膝枕
「じゃあ、そろそろ帰ろうよ」
「もう帰んのか? まだ一匹も釣れてねーぞ?」
「あはは…。実は釣りって言うのはただの口実だったからね…。そうでもしないと、二人っきりになれないと思ったからさ」
「あー、たしかにあいつら釣りなんてしなさそうだもんなぁ」
ハルマは二人の顔を思い浮かべると、苦笑いをこぼす。
「よし、帰るか」
ハルマはそう言うと、2つの釣竿と、2つのバケツを持った。
「えっ!? 自分の分くらい自分で持てるよ!?」
「そうか?」
「…バカにしてる?」
「さぁて、どうだろうな!」
家に帰るなり、ツバキが2人に飛びつく。
「釣れた!? なんか釣れた!?」
「犬かお前は」
「魚が好きなのは猫でしょ!!」
「…動物なのは認めるのかよ」
ハルマはため息をつくと、
「釣れてねーよ」
「なんで!!」
「んな短時間で釣れるか、アホ!!」
いや釣れてるけど。1匹だけ釣れてる。お前の隣にいる女の子が釣ってた。逃がしてた。
「…むー…まぁいいや。魚苦手だし」
「苦手なのかよ!!」
「お刺身はすき!!」
「聞いてねぇよ!! てか刺身も魚だろ!!」
生魚は食べれて焼魚は食べられない、という部類の人間だろうか。たまに居るよね。僕はどっちも好き。
ハルマは物置に釣竿とバケツを片付けると、リビングのソファに寝転んだ。
「色々と疲れた」
「無理して二人分も釣具持つからでしょ」
モミジがソファに近づくと、ハルマは体を丸め、モミジの座れる場所を作る。
「そうするならカーペットにでも寝転べばいいのに」
と言いつつ、モミジはソファに座る。
「かたもんで」
「ひらがなになってるよ」
「つかれたんだもん」
「はいはい」
そう言ってモミジはハルマの肩に手をかける。
「…マジで揉んでくれるとは思わなかった」
「そうですかっ!!」
「いって!!!」
ハルマが言った瞬間、モミジはハルマの肩にかけた手に思い切り力を入れた。
「…いたい…」
「そこまで…? 防御力カンストしてるんでしょ?」
「いや、なんか…すごいいたい…」
モミジが真面目に揉み出すと、とあることに気づいた。
「すごい肩凝ってんじゃん」
「…あー…転生前とか毎日20時間はゲームしてたからかなぁ」
「絶対それだと思う」
モミジは呆れてため息をつく。手は止めない辺り、彼女は優しい。
「…あー…気持ちいい…」
「それはどうも」
しばらくして、ハルマは眠り込んでしまった。
ソファで。とんでもなく邪魔である。
「………どうなってんの?」
「なにが?」
「俺はモミジに肩揉んでもらってたよな? そのまま寝落ちたんだろうけど」
「そうだね」
「じゃあなんで目の前にモミジの小ぶりな胸があるn」
そこまで言ったところでハルマの顔面にモミジのグーが叩き込まれる。
「小ぶりとか言うな!!」
「え、なにこれ、俺、もしかして膝枕されてる?」
「うん」
「えぇ…嬉しいけど…ツバキ達もいるのでは…」
ハルマは純粋に喜べないこの状況に心の中で頭を抱える。それでも頭をモミジの膝からどかさない辺り、さすがハルマと言ったところだ。
「…ここ、私の部屋だけど」
「は?」
「いや、引きずって来たんだけど」
「せめておぶって」
まさかの運び方だ。引きずるって。
「だからまー大丈夫じゃない? 3人ともいまは買い物いってるし」
「じゃあしばらくこうさせてもらうわ」
ハルマは寝返りをうち、モミジのお腹に自分の顔を押し付ける。モミジのチョップがハルマの脳天に入る。
「なんだよ」
「怒るよ」
「そうか」
体勢を変えない辺り、さすが彼である。
さすがに、匂いを嗅ぎ始めると振り落とされたが。
「何すんだよ!」
「こっちのセリフだよ!!」
そういうモミジは目に涙を浮かべていた。そりゃそうだ。
「…調子に乗ってごめんなさい」
「分かればよろしい」
僕、主要5キャラについてこんな感じかなぁって思ってます。
ハルマ→割と普通。今回の話読んでからだとそうも思えないけど、割と普通。
モミジ→隠れ変態。ただしセクハラされるのはやだ。過去の出来事のせいで、何に対しても結構独占欲が強い。
ツバキ→正真正銘の変態。救いようがない。どちらかというと男子より女子の方が好き(性的な意味で)。攻めも受けもできる人。
イノ→アホ。
ユウキ→バカ。かなりいい子。ツバキのおかげでMの方の扉を開きつつある。




