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狂気

「え、あ、う、嘘、嘘、嘘、嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」


「現実だ…目ェ覚ませよ!!」


ハルマはダガーを思い切り振り上げる。

そして、それを、腰を抜かした少女の脳天目掛けて振り下ろした。




「辞めとけよ、んなガキ殺して楽しいのかよ」




ハルマのダガーはイノの銃身によって受け止められていた。


「…あ?」


「ガキ殺す趣味でもあるのかお前。僕にはねぇけど」


「邪魔すんなよ。お前も殺すぞ」


「やってみろよ、出来るもんならな」


いつの間にか、二人の間には邪険な空気が漂っている。


ハルマはダガーを一旦引き下げると、今度は狙いを変え、イノに向かって振るう。

イノはそれを銃身でしっかりと受け止め、反撃の機会を伺う。


「やめろっ!!!!!!」


ツバキが2人を殴り飛ばした。某海賊漫画で見た事あるような光景なんだけど。ねぇ。

喧嘩した2人を女子が殴り飛ばすっていうこの光景。


「アンタらホントなにやってんの!?」


殴り飛ばされ、地面に叩きつけられた2人に対し、ツバキは叱りつける。


「特にハルマくん!! この依頼の内容覚えてる!?」


「…悪かった。俺、頭に血が昇ってた」


この依頼は「ダンジョンの奥底にいる奴を捕獲」だ。決して殺してはならない。


「そしてイノくん!! 止めるまでは良かったけど挑発しちゃダメじゃんか!!」


「…ゴメン」


「…とりあえず、モミジが心配だ」


「一応、僕が"術式破壊(スペルブレイク)"は掛けといた…。支援魔法は一通り使えるからな」


「それを先に言えよ…」


「…悪かったって」


ハルマはモミジの元に駆け寄るために少女に背を向けた。


「う、う、う、う、う、うぁあぁぁあぁぁああああぁぁああぁああああああぁああぁぁああああぁぁああぁああああああぁあああああぁぁぁぁああああぁぁああぁああああああぁああああぁああああああぁぁああああぁぁああぁぁぁああああぁぁああぁああああああぁああああああああぁああぁああ!!!!」


少女は背を向けたハルマに右手を伸ばした。



「やめときなよ。今度こそ殺されるよ」


ツバキは大槌でハルマに向けられた少女の手を弾く。


「真っ二つに斬られて放置か、ぶつ切りか、背骨にそって三枚下ろしか…ハルマくん、料理得意だしね。どうなるのかねぇ…」


少女を睨みつけたまま、ツバキは言う。


「人型のもんを捌いた事はねぇけどな」


「なんでそういうこと言うかね」


呆れた顔でツバキはハルマに言った。



「バインド…これでいい?」


「おう、サンキューなユウキ」


ユウキが少女を拘束する。


「これをどこに持ってきゃいいんだ?」


「知らねぇよ」


「いや知っとけや」


切り落とした少女の左腕を少女の左肩に押し付けながら、ハルマはイノを小突く。

当然ながら、血でベチャベチャと音が鳴るだけで、くっつくことは無い。


「カッチーーーン。戦んのかてめぇ!!!」


「あぁ!? なんだコラァ!!」


「やめなって…とりあえず、ギルドに持ってこうか」




「あぁ、依頼の目的達成ですね! こちらの少女は、王城の方に送らせて頂きますね!」


「…大丈夫か?」


「大丈夫かと。王城から兵団が回収に来るので。こちらにも牢は一応ありますし」


「そうか」


ハルマ達は、少女をギルドに引渡した。




数日後、雨の降る夜、ハルマ達の家の戸が叩かれた。


「ったく…なんだようるせぇな…ベルくらい使えや」


ハルマが頭を掻きながらドアを開けると。


「って、てめぇ…!!」


「む、無理を承知でお願いします…! ここで匿ってください!!」


身体中傷だらけで、何故か左手がくっついた、あの少女がいた。

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