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第18話 来訪者

こんな時間に誰が…?

時刻は既に0時を回っていた。

俺は扉のすぐ近くまで行くと、すぐには開けずに言った。


「誰ですか?」


「私だ。パールだ。今帰った。こんな時間にすまない、だがギルドが近かったから宿には止まらず帰ってきた。」


「パールか!おかえり。じゃあ、合言葉は?」


「たわけ。そんなもの決めておらんだろう。」


「本物か。」


俺はようやく扉を開ける。

外には数日ぶりに見るパールがいた。

その後ろには何やら大きな影が見える。


「驚いたぞ、どんなことをしたら窓を血まみれに出来る?」


「それが……」


俺はこれまでの事の経緯を話す。

監視され追われたこと、黒い女がハルを傷つけたこと、そして現れた魔物のこと。

そのどれもに俺とパール、二人が関わっているような気がした。


「そうか、すまない。私の責任だ。軽率な行動だった。まさか、アンネが動くとは。もう私への興味など枯れているものだと……」


「アンネっていうのは、その女のことか?」


「ああ。私が捕まる前、同じギルドだった。彼女は狡猾で野心家だ。手に入れたいものはすべて手に入れる。そのために手段は選ばない。」


そう語るパールの表情から、なんとなく、パールがどうして奴隷になったのかわかった気がする。

きっとアンネにハメられたのだ。


「もしかしたら、俺達がこのギルドにいることによって、ハルの身を危険に晒しているかもしれない。パール、俺達はこのギルドを離れるべきだと思うか?」


正直、離れたくはない。

だが、ここにいることによって大切な仲間が危険にさらされるというのならば、話は別だ。

ここにいるべきではないのだろう。

しかし、ここに自分よりも年下の女の子を一人残してどこかに行けるのかという不安もある。


「魔物が来たということは、ここの場所は既に知られているということなのだろう。アンネも一度目をつけられるとしつこく追い回してくる。今更ここを抜け出したとして、ハルが安全になる保証はどこにもない……」


「そうか…」


こうなったら責任を持ってハルを守る必要がある。

もっとも、狙われているのは俺とパールなのだが。

それに巻き込まれる形で傷つくなんてことはあってはならない。

でも、俺に戦えるような力などないから、太刀打ちできるのはパールだけなのだが。


「で、討伐依頼はどうなったんだ?」


「ああ。討伐依頼ならつつがなく完遂した。依頼主から報酬も受け取り済みだ。」


パールから布袋を受け取る。

かなりの重さで思わず落としてしまいそうになった。

袋の中から白い金貨が見える。


「サイクロプス120万G、コカトリス80万G、ウロボロス160万G、合わせて360万Gだ。コカトリスの肉は少しわけてもらった。」


後ろの大きな影はコカトリスの肉だった。


「これで少しって…どんな大きさのモンスターなんだ…?」


「私はもう休む。今後のことについてはまた明日話そう。」


「お疲れさん、また明日」


見たところパールはかなり疲れているようだった。

俺は肉を食料庫に入れ、ギルドの明かりを消す。

俺も自分のベッドに寝転び、目を瞑った。

スマホもネットもゲームもない異世界だけど、日々が充実している、そんな感覚がした。




ーーー朝目が覚め、昨日のことを思い出す。

今日はやることがいっぱいだ。

するとギルドの扉が鳴った。

「ごめんくださーい!」

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