D・G・Z
「ハルマくん? 私が言いたいことは分かるよね?」
珍しく、ツバキがハルマに説教をしている。
「いや、その…古い知り合いがいたから、さ」
「いたから何」
ツバキはハルマを睨みつける。
攻撃力、防御力がカンストしていると頭では分かっていても、古来より受け継がれてきた本能は変えられないものである。ハルマの額に冷や汗が滲む。
「モミジちゃんがあんなになってまで戦ってたんだよ!?」
「あいつの体が弱いだけじゃねーのか」
「ぶっ飛ばすよ?」
「ヤメテクダサイ」
そういえば、この防御力は地形ダメージや落下ダメージに影響するのだろうか。疑問だ。
そのモミジはというと、木陰に寝かされ、イノにうちわのような葉っぱで仰いで貰っている。
うちわの持ち合わせがなかったのだろう。
じゃあなぜ葉っぱがあった。
まぁ小説ご法度のご都合主義としておこう。
「先輩? この人たちは……」
「一応人間。『一応』な」
「なんなの一応って」
ツバキがハルマを睨みつけると、ハルマは一瞬で黙る。
先程までダンゴムシの脚を自慢の大槌でへし折っていた奴に睨みつけられたらそりゃあ怖い。
「あー、ほんとすんませんっした!!」
ハルマは頭を下げた。
「ほんとにそう思ってる?」
「思ってます」
ハルマはかがみこみ、両手を肩幅に広げ、地面に手のひらをしっかりとつける。そしてそのまま上半身を傾け、額を地面に叩きつける。
「すみませんでした!!」
土下座である。
誰がどう見ても、土下座である。
「……そ、外でそこまでして、恥ずかしくないの?」
これにはさすがのツバキも驚いたようで、1歩後ずさる。
「全く」
ハルマは姿勢を崩さぬまま顔を上げると真顔で答える。シュール。
「あ、えっと、いや、もういいや、うん」
ツバキもその気迫(笑)に押されたのか、ようやく折れてくれた。




