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耳掻きってなんだっけ

「もうその子はそっちで引き取ってくれて構わないから、さすがに帰ってくれないか?」


「そのつもりだよ。もう二度と王城なんて来たくねえ」


ハルマ一行は、王城を後にすると、家に向かって馬車を走らせた。


「ハルマくんも大胆なことするねー」


家に帰ると、モミジがため息をつく。

引き取れたし別にいいだろ、とハルマは口を尖らせるが、モミジはその頭をしばく。


「アルトちゃんの気持ちを考えなよってこと。あの場でいきなり服めくられてさぁ」


「お前も割と傷掘り返すな」


「う」


鋭い切り返し。

アルトは馬車ですやすやと寝てしまい、今も穏やかな寝息をたてながらユウキのベッドで寝ているからいいのだが。…なぜユウキのベッドかって? ユウキとか言うやつが一緒に寝たいとか言い出したからに決まってんだろ。恐らく抱き枕的な扱いを受けるだろうが。アルトが。


「まぁとにかく、引き取れたことはよしとするよ」


「なんか上から目線だな、お前」


「うぐ」


またまた切り返す。


「とにかく寝よっか。眠いよそろそろ」


「あ、逃げたな」


モミジはそそくさと部屋を出ていった。



次の朝。


「うぅ…」


「どした?」


不快そうな顔をしたモミジに、ハルマは尋ねる。まぁ大体分かりきってるが。


「いやなんか…耳がとんでもなく痒い…」


違った。全くもって違った。


「なーに、私に失礼なこと考えてない?」


「お前に対する礼儀とか月がブラックホール形成するくらいにはありえねぇよ」


顔を洗うツバキが振り向くが、我らがハルマは言い返す。もはや彼にとってツバキに対する礼儀などないに等しいようだ。


「で、耳痒いんだっけ?」


「うん…すっごい気持ち悪い…」


モミジは耳に小指を突っ込んだり耳を叩いたりしているが、一向に治る様子はない。


「…んじゃあ耳かきでもしてやるか?」


「うそ、できるの!?」


「お前もとんでもなく失礼なやつだな…まぁ、弟にしかやったことはねぇけど」


「やったことはあるんだ…って、弟いたの!?」


「まぁ、3つちがいのな。やったことあるっつっても相当昔だしな…」


「なんでもいいからとにかくやって! 超痒い!!」


そんなこんなで、ハルマはモミジの耳かきをすることになった。



「んー…痒いのどこ?」


「耳」


「それは分かってんだよ!!」


ハルマはあぐらをかき、その脚の中にモミジが頭を突っ込んでいる状態だ。

モミジのクソみたいな返答に、ハルマは思い切り突っ込む。


「…もういいや、入れるぞー」


「えぇ…待って怖い」


「えぇ…」


話が進まない。


「うぅ…い、いいよ入れて…」


「よ、よし…行くぞ…」


ハルマは耳かき棒をゆっくりとモミジの耳に押し込む。


「ん…うぅ…そこ…」


「…ここか…?」


「うん…そこ…あっ…」


「「ストォォォォオオオオォォッッップ!!!!!」」


イノとツバキの待ったが入る。


「いきなり大声あげんな!! ビビるだろうが!」


耳かき棒を押し込むとこだ。危なかった。


「黙って聞いてりゃテメェら!! やってるのほんとに耳掻きだよな!?」


「そりゃそうだよ、見りゃわかんだろうが」


イノが指さして言うが、ハルマは睨み返す。


「あの…なんか別の行為に聞こえないでもないんだけど…」


ツバキが言うが、ハルマは知らねぇよの一言で終わらせる。


「…はやく…つづき…」


モミジが耳掻きの続きを促す。

待って。これほんとに耳掻きだよな? 僕までわかんなくなってきた。

耳掻きってなんだっけか(哲学)

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