ただの引きこもり
完結直前の流れは思いついてるのにまだ終わらせたくないけど書きたいネタがまだ1つしか思いついていないというこのジレンマ
「ここが…王城か?」
王都へ入り、馬車を走らせること1時間と数十分。
王都の真ん中に、王城はあった。
「止まれ! 貴様、陛下の王城に何用だ」
「こんだけでけぇ城だ、衛兵くらいいるとは思ったが…まさかここまでテンプレとはな」
「質問に答えろ! 貴様もしや逆賊か?」
「逆賊ならこんな真っ正面から来ねぇだろ。コイツ見れば来た理由分かるか、オラ」
ハルマはアルトの背中を押し、前に出す。
「…この少女に関しては、私どもがあずか……」
「ばーか、王と直接話してぇからここに来てんだろうが。頭使え」
「……!! 貴様…陛下直属の兵たる私を侮辱するか…!!」
「テンプレ通りの雑魚かよ」
衛兵の言葉に、ハルマは静かにツッコミを入れる。
「ざ、ざ、…雑魚だとぉ…!?」
「いいから話聞けよ。王直属の兵士とやらは人語もわかんねぇゴリラかなんかなのか?」
「……貴様…!!」
「王と話させろっつってんの。そっちはコイツが欲しいんだろ? あ?」
「……1度、報告を行ってくる。ここで待て」
「早くしろよー」
衛兵はハルマ達に背を向けると、城へと入っていった。
「ハルマくん…」
「ん? なに?」
モミジがハルマに声をかけると、ハルマは振り向く。
「…ちょっと引いた」
そこには、心底呆れたとでも言いたげなモミジの顔があった。
「…ドン引きしてない? それ」
「…ドン引き」
「…マジか…」
ハルマがガックリと肩を落としていると、先程の衛兵がでてきた。
「…陛下は貴様に会いたいと仰られている。早く城へ入れ」
ハルマ達は衛兵に連れられ、王城へと入った。
「やぁ、僕がこの国の王、カンナだ。よろしく」
「…ほんとか?」
「…ほんとだ」
ハルマが疑うのも無理はなかった。
だって、小学生くらいの子供が目の前で「王だ!」とか言ってるんだもん。そりゃあ疑う。
「とりあえず…少女を連れてきてくれたんだって?」
カンナは椅子に腰掛けると、唐突に切り出す。
ハルマ達もそれに倣って椅子に座る。
「まぁな。…引き渡す気はねぇけど」
「…なんでだい?」
「あ? お前それマジで言ってんのか?」
「…大マジだ。その少女の力が今、我が国には必要なんだ」
「……コイツ、もしかして…何も知らねぇのか?」
「……は?」
ハルマはおもむろにアルトの服をめくる。
「…な……あ…!」
アルトは一瞬何が起きたか分からないという顔をしていたが、すぐに顔を赤くする。
「ハルマくん何してんの!!!」
モミジがハルマを殴りつける。が、ハルマは動じず、王に話しかける。
「"コレ"に見覚え、あるだろ」
王はと言うと、顔を赤く、ではなく、"顔を青く"してアルトから顔を背けていた。
「…ない、なんだこれ…なんだそのひどいキズ!?」
「演技…では、無さそうだな」
「とっ、当然だろう!? 第一、協力して欲しい者相手にそんなマネ…」
「…お前、拷問とか知ってる?」
「ゴ、ゴーモン…? なんだそれは。レトロゲームの名前か?」
「そりゃゴエモンだろーがよ。マジで知らねぇのかよ」
「知らない…し、その子には、ただ、力を貸してもらおうと…」
王は青ざめた顔でアルトを見る。
「…うん。確かに酷いことされた時、この人は私の近くにはいなかった」
アルトも王が近くにいなかったことを認める。
「どういう事だ!!」
カンナは自らの後ろにいた兵士に向かって怒鳴る。
「…さぁ、なんの事だか?」
兵士は口角を不気味に上げる。
「…確信犯だな」
「…そうか。なら、少女は君達に引き取ってもらおう。そんな事をしてまで、協力を得る訳にはいかない」
「…!! なぜです! 王!!」
「当然だろう。後、貴様はクビだ。出ていけ」
「……!! 王、お前は王として間違っている!!」
兵士は突然、カンナに襲いかかった。
「コイツが王として間違ってたとしても、お前は人として間違ってんな。ゴミとでも呼んどいた方がいいか?」
兵士のサーベルを折りたたみ傘で受け止めながら、いや、ゴミに失礼か、とハルマは言う。
「王政には非情さも必要だ。お前らにはそれが分かっていない」
「まぁそうなんだろうけどねぇ。ガキにそれを求めんのは間違ってねぇ?」
「ガキだろうが王は王だ」
「王として認めちゃってんじゃねーか」
「う、う、うるさい!!」
「カンナ、コイツ殺していい?」
「…いや、そんな事をスっと言えるってアンタなんなんだ…」
カンナはハルマの発言に戸惑う。
「ん? 俺?」
ハルマは兵士の胸ぐらを掴んで地面に転がすと顔面を踏みつける。
そしてガスガスガスガス踏みつける。
「ただの引きこもり」




