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デートからの帰還

「ごめんね、段取り悪くて」


モミジは、ばつが悪そうに頭をかく。


「俺も、全部お前任せにして悪かったよ」


ハルマは、ごめんな、とモミジの頭を撫でる。


二人は、近所の公園のベンチに座っていた。昼下がりの陽気が心地よい。


滑り台で、砂場で、子供たちが思い思いに遊んでいる。


「…別に俺は、お前といれればどこでもいいんだけどな」


「…キザなこと言うねぇ」


「そんなつもりはねぇけどさ」


ハルマは肩をすくめる。


「でも…そう言って貰えて嬉しいなぁ…」


モミジは心の底から嬉しそうに目を細める。彼女の過去を思い起こせば、無理もないか。


「午後って、眠くなるね」


「…そうだな」


帰ろっか、とモミジは言う。そうしようか、とハルマも言う。


2人は並んで家に向かって歩いた。手を、互いにきゅっと握りしめながら。



「楽しかった?」


家に帰るなり、ツバキが聞いてくる。


「楽しかったよ。何も無かったけど」


「ちぇー、なにそれ」


ツバキはつまらなさそうに口をとがらせる。


「本人が楽しいって言ってんだから別にいいのでは…」


ユウキが言うも、ツバキはチョップを食らわす。


「バカだねー、なんかあったらそれをネタにからかうもんじゃん」



「聞こえてるぞ」



「ハッ!!!!」



このあと、ツバキがボコボコにされたのは言うまでもない。



「んー…ねむい…」


ソファに座ったモミジは、隣に座ったハルマの肩に頭を落とす。


「部屋行けよ」


「…ここで寝るー…」


ハルマと付き合い出してから、モミジが幼児退行して行ってる気がする。


「…しょうがねぇなぁ」


ハルマはモミジをお姫様抱っこの要領で抱き抱えると、モミジの部屋へ向かった。




「ほらよ、ここで寝ろ」


ハルマはモミジをベッドに優しく下ろす。


「…一緒に寝るのはだめ…?」


「だめ」


「…なんでー…」


モミジはハルマの服の裾を掴んで離さない。


「じゃあお前、起きた時隣に俺いてもビビるなよ?」


「分かってるよー…」


ついにはハルマが折れた。



「……………まぁ、寝れないんだけどな」


当然である。付き合いたての彼女と一緒に寝るとか、無理な話だ。だが、モミジがハルマを抱きしめて離さないせいで、ベッドからも出られない。


「……………引き剥がすにも無理あるぞ、これ」


抱き枕のようにぎゅっと抱きつかれているせいで、剥がすに剥がせない。無理に剥がそうとすれば、モミジを起こしてしまうだろう。


とりあえず目だけでも瞑ろう。

ハルマはそう思い、目を閉じた。


寝れなかった。

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