聖地
「ふむふむ。」
「何か分かったか?ピック。」
「うん。」
「そうか。コイツらの目的は聖地の奪還か。」
ミラード叔母さんも俺の無口にこの3年でだいぶ慣れたみたいだな。もうエスパーと変わらない精度だ。
今、俺はミラード叔母さんが捕まえたエルフから情報を読み取っている。
他の獣人やエルフの大半は捕虜か死体のどちらかになっている。
「それで聖地はどこにあるんだ?」
「あっち。」
俺は森を指差して言った。
「……?…何も感じないけどな?」
「隠してる。」
森に対して何の感覚も覚えなかったミラード叔母さんはホントにあの森が聖地なんて言う特殊の場所かと疑問に思ったが、俺が巧妙に隠している事を教えた。
「流石ピックね。私にはよく分からないわね。」
「もうすぐ起きる。」
「う、うん?……!ここは!」
「やっほー、随分深く眠っていたわね。」
ミラード叔母さんが捕らえたエルフの治療は既に完了していた為目を覚ました。
「此処は何処だ!」
「あれ?分からない?此処はさっきまで貴方達が戦っていた戦場よ。」
ミラード叔母さんはそう言うとこの後燃やす死体の山を指を指して見せた。
「なっ!みんな!!」
「あれ、エルフは全部瀕死の貴方を助ける為に襲ってきたのよ。慕われてるのねあなた。」
「お前達!!よくも仲間を!!!」
怒り心頭のエルフは俺達に鬼の形相で睨んできた。
「そんな、怒らなくてもいいじゃない。此処は戦場よ。殺し殺されるのは当たり前じゃない。」
そんなエルフを涼しげに躱すミラード叔母さんは場慣れしている。
「くっ!……?なんで我らの言葉が分かる!」
相手にされていないと分かったエルフは少し冷静になって目覚めて言葉が通じている事に驚いている。
「あら、今頃気がついたの。すごいでしょ、私の甥の力。貴方からもう全ての情報は抜き取っているわ。もちろん、他の捕虜からもね。」
自慢げに俺をエルフに見せてなんで会話ができるのかを教えた。
「なので、エルフと獣人の目的が聖地の奪還ていう事も知っているわ。」
「なっ!」
部外者にバレている事に驚き、そして、こちらが言っていることが真実であるとエルフは理解した。
「ピック、聖地って言うぐらいなんだから。そこに何かあるの?それともこの大陸独自の宗教の生誕の場とか?」
「木がある。」
「あぁ、そう言う系ね。」
俺はエルフから興味が逸れたミラード叔母さんから尋ねられた事を簡潔に言った。
エルフ達が言う聖地には聖樹と言う大木があるらしい。その姿は捕らえたエルフ達は見たことが無いようで俺も知らない。
「お前たちの目的は!なんだ!」
「なんで貴方に私達の目的まで話さないいけないの?」
ミラード叔母さんはその事に関して話すことはないようだ、俺もしないが。
「ピック様!ミラード様!聖地へ移動の準備と船への連絡が終わりました。」
「OK、じゃあ早速行きましょうか。」
「捕虜共はどうしますか?」
「そこのエルフ以外は置いていくわ。他の貴族に任せるわ。」
「了解しました。」
聖地か、薬の材料にでもなるかな。




