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暗殺対策その1

「ピック様、勉強もそこまでにして、お茶でも良いかがですか?」


「ん……ありがとう」


 読書に夢中でこいつがいる事を忘れていた。


 ピックは危機察知能力が乏しいのに、ゲームでの死因がほとんど自殺な理由。

 それがこいつだ。


 この俺より歳が少し上くらいのメイドは、オスカー・ラシン。

 俺、専属のメイドである。今は、父からの言いつけにより俺が無茶しないように見張りをしている。


 このメイド、普段は完璧な非の打ち所がないメイドなのだが、一度怒ると止まらない一面持つ厄介な性格をしている。

 怒りの理由の大半は領民だがな。

 うちの領民は、大体がピックのことが嫌いだしな。

 これも、生物的強者から来る恐怖から来るものである上にピックの悪評が合わさって嫌われまくっている。

 これはどうしようも無いし、どうしようとも思わない。

 方法は肉体を弱くするか評価をあげる以外ない。

 前者は危機察知もないのにこれ以上危険に自分を晒すわけには絶対いけない。

 後者はそもそも上げる方法が分からない。価値観とかは中世止まりのこの世界での評価の上げ方なんて戦果を上げるぐらいしか思い当たらないから。今は実現不可能だ。

 正直、面倒だ。だからしない。


 まぁ、ピックの事を悪く言う領民全員が変死しているから、誰も言わなくなった。オスカーに殺された奴が大半だけど、変死の理由は拷問などをしているから。

 一回死体を見てみたが、どうしたらこうなるのか?と、疑問に思った。検証の為に死んだ領民はお気の毒だがね。ごめんな。

 でも、本当にどうやったらああなったんだ?部位によって死に方が違うような死体だったけど?

 ピックの精神力まで受け継いでいるのか、死体を見て吐く事はなかった。


 ちなみに、ゲーム上で主人公達にピックの無口翻訳を務めていたのが、こいつである。

 その為、誤解の元凶として人気投票は下位常連であった。


 容姿は、こんなに良いのにな……黄金の様な金髪に圧倒的に良い顔、ピックを真似ているのかあまり表情が変わらないが、笑顔なんて聖女ような笑みだった。俺より貴族感のある容姿である。


 ピックに絶対忠誠を誓っている理由は昔、孤児で貧民街に死にかけているのを拾ったから。

 拾った理由はオスカーが才能豊かな為に目に止まったから。断食用の隠れてご飯を食べる人を探していたからである。

 

 断食はすぐにバレた。オスカーを拾った時に一緒にいた執事長がオスカーを拾った事に疑問に思い確かめたところ断食の後を発見して親に報告された。


 ここら辺の説明は設定集に書かれていたものだが、この世界でも似たようなものだったのだろう。

 

 そういう訳で、それからいつもピックの側にはオスカーがいるようになった。ゲームでのピックの危機は大体がオスカーによって処理されていた。


 されども、これも絶対の守りではない。ゲームでは、周回をしまくればピックの暗殺も可能ではあったらしい。俺はそこまでしていなかった上に可能でもお気に入りのキャラを自分で殺すような事はしない。サイコパスではないんだから。


 なので、自己で処理できる方法を見つけないといけない。

 そこで考えたのが、歴代の子孫達からヒントを得ようと、今は歴代の戦闘方法が載っている書と危機察知から対策した危機対策本を読んでいる。


 歴代の戦闘方法で参考になるものはいくつかあった。

 危機対策戦闘方法その一

 6代当主の弟の戦闘方法である。

 その人は、生まれながら身体が弱く、本気で戦うと命に関わると戦闘を禁止にされていた時期があったという。

 そんな病弱人間が考えた方法が殺気術である。


 気というのは魔力より肉体強化に長けたエネルギーである。

 それを魔術のように扱えないかと開発されたのが、気術である。


 殺気術とは、それに殺気を気に練り込む事により相手に殺気を浴びせて近づかれる前に殺す方法なのだ。

 基本的には相手を自分が殺されたと思い込ませてショック死を起こさせる技である。

 これは使い方を間違えると味方も殺してしまう技だが、慣れれば狙いを絞る事が出来る。

 気を混ぜるのは殺気を浴びせる人だけに狙えるようにする意味もある。開発者の6代目の弟は普通の殺気でも人を殺せたみたいだ。これは味方を巻き込まないように開発されたものだったが、そんな事が出来るのはごく一部の人間である為、今では殺気で殺す術として受け継がれている。


 その人は戦場でこれを使い周りが勝手に死ぬところと痩せ細った身体により死神と恐れられていた。


 まぁ、その人はノリノリだったらしいが、衣装も黒一色にして武器も大鎌にしていたようだ。身体が弱いから大鎌を使う事は生涯に一度も無かったと書かれている。

 本当にただのコスプレでしかなかったみたいだ。

 

 そういう訳でこれを会得しよう!

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