◯3-3 昔の話は厳禁!?
さてさて、冒険の始まりです!
ギルドへ向かう途中。
俺の隣を歩いているリルアさんは、明らかに足取りが重そうだった。
「……ねぇ、ほんとに行かないとダメかしら?」
眉をひそめながら、リルアさんがゴネる。
どうやら、まだ少しはギルドへ行くのに抵抗があるようだ。
「ダメ!オーラや能力に関しては、リルアの方が圧倒的に詳しいんだから着いてきてもらわないと困るもん!」
「はぁ……まあそうなるわよね………」
「あの、もしかして2人って昔一緒に冒険してたりとかしてたんですか………?」
俺は気になったことを素直に聞いてみる。
「うん、してたよ!2人でいろんな街とかいろいろ行ってね~!楽しかったなぁ………!」
「ちょっとアシュア、昔の話はいいでしょ………もうずいぶん前だし」
楽しそうに話すアシュアさんを、リルアさんが止めようとする。
「ごめんね~ミナトくん。まだいろいろ話したいんけど、リルアは昔の話が嫌いなんだ~」
「そ、そうなんですね………知らずに聞いちゃってごめんなさい」
「いいわよ、別に…………気にしないで」
(いいとか言ってるけど、雰囲気が怒る時と一緒なんだよなあ……あんま深入りしないようにしよっと)
「よし、着いたよ!」
そんなことを思ってるうちに着いたようだ。
目の前にある、綺麗な装飾が施された平屋?みたいな建物。
重厚感と温かみを感じるこの場所が、ギルドなのだろう。
カランカラン────────────
「ども~!」
「お邪魔します………」
俺たちはギルドの中へと足を踏み入れる。
すると……………奥から人が出てきた。
その人は頭の上の方に長い髪を束ねた女性だった。
何でこうも俺の会う人はみんな美人なのだろうか?
「あれ、アシュだ!いらっしゃい!…………ってここに来るなんて信じられないくらい珍しいのもいるけど」
「久しぶりね、"ソルナ"」
「リル……あんたちゃんと生きてたんだ。姿を見ないから、てっきり天に召されたのかと…………」
「勝手に私のこと殺すんじゃないわよ!」
「冗談に決まってるじゃん!まっ、あんたはそんな簡単にくたばるやつじゃないし!」
ソルナと呼ばれた女性は2人と手慣れたように話す。
立ち振る舞いからして、どうやら2人とは昔からの付き合いらしい。
「それで?今日は何の用?リルがわざわざ来るほどの用事なの?」
「えっとね、この子のギルド登録とリルアの登録が残ってるか確認して欲しいの!」
「分かった、この子のギルド登録ね!」
ソルナさんが納得したように頷くと、俺の方に一歩近づいてくる。
「初めまして!ここのギルドの経営者?みたいなことをしてるソルナだよ!」
「俺はミナトです!よろしくお願いします、ソルナさん!」
「ミナトくんね、よし覚えた!というかアシュやリルとどんな関係なの〜?」
ソルナさんが興味津々といった感じで、疑問をぶつけてくる。
「あっ、ちょっと諸事情で……身寄りのないところを2人に匿ってもらってて!」
「なるほどね~!じゃあこの2人と一緒に住んでるんだ?」
「はい、だいぶお世話になっています」
「う~わ大変そ…………ミナトくん大丈夫?病んでない?」
ソルナさんが心配そうな表情を浮かべる。
この人、この2人と何があったんだ?
「全然大丈夫ですよ!2人ともすごく親切で優しいですし!」
「え?そうなの!?マジで言ってる?」
「マジですけど…………?」
「まだアシュアが優しくするのは分かる!でもあの"人に優しくない"で有名なリルが人を匿うなんて、しかも優しくしてるなんて…………私が知らないうちに心変わりでもしたのかな?」
「そんな変わってないでしょ、私の性格」
「私はリルアは昔に比べて少し丸くなったと思うけどなぁ~」
「そ、そんなに昔は凄かったんですか?」
俺は恐る恐る聞いてみる。
「そうだよ!昔はもっとね……」
「もういいでしょ!そんな話…………」
「はいは~い」
(リルアさんって昔と今と全然違ったんだ。なんか……想像できないな)
ぜひ昔のリルアさんにも会ってみたいものだ。
…………怖すぎて一生ビクッとしてるかもだけど。
「はい、雑談してる間に登録終わったよ!これでミナトくんも冒険ができるようになったね!」
「ありがとうございます!」
俺は笑顔で喜ぶ。
(よし!これで俺も冒険者デビューだ!)
「それでソルナ、私の登録は残ってたの?」
「残ってたわよ。だから久しぶりにパーっと冒険してきていいよ!」
「はいはい………」
「あ、それとリル……ハメを外し過ぎないこと!」
「…………もうそんなことしないわ」
(“もう”ってことは昔ハメを外して何かあったのか?)
ますます、リルアさんの過去が気になってきた。
…………………怒られそうだから触れないようにするけど。
「ねえねえ、行く場所は初めてだし近くの森でいいかな?」
「そうね、それでいきましょう」
(森!冒険だとド定番だな!でも………)
ここに来た時のことを思い出す。実は、俺は森に対して軽くトラウマになっていた。
でも、今回はあの時みたいに1人じゃない。この2人がいれば、結構安心だ。
「オッケーです!森へいきましょう!」
「それじゃあ、レッツゴ~!出発だ〜!」
アシュアさんが拳を突き上げる。
「3人とも、気をつけてね〜」
『は~い!』
そうして、俺たちはソルナさんに見送られてギルドを出て森へと向かう。
ここから接客をする俺とは違う、"冒険者"としての俺が始まるのだった!
新キャラ登場!!ということで、ソルナさんで〜す!彼女のこともお気に入りにしてあげてください!次回は本格的に冒険します!お楽しみに!
よければ感想、下の星もポチッとお願いします!
続きが気になった方やこの作品を気に入ってくれた方はすぐ下のボタンから【ブックマーク】もぜひよろしくお願いします!




