目的
「ミラード叔母さん。」
「むふふ、勝ったわよ。」
「知ってる。」
「あっ、やっぱり聞こえてたのね。」
「お主、この位置からあそこでの会話を聞いていたのか。良い耳をしているな。」
聖獣タティーとミラード叔母さんは離れて見ていた俺たちの方に戻ってきていた。
「信じられん。あの守護神を手懐けるなんて……」
仲良くなっている二人を見たマカは改めて驚いていた。
「そういえば、なんでタティーは守護神なんて呼ばれているの?」
「……?あぁ、そういえばこの森に住み始めた頃にここら辺にいた者達を追い払ったのだ。それからだな、守護神などと呼ばれるようになったのは。」
「へぇ、なんで追い出したの?住んでいる人達から聖女が生まれるかも知れないのに?」
そういえばそうだな。別に追い出す理由はないように感じる。
「言っていなかったな。聖女はエルフや獣人からは生まれない。お主らのような万人達しか聖女と呼ばれる者は生まれない。」
ふーん、そうなのか。それにしても万人ね。
「その万人って、私達の種族のことよね。」
「そうだ。我らはお主らをそう呼んでいる。なんでもできる種族だから、万人だ。」
なんでも、つまり俺たち以外の種族は違うというわけね。
「じゃあ、エルフは何が出来ないの?」
ミラード叔母さんはマカを見ながら言った。
「エルフは魔力が高く、自然との親和性が高いが、気力などの他の力は使えない。身体が細かったり、目や耳が良かったりもするが、これは種族的なものではなく、地域的なものだ。」
なるほど。そんな特徴があるのか、じゃあ力が強いエルフもいるというわけか。
「タティーって物知りなのね。」
「伊達に500年も生きておらぬ。」
「あら?そんなに生きていたのね。そういえばタティーって男?女?どっちなの?」
確かに声や体からでは分からない。イメージ的には物知りなお爺さんを想像していたんだけどな。
「我は女だ。確かに虎の性別を聞かずに当てろというのも酷だな。声も同種からは女っぽく聞こえるのだが、人間からは分からないようだしな。」
同種族では判断つくのか……って当たり前か。そうじゃなきゃ苦労するな。
「さっきの続きだが、獣人は身体能力が高く気力が使えるが、魔力などは使えない。その上、細かい種族ごとに特徴がある。魔族ほどではないがな。」
「あら?タティーは魔族にあったことがあるの?」
魔族、確か魔界に住む種族の総称だな。ゲームでもラスボスとして魔王が出てくるルートがある。
「ん?あるぞ。というよりお主らが言う魔界にも行ったことがある。」
「え!タティー!魔界に行ったことがあるの!?」
「あぁ、あるぞ。行ったと言うより連れててもらったと言う方が正確だかな。」
それは興味深いな。魔界の行き方は一切分かっていない。今まで確認された魔族は全て人為的に召喚した者達だ。
「じゃあ、今度そいつに私を連れて行くように言っておいてよ。」
「あぁ、いいぞ。だが、あそこは万人にとっては毒だから。行くには準備が必要だからな。」
「ミラード叔母さん。」
「ピック、分かっているわよ。ここでの仕事が終わった後の話よ。もちろんピックもいくでしょ。」
「うん。」
良かった。ミラード叔母さんは猪突猛進的な所があるからな。仕事を全て任していく可能性があった。
「それにしても、お主らは何しにここに来たのだ?」
「それはね……」
ミラード叔母さんがこっちを見て話していいか?アイコンタクトしてきた。
ここにはマカもいるが、別にすぐに問題がなくなるから別に良い。
「どうした?」
「いえ、なんでもないわ。そうね、私達の目的はこの新大陸に住むエルフと獣人を私達の国の兵士にすることよ。」




