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幼なじみ未満。こじらせ初恋に決着を  作者: 阿衣真衣


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19/22

12年目

新学期。

今日は午後に入学式があるため、午前中で学校が終わり。部活もないということで、六人で喫茶店へ。

「二人とも久しぶり~」

中に入ると、涼子(りょうこ)と彼氏がテーブル席に座っていた。


バイトは辞めても予定が合えば、たまに一緒にここで話したいということで、早速実現した。

そして、せっかくだからと四人を連れて会うことに。


「あ」

涼子の彼氏が柊斗の顔を見て驚き、声を出す。

暁翔(あきと)、どうした?」

「いや、実は…」


暁翔は、自分が美容師をやっていて、柊斗(しゅうと)がお客さんであることを説明。

(こんな偶然があるんだ… 世間は狭いな)

軽い自己紹介をして、食事をしながら話していると、ほとんど初対面だったにも関わらず盛り上がった。


「あの子が、言ってた子だよね? うまくいってよかったじゃん」

「…はい。その…いろいろありがとうございました。」

(次会ったときはいい報告したいなと思ってたけど、本当に出来るとは…)


柊斗と暁翔がコソッと話していると、向かいの席に座っていた天音(あまね)桃花(ももか)が二人を見て呟く。

「それにしても、二人並ぶとすごいね…」

「うん。キラキラしてる…」

二人の言葉に、結月(ゆづき)朝陽(あさひ)も黙って頷く。


彼氏を褒められた二人の彼女は、少し身を乗り出し隣に座っている二人の顔を見る。

「「ほぉ~」」

((―…まじ、そういうとこ!))


普段顔をしっかり見てくれない彼女から見られて、二人は彼女の可愛さと、気恥ずかしさから上を向く。

同じ動きをする二人に、みんなが笑う。


「そういえば、麻琴ちゃん新しいクラスどうだった? 藍葉(あいば)くんと付き合ってるから、何かされたりとかない?」

天音の疑問に、みんながたしかに、と麻琴を見る。

「それが…



白木(しらき)さん、私達これからも藍葉くん見て騒ぐことあるけど、あくまでアイドル的な感じだから、恋愛感情はないから安心して」

「藍葉くんは、見れるだけでいいって言うか…」

「実は、後夜祭で二人見たときから応援してた!」「私は藍葉くんが白木さん助けたとき、こうなったらいいなと思ってた!」

「白木、ありがとう。藍葉に彼女ができたら、俺たちにも女子が回ってくるよ」

「イケメンに彼女できるの賛成!ありがとう!」


―…って感じで、よくわかんないけど嫌がらせとか全く…

逆に応援?してくれてるみたいな感じだったよ」


『それはそれは…』

まあ、柊斗は顔はいいけど、愛想ないし、話しかけても無反応だし、麻琴以外興味ないから、女子達は鑑賞的な感じなんだろう。

男子たちからしたら、女子の関心がいつまでも柊斗一人にあっても困るから、麻琴と付き合ってくれてありがたいんだろうな。

麻琴の話から、朝陽、結月、桃花、天音は、そのことを察した。


「平和でいいね」

「……あん時はマジで、すみませんでした…」

「? なにが?」

涼子の言葉に、申し訳なさそうにしている暁翔を見て、この二人は色々あったんだろうな…と察するみんな。当の本人は、なんで謝られているのか分かっていない様子。

(暁翔さんモテそうだから、涼子さん大変だったのかな?)



「二人とも話しやすくて楽しかった~」

「まさか、涼子ちゃんの彼氏がカウンターに座っていた人だったなんてね~」

「あの人と柊斗と仲良さそうなの意外だった。お前、ああいうタイプ苦手そうなのに」

「まあ…」

「なんか、涼子さんと麻琴、何となく似てる感じした」

「そう?好きなのが一緒だからかな?」


(それだけじゃない…)誰も口には出さなかったが、心の中では一致していた。


「難しいかもだけど、また集まれたらいいね」


「まさか、暁翔のお客さんが麻琴ちゃんの彼氏だったとはねぇ~」

「俺もビビった」

(まさか、イケメンくんの彼女がカウンターに座ってた子だったとは…

ちょくちょく話聞いてて、この子も鈍感だなと思ったけど、まあ、うまくいってなにより)


