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異世界転生したらスプリングハンマーだった  作者: 夕凪 瓊紗.com


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【8】ダンジョン探索



――――ダンジョン内を進んでいけば、分かれ道にギルド職員たちが集まっている。


「SSランク冒険者リューイさんですね。本日は玉鋼の採掘に?」

「そうだ」

「ではこちらを」

ギルド職員が鞄のようなものを手渡してくる。


「これはマジックバッグ。鉱物系ダンジョンでは素材の乱獲を防ぐために採集したものは一度マジックバッグに納めることになっているんだ」

「そうなんだ。マジックバッグがあるってことは……マジックボックスみたいなのもあるの?」

「俺は持ってるけど」

やっぱりすごいなSSランク。


「マジックボックスに玉鋼ぶちこんだらギルドから怒られて暫く反省のためにSSランクの仕事をタダ働きさせられる」

む……無給でSSランクの仕事……絶対嫌だな。ハードすぎる。


「それじゃ、採掘ポイントに行こうか」

「うん」

ヒト型になった時のためにロクさんが靴を買ってくれたとは言え、採掘ポイントに続く道はなかなかに歩きにくい。


「ジェン、大丈夫か?」

俺はアニキを支えにしているからまだ大丈夫だが。

「歩きづらいけど……何とか……きゃっ!?」

慌ててジェンの身体を支える。

「俺の手、掴まってる?」

「うん、ありがと」

こうしてジェンの手を取れるのもこの変化のスキルのお陰だよな。

こうやってもっともっとみんなの役に立ちたい。そう思うのだ。


※※※


暫く歩けば開かれたフロアに出る。


「それぞれ採掘ポイントで採掘してるんだな」

「そうだぞ、ハル。例えばあっちはミスリル、あれはアダマンタイト」

そこかしらにすごい金属が採れる採掘ポイントがある。


「俺たちの採掘ポイントは……」

「あそこだ」

リューイさんが示した場所には大きな立て看板がある。


『この先玉鋼採掘地。許可なきものは立ち去れ。さもなくば大いなる怒りが降りかかるであろう』

「何か滅茶苦茶恐いこと書いてる」

「採掘ポイントにはどこもこう言うのがある」

とリューイさん。


「盗掘者防止のため?こんなにひとがいたらそんなのすぐに捕まりそうだけど」

「そうだな、ジェン。普通はそうだが……まぁこれもやらないよりはやった方がいいし……それにあれが説得力を持たせているし、それゆえに物理的に盗掘防止になっている」

リューイさんが示した場所には神棚がある。


「ここにも神さまがいるのか」

上司の知り合いかな?


「火の神さまだな。玉鋼の採掘時はちゃんとお参りするんだ。ほら」

3人で並んで2拍手1礼。


「よし、掘るぞ」

「おー!」

しかし先ほど物理的に盗掘防止になっていると言っていたが他にも仕掛けがあるのだろうか。


「ポイントはここ。壁に埋まっているこの金属質なものを掘り出す」

「これが鉄ってこと?」

「そう。ダンジョンで玉鋼に精製された素材だ」

「これを掘り出すのか。だけどハンマーで?」

先の片方が尖っているとはいえいけるだろうか。


「不思議なことにそれで掘れる。ダンジョンの採掘ってのは本格的な採掘道具を用意しても採掘出来ない。こう言う特定条件が必要な場合もあるんだ」

何だか謎解きみたいだな。

「それが盗掘防止にもなってるってこと?」

「そうそ。でも許可のないものが真似しても採掘が出来ない。神さまってのはちゃんと見てるのかもな」

ここの火の神さまってことか。


「それじゃぁ行くぞ、ちびすけ」

ちびハンマーを構える。

『ちびすけゆーな!俺だってロクさんが造った自慢のハンマーだ』

「あ……俺のしたことが。そうだな。俺の弟分だもん。きっといつか大物になるかもだしな」

『そうだそうだ。だからもっとカッコいい名前がいい』

「カッコいい名前かぁ……んー……コテツ」

『コテツ?何かカッコいいかも!ありがとうアニキ』


「ハル?ハンマーと会話してたのか?」

「うん、リューイさん。弟分の名前をコテツにしたんだ!何かカッコいいだろ?」

「それ、前世の日本刀の名前にあったな」

「そういや聞いたことが……ならちょうどいいかも。刀の素材を掘るハンマーだし」

「ま、いい刀は出来そうだな」

リューイさんがカンカンと見本を見せ、俺とジェンも真似をして玉鋼を採掘する。


『なあお前も立派な刀になりたいだろ?』

ポロンと落ちた玉鋼。

「ひょっとしてコテツたちの声に呼応して採れているのか?」

「だとしたら興味深いな」

リューイさんも玉鋼を採集しながら呟く。


「俺のハンマーは何て言っているんだろうな」

『俺がお前を鍛えてやるぜ!』

「リューイさんのハンマーは『俺がお前を鍛えてやるぜ!』って言ってる」

「ああ、カロクのハンマー借りてきたからな。もしかしたら刀鍛冶のハンマーだからこそ掘らせてくれるのかもな」

「仲間をスカウトしているようなものかぁ」

ジェンの方を見てみれば。


「この玉鋼たちを立派な刀にするんだもんな」

『一緒にがんばるわよー!』

ジェンのハンマーもノリノリなようだ。

こうして採掘した玉鋼をマジックバッグに入れ、火の神さまにお礼をいい、ギルド職員にマジックバッグを確認してもらう。


「ええ。採掘量も問題ありません。お気を付けてお帰りください」

「ああ、サンキュ。それじゃぁお前ら!無事に帰るまでがダンジョン探索だ!」

「「はーい!」」

その掛け声にはハンマーや槍のアニキたちの声も含まれていた。


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