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前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません  作者: Karamimi


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第76話:ソラ様が訪ねていらっしゃいました

「それでは明日も、よろしくお願いします」


「こちらこそ、お願いしますわ」


 今日も視察を終え、アラン殿下とアイリ殿下を見送る。彼らが来て早3週間、ほぼ毎日どこかに視察に出かけている。色々な場所に行って、今まで知らなかった事をたくさん知れる。


 毎日が楽しくてまらないし、何よりもこの国には、私がまだまだ知らない魅力が沢山ある。前世では何も経験できないまま、生涯を終えた。


 そのせいか、今世では前世の無念を晴らすかのように、沢山の事を感じ取り、学び、経験を積んでいる。こんなに有難い事はない。


「ソフィーナ、連日の視察に疲れただろう?さあ、帰ろう」


「お兄様、私はそんなに疲れてはおりませんわ。毎日が楽しくてたまらないのです。我が国は、こんなにも魅力的な国だっただなんて。なんだか嬉しくて」


「とはいえ、昨日も夜遅くまで今日の視察の為に、色々と調べていただろう?ソフィーナが楽しそうに調べていたから、何も言わなかったが。さすがに体が心配だ」


「ソリティオの言う通りだ。ソフィーナが頑張り屋なのは知っているが、さすがに無理をし過ぎだ。今日はもう帰っていいよ。僕も屋敷まで送るから」


「ですが、明日の準備もありますし。もう少し王宮に…」


「お取込み中失礼いたします。お嬢様、奥様から“アレソーヌ侯爵家のソラ嬢がいらっしゃるそうなので、公務が終わったら真っすぐ帰って来るように”との事です」


「まあ、ソラ様が!それは大変ですわ、早く帰らないと。申し訳ございません、明日の準備は、公爵家でしっかりしてきますので」


「アラバシア王国から殿下たちがいらしてから、ソフィーナは本当によくやってくれているし、そこまで頑張らなくてもいいのだよ。もしソフィーナが倒れたら、それこそ一大事だからね。さあ、ソラ嬢がもう待っているかもしれない。早く帰った方がいい」


 ファラオ様が私の手を握り、歩き出した。


「ソフィーナ、最近中々2人きりで過ごすことが出来ていないね。実はアラン殿下から、後1ヶ月滞在期間の延ばさせてくれないかという提案を頂いていてね。確かに1ヶ月では、なかなか我が国の魅力を全部伝える事は難しくて。


 彼らもどうやら僕とソフィーナの事を諦めた様だし、我が国の為にも滞在を許可しようと思っているのだよ。どうかな?」


 確かに今、いい感じで話は進んでいる。そしてその話を、後1週間で全てをまとめるのは不可能だろう。アラン殿下たちの滞在延長は、我が国にとってもメリットが大きい。


「よいのではないでしょうか。後1週間で、全ての話をまとめるのは不可能ですし。一度帰国されてしまうと、せっかく良い流れも止まってしまうかもしれませんし。私は賛成ですわ」


「ありがとう、ソフィーナ。でも、後1ヶ月と1週間もソフィーナとの2人の時間が取れないのは辛いが、致し方ないか…」


 “何がソフィーナと2人の時間が取れないだよ!殿下たちを見送った後、いつも俺たちの目なんか気にせず、イチャイチャしているくせに。今だって俺の存在を忘れて、2人でイチャイチャしているじゃないか”


 お兄様が不満そうに呟いているが、ファラオ様は全く気にしていない様子。


「お…お兄様もよろしいですか?この3週間、ずっと同行されているでしょう?」


「俺は平気だよ。俺もよりこの国の事が知れるとあって、ある意味有難いと思っているし。これからもこういった貿易交渉は、ファラオと一緒に行って行かないといけない立場だからね。今回の経験は、俺にとってもプラスでしかない。


 ソフィーナ、俺の事を気にかけてくれてありがとう。それ比べて…」


 呆れた表情でお兄様がファラオ様を見つめているが、相変わらずお兄様の存在を無視し続けるファラオ様。


 馬車の中でもファラオ様はずっと私にくっ付き、ずっと私の方を見続けていた。


「それじゃあソフィーナ、また明日。あまり無理をしてはいけないよ」


「ええ、分かっておりますわ。ファラオ様もお忙しいのに、送って下さりありがとうございます。それではまた明日」


「ああ、また明日」


 私のおでこに口づけをして笑顔で馬車に乗り込んでいったファラオ様に、手を振る。


 さて、急いでソラ様の元に向かわないと。

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