歌舞伎町 ①
【闇堕ち少女、怨霊と化す!】
憎悪の炎は死んでも消えない!
呪い系バッドエンドサイコホラー。
新宿歌舞伎町の風俗店で働き始めて半年が過ぎた。
この道を選ぶ決意は割とすんなりついた。過去の職場での出来事を思えば、他の選択肢はなかったからだ。それに、原口華菜子の関係者も、おそらくそれを望んでいたのだ。悪夢を終わらせるためには、彼女と同じ道を歩むしかなかった。
今のところ、風俗店に日記のコピーが届いた気配はない。おそらく、これからも来ることはないだろう。直感がそう告げていた。仮に届いたとしても、店側はそんなものはいっさい気にしないだろうし、客にしても、気持ちよくなれれば風俗嬢の過去などどうでもいいのだから。
風俗店での勤務は店が遅い時間にかけて混み始めることから、店側の要望で遅番のシフトが多く組まれた。イベント日には開店から深夜まで、一時間ずつの食事休憩を二回挟んでフルで働く。楽な仕事ではなかったが、半ば人生をあきらめたような気持ちで、これまで惰性でやり過ごしてきた。
慣れとは恐ろしいもので、かつては潔癖症気味だったことが嘘のように、今では客の男性器をためらいもなく口にしていた。口の中に出される精液も、数日も経ったころには口をすすぐだけで気にならなくなった。それでも、客の身体を舐めたり、逆に舐められたりするたびに、心が少しずつ壊れていくのを感じた。
その心の崩壊は外見にも如実に現れた。鏡に映る自分は、かつての姿とはかけ離れていた。快活だったころの姿は見る影もなく、表情は常に曇り切っていた。奈央はそんな姿を見るたびに自暴自棄に陥った。
また、風俗で働き始めたことによって、同じ世界に身を置く人間を一目で見分けられるようになった。彼女たちは、ある種の穢れたオーラをまとっていて、それは隠しようがなかった。奈央は街でそんな女を目にするたびに、自分の生きる世界が決定的に変わってしまったことを自覚するのだった。
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