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前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません  作者: Karamimi


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第29話:ソラ様が婚約された様です

 前世の記憶が戻ってから、早半年。アレック様とセシル様とも、順調に交流を深めている。お勉強にも力を入れているし、少し前には領地にも行って来た。約2週間の滞在だったが、とても楽しい時間を過ごした。


 毎日充実した生活を送っているのだが、3ヶ月前に王宮の夜会に参加して以降、まだ夜会などには参加できていない。どうやらかなりのお誘いが来ている様で、両親やお兄様が、見定めているとの事。


 殿方との交流もいいが、私は令嬢たちとも仲良くなりたいと思っているのだが…一度我が家で、令嬢たちだけを呼んだお茶会でもしようかしら?


 そんな事を考えているくらいだ。


 とはいえ、散々酷い事をしてきたのは確か。もしかしたら令嬢たちはまだ、私の事を嫌っているかもしれない。そう思うと、自分から誘う勇気が出ない。


 毎日楽しい日々を送っているのに、これ以上何かを望むのは、さすがに贅沢かしら?今のままでも、十分幸せなのにね。


「お嬢様、夕食のお時間でございます」


「まあ、もうそんな時間なの?わかったわ。すぐに行くわね」


 食堂に着くと、既に両親とお兄様が待っていた。こうやって家族で食卓を囲むのも、貴重な時間だ。


「お待たせして、申し訳ございません」


 急いで席に座った。皆がそろったところで、食事スタートだ。今日の夕食も美味しいわね。毎日こんなにも美味しい食事をお腹いっぱい食べられる、そんな幸せな事はない。


「ソフィーナは相変わらず美味しそうに食べるね。そうそう、今日は大事な話があってね。実はアレソーヌ侯爵家のソラ嬢が、婚約する事になったんだ。相手はローディン伯爵家の嫡男、ルドルフ殿だそうだ」


「まあ、ソラ様が婚約をなさるのですね…あら?相手は殿下ではないのですか?」


 確か3ヶ月前の夜会では、殿下のお相手としてエスコートを受けていたソラ様。まさか別の殿方と婚約を結ぶだなんて。


「父上、それは一体どういうことですか?ソラ嬢は、ファラオと婚約を結ぶのではなかったのですか?それなのに、どうして?」


「その辺は私もよくわからなくてね。だが、両家から正式に発表があったから、間違いない様だ。3ヶ月後に婚約披露パーティも行う様だよ。我が家も招待されている」


「3ヶ月後に婚約披露パーティ?それならどうしてソラ嬢は、ファラオの相手役として誕生日に、エスコートを受けていたのですか?もしかして、ファラオが裏で…」


「落ち着きなさい、ソリティオ。二家族の婚約について、我が家がとやかく言える立場ではないことだ。アレソーヌ侯爵家はあまり欲のない人物として有名な方だし、本人たちが決めたのだからいいではないか。そうそう、アレソーヌ侯爵経由で、ソラ嬢がソフィーナに会いたがっていると聞いていてね。


 どうする?ソフィーナ、ソラ嬢に会うかい?」


「ソラ様が、私にですか?承知いたしました。お会いいたしますわ」


 ソラ様が私に何の用があるか知らないが、私の様な元クズ令嬢に会いたいと言ってくれるだなんて、素直に嬉しい。ぜひ会って、あわよくば仲良くなりたいものだ。


「父上、それは危険です。もしかしたら、逆恨みしたソラ嬢が、ソフィーナに危害を加えるかもしれません」


「お兄様、どうしてソラ様が、私に危害を加えるのですか?ソラ様は穏やかな性格だった様な記憶がありますが」


 以前の私ならともかく、彼女が私に危害を加えるとはとても思えない。私とソラ様は月と鼈、ゴリラと子猫くらい違うのだから。


「ソフィーナの言う通りだ。ソリティオがソフィーナを大切に思う気持ちは分かるが、一旦冷静になりなさい。それじゃあ、侯爵にもそう伝えておくよ」


「はい、よろしくお願いいたします」


 ソラ様の婚約相手が殿下でない事はとても驚きだが、ソラ様が誰と婚約を結ぼうが私の知った事ではない。


 それにソラ様が私に会いに来てくださるだなんて、もしかしてお友達第一号がついにできるかもしれないわ。しっかりソラ様をおもてなししないと!

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