第12話 帰る場所
遠くにギルドの明かりがぽつんと灯って見える。
あんなに遠くから俺は来たんだとどこか感傷に浸り、俺は再び走り出す。
たどり着いた頃にはヘトヘトで、そのまま眠ってしまいたい気分だった。
でも食事の良い香りが意識を引き止める。
シチューの香りだ。
「おかえりなさい!今日はシチューです。もう少しで出来上がるので、体を洗って待っていてください。」
外の井戸水で体を洗う。
冷たくて心臓がまたもやびっくりしてドクドクと音を鳴らす。
蒸れた体の汗を洗い流していく。
正直慣れないが、できるだけ綺麗に洗い流した。
戻ると既に食事が盛り付けられている。
腹が空腹を思い出したかのように食欲で溢れる。
「いただきます。」
パンとシチュー。
俺は我を忘れたかのように貪る。
「ゴホっ」
「そんなに慌てて食べないで、ゆっくり食べてください!」
むせかけたところを注意され、水を流し込む。
すべてが体に染み渡る感覚がした。
そこから何度かおかわりを頼み、満腹になってすごい眠気が襲ってきた。
「そういえば、パールはどうしたんだ?」
「彼はいまサイクロプスを討伐しに行っています。コカトリス、ウロボロスなども同時に受注したので、一週間ほど留守にするそうです。その間の訓練には、わたしが付き合います。今日のシチューには治癒を促進させる作用があるので、明日には完治してると思いますよ。」
ケンタは既にうつらうつらとしており、今にも眠ってしまいそうだった。
わたしはケンタを二回の客室に連れてゆき、ベッドに寝かせる。
「ケンタは頑張ってたもの。わたしも頑張ろう!」
そう言うとハルは慣れた手つきで食器を片付け始めた。




