
どうやら大男はリルアさんに勝つ自信があるようだ。
「あんた、その言葉………本気で言ってるの?」
「ああ、本気に決まっているだろ!」
「そう………じゃあ一個だけ言っといてあげるわ」
リルアさんは表情を崩さぬまま、大男を指差す。
「なんだ?」
「私、今めちゃくちゃ怒ってるから。ふふ………」
そう言ってリルアさんはニコッと笑う。だが、その笑顔は……今まで1番怖かった。
「さあ、始めましょうか!」
「やってやろうじゃねえか!」
こうして俺が意識を失っている間に、リルアさんと大男の大きな戦いが始まろうとしていたのだった………
まさか………調和が破られるなんて!?一体どうなってしまうのか!?次回もお楽しみに!
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