厄災の司祭
「ごきげんよう。
ストフトック辺境伯様」
私はバーゼル侯爵様の案内をしてもらい、テントの入り口にある布を開けてご挨拶しました。
「厄災の巫女!!バーゼル侯爵殿どういうことか!何故討伐しない!」
「厄災の巫女ですと、何故この場に、、」
私を見た後、立ち上がり、少し後ろにいるバーゼル侯爵様に怒鳴りつける辺境伯と。
椅子から床に落ちて、私を恐ろしいものを見た顔でゆっくりあとずさる白い司祭服を着た男がいました。
「はあ?討伐?
元に戻してくれた恩人を討伐するわけねーだろ?
ここには、俺様を嵌めた野郎の1人を殺しにきたんだよ」
なんでも国同士の模擬戦で疲労したところに、ストフトック辺境伯と教皇が連れてきた厄災の巫女と引き合わされ、呪術にやられたそうです。
「バーゼル侯爵殿何を言っている、、まさか」
「はいそのまさかですよ。すでにバーゼル侯爵様は正気に戻っていますよ。
そもそも呪術でおかしくなっているバーゼル侯爵様なんて、たいしたことないですよ。
もし正気だったら、私の拳なんてどんなに早くても、勘で避けるでしょうから。
それと聞きましたよ、なんでも私を殺して、厄災を巫女を復活させるとか、そんなこと
させませんよ」
「聖女貴様!厄災の巫女を消滅させ、その復活まで邪魔をする気か!」
「そりゃそうですよ、死にたくありませんし」
あまりの怒りに顔を真っ赤にしながら、私を睨みつけてくる。
「ストフトック辺境伯殿、何の話をしているのですか?
彼女が聖女?厄災の巫女を消滅させた?」
「いや、司祭殿それはな、、ええい面倒だ」
ゆっくり立ち上がる司祭さんに聞かれると、辺境伯は焦った顔をし、次の瞬間腰に刺してある短剣を抜きそれを、司祭さんを着た男の胸に刺したました。
「短剣よ、この男の命を捧げる!
目を覚ませ!」
そう言い放つと、司祭さんの体がどんどん萎んでいき、体から瘴気を放つ黒い何かが出て、短剣に向かって行ったのです。
そうして、司祭さんの体がミイラのような姿に変え、その短剣はその黒い何かを纏い、それを司祭から抜いた辺境伯は、自らの胸に刺しました。
「短剣よ!力を寄越せ!」
次の瞬間、辺境伯は瘴気を放つ黒い何かを纏い、私に笑いかけてきました。
「くくく、この短剣の力を使うとな、自分の命を糧に。
厄災の巫女より強い呪術そのものを纏うことができ、貴様の聖女として力を無効化できるんだ。
あとはお前を殺し俺も死ぬが、後のことは俺の一族に任せるとしよう。
死ね」
辺境伯は、短剣を胸から抜き私に襲いかかってきた。
カキン
私の前で鳴りました。
「なぜ、、貴様を刺せん!なぜだ、、」
「呪術を纏ってというのもわかりませんし、なぜ短剣を使うのかもわかりません。
もしかして呪術って、種類がたくさんあるんですか?まあ後で考えることにします。
とりあえずですが、私は今とある理由で聖女の力が高まっています。
呪術が関係してる以上、基本的に負けませんよ。
あとわざわざ近寄っていただいてありがとうございます。
おそらく、厄災の巫女みたいに消滅すると思いますが、安心してください。
あの時みたいに分体すら出させませんので。
ではさようなら」
唖然として動けなくなっている辺境伯に。
「魂厄破棄です」
全力で拳を叩き込んだ。
「本当に消滅しちまったな。
この野郎がクソだってわかる前は、それなりに酒も交わしたし、何度も戦い、お互いを高めあった。
少し複雑だな。クソはクソだけどな」
「そうですね。私も模擬戦に行ってましたので、お二人が楽しそうに戦うのよく見てました。残念です」
「どっちが本当の野郎だったんだろうな。
それより、どうして司祭を助けなかったんだ?嬢ちゃんならほら、瞬間移動で」
「そうしようと思ったんですが、どうやら何者かの干渉受けたみたいなんです」
「いやでも、嬢ちゃんさっき聖女の力が強いとか言ってなかったから」
「だから謎なんですよね、呪術でもないし、なんだったのでしょう」
私は、呪術でもない干渉された力に頭を走らせる。
「まあ多分後で分かるだろ、俺様の勘が言ってるから間違いない。
それよりこれからどうすんだ?
