第二話
分からないことだらけのため、小型テレビをつける。
「……えー、臨時ニュースです。
本日午前五時ごろ、世界各地で同時刻に強い頭痛を訴える報告が相次いでいます。テレビ局内でも先ほど強い痛みとともに、”十二位階神書”という文字が見えるようになりました。
政府から正式な声明は――現時点で出ていません。
……そして、入ってきた新たな情報です。
SNS上でも、同様の文章が見えているとの投稿が相次いでいます。また、一部では「特殊な能力が使えるようになった」とする投稿も確認されています。
現段階では、これらが頭痛および“十二位階神書”と関連しているかは不明です。視聴者の皆さまは、不確かな情報の拡散を控え、冷静に行動してください。
繰り返します――」
慌てながら、不確かな情報を拡散するポニーテールのお姉さん。
テレビをつけたまま、これからの動き方を考える。
「俺だけじゃないのかよー。んー、あの二人は大丈夫かよ」
日本海に浮かぶ島に住む両親を思い出す。
母親に電話をかける。
出ない。
「……寝てんのか?」
もう一度。
やっぱり出ない。
父親は携帯を持っていない。
「普通に行けば、十時間以上。でも今は、この力がある」
手のひらに、小さな風を起こす。
「……うまいこといけば、飛べたりして」
ちょっと試してみたい。
「まあ、行ってみるか。なんにもないかもだけど」
手早く準備をすませ、玄関を出る。
アパートを出ると、冬の冷たい空気が肌を刺した。
厚い雲の向こうで、朝が少しずつ明るくなっていた。
「どうやら、ドッキリじゃなさそうだな。まあ、こんな力が使えてから、ネタバラシされても困る」
さて、使ってみるか。
「問題はどうやって飛ぶかだ。能力的には空気を操るとかそこらへんだと思うんだが」
数分ほど試行錯誤すると、あっさり浮かぶことができた。
「お、おお……? なんか水に浮いてる感じだな」
足元の空気を押す。
体がさらに浮いた。
「これで後ろに風を出せば——」
ぐんぐん地面が遠ざかっていく。
気づけば、家々の屋根がずいぶん小さくなっていた。
「……あ、これ上がりすぎたかも」
体を北へ向け、両親の住む島を目指す。
「まあ、これくらい上がれば見られないだろ。……って、高いいいい!怖すぎる!くう、Wiiリゾートは大好きなのにーー!」