「また今日みたいに集まれたらいいね」

「だな。俺ももっと話したいし。じゃあ、久しぶりに飲みに行くか!」

「あっ、じゃあ凜に聞いてみよ」

「―…どうぞ…」




結月と朝陽と別れ、二人で家へ向かう。

「今日もまた、お家にお邪魔します」

「ん。なんか、母さんがハマって呼んでるけど、無理してない?」

「いやいや、ありがたいよ。 逆に、毎回いいのかなって… 家族全員じゃなくて、お兄ちゃんだけでいいんじゃないかと思うんだけど…」


今日は、颯汰と湊の入学祝いとして藍葉宅で夕食会の予定。

柊斗の誕生日、二人の卒業、合格、入学パーティーと続けてお世話になっている。


「……俺は、来てほしい」

「…ありがとうございます。まあ、今日が終わったらしばらくは、何もお祝いないしね。

 それに今日は、玲華(れいか)さんの誕生日も一緒にお祝いできるから楽しみ」


(誕生日…)

「あのさ、今度の日曜日…一緒に出かけたいんだけど、予定とかって…空いてる?」

(めっちゃどもった… もっと普通にサラッと聞きたかったのに…)

初めてデートに誘う緊張と、断られたらどうしようという不安から言葉に詰まってしまった。


(―…… “一緒に出かけたい”ってことは、いわゆるデート!?)

「日曜日って13日だよね。 空いてるよ!」


(よかったぁ~… やばっ、嬉しすぎてニヤけそう… 耐えろ、耐えろ…)

「じゃあ、その日…」


―絶対に、つまらないって思われないようにしないとな… 麻琴は、どんな格好が好きなんだろ… 


―絶対に、空回ったり、ウザいと思われないようにしないと… 柊斗は、どんな格好が好きとかあるのかな…



「ただいま」

「おかえり~ って、麻琴ちゃんは?一緒じゃなかったの?」

「着替えてから来るって」


「「柊斗おかえり~」」

リビングには、湊と一緒にソファーでくつろぐ颯汰もいた。

(たまに、この人ここに住んでんじゃないかと思うわ)

「…どうも」


それから少しして、着替えた麻琴が両親と一緒に来た。

「玲華さん、おめでとうございます」

誕生日プレゼントにと、玲華の好きなコーヒーショップのギフトカードと小さな花束を渡す。


「ありがとー」

「どっちも柊斗と二人で選びました」

少し恥ずかしいので、玲華にだけ聞こえるようにコソッと伝える。


(二人からなんて……夢みたい…)「ほんっとうに、ありがとね!」

二人からのプレゼントに感激した玲華は、麻琴を横からハグして頬をスリスリ。

ソファーに座っていた柊斗にも同じようにやりたいのをグッと堪え、頭をかき回すように撫でた。


「俺らには?入学祝い」

颯汰が催促して、柊斗が二人にプレゼントを渡す。

「三人で買ったから、大事にしてね」「おめでとうございます」

二人には事前に、何がいいか聞き、颯汰にはTシャツを二枚、湊にはパスケースを買った。


「サンキュー」「ありがと」

三人にプレゼントを渡し終えると、食事会が始まった。


「今日も本当にありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそ。いつも来てくれてありがとうございます。

どうして今までやらなかったのか、ちょっと後悔してるんです。また何かありましたら、やりましょうね」

この二ヶ月の間に三回もパーティーをすると、親同士もすっかり仲良くなっていた。


『ありがとうございました』

麻琴達が帰ると、玲華は柊斗のもとへ。


「さぁて、柊斗くん。麻琴ちゃんの誕生日は考えているのかな?」

(前にもこんなことあったな…)

一ヶ月前の卒業式の日を思い出す。


「付き合って初めての誕生日だからねぇ。あと一週間しかないし」

前回はいなかった湊まで話に入ってくる。


「しかも、付き合って一ヶ月でもあるじゃん?」

麻琴の誕生日は4月14日。だから、一日早いけど前日の13日に誘った。

「……わかってる」


((これは、もう準備してあるな…))

弟の様子から、心配するまでもなかったと感じた二人は、じゃあ頑張ってね。と一言残し、部屋を出て行った。



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