俺と嬢ちゃんの軍隊で国に攻め込むか?
それもおもしろそーだけどな!!」
ワクワクしているバーゼル侯爵様にありれながら。
「バーゼル侯爵様、そのことでお願いがあります」
「いいぜー勘がそう言ってる」
ここはコースレ王国、王都にある王城。
その王座の間にて、豪華に装飾された椅子に座るこの国の王は、聖女の復活の知らせと勝利の知らせを待っていると。
この国の宰相であるジーブルが慌てて入ってきた。
「陛下!」
「ジーブル、もしや聖女が復活したか?」
「それなのですが、、聖女復活のため戦場に出ていた、元グラム王国の辺境伯が厄災の巫女に討たれてしまい。
復活の方法がわからないらしいのです」
「どういうことだ?奴の一族なら誰にでも行えるのではなかったのか?」
「私もそうだと思ったんですが、騎士団長が安全性を考えれば教皇殿にやってもらったほうがいいと申してまして。
ちなみに今、厄災の巫女を連れた騎士団長がこの王座の間に、向かっているそうです」
「なせじゃ!すぐに止めよ、騎士団長はおそらく呪術にかかって正常ではない!」
と言う声が大きなドアの前から聞こえてきたので、私はバーゼル侯爵様と一緒に中へ入り、驚愕の顔をしているこの国の王様に優雅なカーテシーをして。
「ご機嫌ようコースレ国王陛下、拝謁でき光栄ですわ。
話は殴った後でいたしましょう」
そう言い放ち。
宰相と国王を守ろうとする騎士たちをバーゼル侯爵様に任せ、近づき。
「では、
魂厄破棄です」
全力で胸を殴られた2人は倒れていった。
「嬢ちゃんおつかれ、まさかうまくいくとはな。やっぱ俺の勘ってすげーな」
全ての騎士が倒れている場所で顎を触りながら言ってきた。
「バーゼル侯爵様も、お疲れ様です。
最悪、私だけでも城に入れれば良かったのでなんとかなるだろう思いました」
「いや、俺様がいなかったら城にも入れなかっただろうな。俺様に感謝しな。
まあ道中面白かったから貸し借りはなしにしといでやるぜ。当分の間、あの連中は俺に頭上がらないしな。
んじゃ嬢ちゃん、近衛兵で呪術にかかっている奴を蒟蒻破棄?だが言うやつでチョチョイと正気に戻してくれよ」
と道中呪術にかかっている貴族達の屋敷に行き、厄災の巫女を捕らえたと報告しに行き、先程カルン国王陛下と宰相様が話した内容で無理やり押し入り私が全力で殴った後。
倒れた人を強制的に起こして、俺様が助けてやったんだ感謝しろよこれは貸しだからなと脅していたバーゼル侯爵様がニヤニヤしながら頼んできた。
「たまし、、いいです。何度も説明したのに覚えてくれませんし、流石に1日に何度も使ったので本当は名前も技も使いたくありません。
はぁー流石に倒れている人を全力で殴るのは胸が苦しいです」
そう言って、呪術にかかっている近衛兵の皆様に、全力で追い討ちをかけました。
「これからどうしましょうか」
「あん?道中言った通り放置して大丈夫だぞ。あそこで倒れてる国王陛下は俺様が忠誠を尽くしてる男だぞ。
あと、国民から賢王とか呼ばれてるしな。
呪術にかかってる間の記憶は残るんだ自分で何とかするだろ。嬢ちゃんはやるべきことやんな」
「本当に大丈夫なんでしょうか?国際問題的にもまずい気がしますし」
「大丈夫大丈夫!元はこちらから仕掛けたんだ、悪いのは俺たちだからよ!
さあ、ぐだぐだ言ってる時間はねーよ、とっととこの戦争終わらせてくれや」
「わかりました、行ってきます」
私はそう答えるしか出来なかった。
「俺様ももちろんついていくが、最後まで力になれそうもねーと俺の勘が言ってる。
嬢ちゃんだけが頼りだ、頼むぞ」
「はい!!」
そう返事私とバーゼル侯爵様、公国軍、コースレ国軍は最後の目的地である。
カルン聖王国に走っていった。
馬に乗るより、走ったほうが速かったから。
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