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◯ 3-4 別に何もしてないわよ?

はじめての冒険が始まりますよ〜!ちょっとだけリルアさんの強さが分かるかも?


数分後。


俺たちは街を離れ、近くの森に到着していた。


頭上を覆う緑の葉っぱの隙間からは、まぶしい光が差し込んできていた。


「さ~てさて、ミナトくんの生贄になってくれそうな都合のやつはこの辺にいるかなっと…………」


いきなりアシュアさんが怖いことを言いながら周囲を見渡し始めた。


この人、冒険になったら物騒キャラに変わるタイプなのか!?


「そんな都合よく簡単に出てくるわけないじゃない」


リルアさんが呆れたようにアシュアさんが放った言葉を否定する。


その次の瞬間………………


ガサガサッ──────────


俺たちから見て右側に位置する、木々が大きく揺れ始めた。


「な、なんだ!?」


そして何かが俺たちに前に現れる。


そして、姿を現したのは──────緑色の肌をした威圧感のすごい男。


「なんでホントに出てくるのよ………」


身体形は人間と同じだが、雰囲気が人間とは違う!こいつはモンスターだ!


そいつの身体はかなり鍛えられているようだった。あんなので殴られたらひとたまりもない。


「よぉにんげ………ひぃっ!お、お前らはぁぁ!」


しかし、そのモンスターは2人の顔を見た途端、全身が震え出す。


そこに先ほどまでの威圧感はなかった。


「ん?あっ!お前はあの時の!まだ死なずにしぶとく生きてたんだ………!」


アシュアさんが思い出したかのように話す。


「俺はしぶとく生きるのが信念なんだ!だからこそお前らには会いたくなかった!特に…………そこのクールぶってる女にはなぁ………!」


こいつはどうやら、過去にリルアさんに因縁があるようだ。


「えっ?リルアさん、このモンスターに何かしたんですか?」


「ん?別に何もしてないと思うけど……?」


リルアさんは『何かしたっけ?』みたいな顔をする。


「覚えてないのか!あんな怖い顔で何十回も殴られて、トラウマになったんだからな!」


…………まさかのボコスカにやられていた。これはトラウマになってもおかしくない。


「あ~、そんなこともあったわね。まあしょうがないわよ」


リルアさんはようやく思い出したようだった。


「とにかく俺は逃げる!お前ら関わるとろくなことにならないからな!」


そうすると、モンスターはそそくさと森の中に消えた。


(あんなモンスターにトラウマ植え付けるなんて………リルアさん、やっぱ怖ぇぇ…………)


「さて、あいつは放っておいて……もっと奥行ってみようか!」


アシュさんが森の奥を指差す。


「はい………!」


そうして俺たちはもっと奥へと進んでいくことになった。



──────────────────



数十分後。


俺たちは歩き続ける。もう、どのくらい歩いたかもう少し覚えていない。


俺は、初めてアシュアさんに会った時のことを思い出していた。


(あの時も、こんな感じで歩いてたなぁ……絶望感は今とは全然違ったけど)


しかし、それでも少し身体が震える。

やっぱり軽くトラウマとして残っているようだ。


「………これくらい進めばなんか出てくると思うけどなぁ~」


アシュアさんがそう呟いた瞬間──────


ガサゴソガサゴソ────────


「おっ、噂をすればってやつだね!」


近くの茂みが激しく揺れる。


中から出てきたのは手に鋭い爪を持った、小人(?)みたいなモンスターだった。


「じゃあミナト、能力試して見ましょうか」


「はい!」


(よし!俺の能力初実践だ…………!)


「えっと、どうやったら使えるんですか?」


「頭の中で能力を使うって意思を示せば、簡単に使えるわよ」


「分かりました!」


「じゃあ私たちはちょっと離れたところにいるわね」


そう言って、リルアさんは俺から離れていった。


「よし、やってみるぞ!」


(能力:“調和”、発動………!こんな感じかな?)


しかし、俺の身体には発動した雰囲気がない。


「………これ、発動したのか?」


俺がそんな事を思っていると、モンスターが襲ってくる。


小さいが、その分だけ動きがすばしっこい。


「うわぁ!」


俺はなす術もなく襲われる。


「ちょ、リルア!助けなくていいの?」


「大丈夫、私の予測では“調和”は………」


そしてモンスターの攻撃が俺に当たる。


しかし─────────────


「痛………くない?どうなってるんだこれ?」


確実に攻撃は当たっている。でも何も感じない。

モンスター自身も『えっ?』とでも言いたげな表情をしている。


「何あれ!?どうなってるの!?」


アシュアさんが驚いた表情をする。


「多分だけど、攻撃の威力を調和してるのよ。だからダメージを喰らわないってところかしらね」


「なるほど~!結構いい能力じゃん!」


「さて、じゃあ私が倒しにいこうかしらね。ミナトは攻撃能力ないわけだし…………」


「じゃあ私、ここで待ってるね!行ってらっしゃ~い!」


そうして、リルアさんが俺の元へやってくる。


「リ、リルアさん!これどうなってるんですか!」


「詳しくは後で説明してあげる。一旦、こいつ倒してもいいかしら?」


「は,はい!お願いします!」


次の瞬間、リルアさんの手から何かが出てくる。


それは、弾幕のようなものだった。


(うわ………すっごい綺麗だ)


「グギャ!」


俺がリルアさんの弾幕に見惚れていると、弾幕がモンスターに当たった。


そのモンスターは大きな断末魔をあげて消えた。


「す、すごい。これがリルアさんの能力ですか?」


「違うわよ。これはただのオーラ技術ね。能力は別にあるわ」


(これが能力じゃない!?じゃあ能力はどれだけエグいんだ!?)


「そ、そうなんですね…………」


「さて、試験運用も終わったしそろそろ帰りましょうかね」


「はい!」


「アシュア~帰るわよ!」


「オッケー!」


こうして、俺の初めての冒険が終わったのだった。

この冒険で、俺は確信した。

───────リルアさんは“最強”だということを。


ミナトがリルアさんは最強ということを確信しましたね!ホント、恐ろしや恐ろしや……次回は能力についてのリルアさんの解説回かな?お楽しみに!

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