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異世界転生したらスプリングハンマーだった  作者: 夕凪 瓊紗.com


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【7】鉱物系ダンジョン



工房のある街から少し移動した場所にはダンジョン群がある。


「この世界では人々はダンジョンと隣り合わせで暮らしている。街の側に森や山があって山の恵みを受けながら暮らす……みたいなものだ」

「そっかぁ、だからこんなに身近なんだ」

現代日本では都市化が進んで自然の恵みを感じる機会は減ってしまっているが、異世界ではまだまだ身近なんだな。


「そうそう。そしてここいらには鉱物ダンジョンが多いから街には鍛冶屋や職人が多く集い、仕事があるから冒険者も集まり素材を採集してくれる」

「しっかりと生産サイクルが回っているんだな」

「そう言うこと」

ダンジョン周辺に集まる屈強な人々は冒険者か。その中には小柄な商人風のひとやヒーラーと思われる女性もいるようだ。


「それからほら、あのダンジョンが俺らの目的地。玉鋼が採掘されるダンジョンだ」

「入り口もすごい」

「ダマスカス鋼ってやつかな、立派だ」

ジェンがダンジョンの入り口の装飾を見ながら感心する。え……ダマスカス鋼ってあの伝説の!?


「何でこんなところにそんな装飾がついてるの!?」

「採掘した記念に職人たちが彫ったり取り付けたりしてったんだよ」

リューイさんがくすくすと笑う。


「ダンジョン内にも結構あるぞ。案内板とかにも」

「え、それいいの?」

「鉱物系ダンジョンはフロアやエリアが変わりにくい。その代わり採掘ポイントが安定していると言う特徴があるんだよ」

「だから設置しても平気なんだ」

「まーな。それに勉強にもなるよ。中はぶっちゃけ博物館みたいになってっから」

どんだけだよ、鉱物系ダンジョン。


「楽しみだなぁ」

一方でジェンは顔を輝かせている。


「だがダンジョンは魔物も出る。基本は俺が対処するが、もしもの時はちゃんとジェンを守るんだぞ」

「わ、分かった!」

『おうよ、任せておけ!』

「アニキもやる気満々だよ」

「さすがはカロクの槍だなぁ」

カッカと笑うリューイさんだが、ダンジョンの入口に入れば真剣そのもの。本物の冒険者の顔である。


「入口の受付は冒険者ギルド職員だって」

ジェンが教えてくれる。あの制服が目印ってことか。


「はい、SSランク冒険者リューイさまと今回は帯同2名ですね」

うん……?なにげに今ものすごいワードが飛んできたような……?

「ああ。ハルは戦えるから戦闘要員は2人、護衛対象はジェンだけだ」

「ではジェンさんは同行者として登録を……しかしハルさんは戦闘要員と言うことであれば冒険者登録は……」

「いや、ハルはスプリングハンマーだから」

「はい……?」

ダンジョン職員が驚いたように俺を見る。


一応スプリングハンマーの特製なのか、どこでも本体に戻れるわけではない。工房のあの場所にロクさんが設置したからかあそこに戻らないと本体には戻れないのだか。


「俺の装備として登録しといて」

「……まぁリューイさんが言うのなら」

何とか納得してもらえたようだが、納得してもらえるのはやはり……。


ダンジョン内部に入れば気になったことを切り出す。

「リューイさん、SSランクって何?」

「いやぁ、ただのランクランク」

本人は至って軽いノリで返してくるのだが。


「ただの……って冒険者の最高ランクでしょうが」

ジェンに突っ込まれる。


「リューイさんってすごいひとじゃん!」

「いや……刀手にする前はわりとポンコツだったんだが」

「どう言うこと?」

「勇者のスキルは全くもって伸びなかった。だから東国に渡って刀匠に頼み込んで何とか脇差だけは造ってもらうことが出来た。俺が知ってるのは刀の使い方。まともに武器が使えるようになって……それからだ」

つまりリューイさんは前世の知識や技能で勇者と言う立場に追い付いたってことか。


「リューイさんの相棒になってくれてありがとうな」

脇差に礼を言ってみれば。


『ふん、ぼくがいるんだから当たり前だろう』

相変わらずツンツンしているが、どこかデレているようにも感じる。微笑ましい相棒である。


『今は我もついているしな』

打刀もクスクスと微笑む。


「ハル?俺の刀と話してるのか?」

「そうだよ。2本ともリューイさんの刀であることに誇らしげだよ」

「……そうか。ならその期待に答えないとな。ほら、2人とも。早速魔物だ」

リューイさんが脇差の刀身を抜く。


俺も槍のアニキを構え、ジェンも短刀に手を伸ばす。


「ダンジョンの狭い通路なんかでは脇差が優位だよね。広いフロアなら打刀を使えるってことか」

「そうやって使い分けるんだ」

さすがはジェン、刀の使い方にも詳しいんだ。


「それじゃぁ打刀がなかった時は、リューイさんはどう戦っていたんだ?」

「魔法じゃないの?」

「魔法……?」

思えば俺も魔力で動いているのだった。


「勇者なんだから使えると思うけど」

「魔法って……」


「よし、行くぞ!風霧!かまいたち!」

脇差を操りながら放つのはまさに風の刃!


「すご……あんなことまで出来るんだ」


「ほーら、お前たちも!次は広いフロアだ。槍も準備しておけ」

「わ、分かった!」

俺にも戦えるだろうか?


『俺に任せておきな』

「うん、アニキ!憑依!」

前衛でリューイさんが打刀を振るう。その横をあぶれてきた魔物を槍のアニキが薙ぎ払ってくれる。


「『思い知れ!この俺の槍さばき!』」

ぶんぶんと動く身体に意識がついていくのが必死である。


『これ、明日筋肉痛にならない!?』

「『スプリングハンマーが筋肉痛?心配いらねえよ。俺を鍛えたのもスプリングハンマーなんだからな』」

あ、そう言えば。

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