↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サミアンの不思議な肉球~謎のもふもふを拾ったら家族が増えました~  作者: 三国華子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/49

22. 毎回じゃないっていったよな?

「シュシュシュンッ」


 クリスは空中で、上を向いて口を開けたボアの口内めがけ、3本の矢を放った。

 そして、そのままボアの背中に着地すると、腰の短剣を右の目に深く突き刺した。


「ギエェェェ!!!」


 暴れるボアから短剣を引き抜き、角度を変えてもう一度突き刺す。

 ボアから振り落とされるが、クリスの短剣が脳まで達したのか、ボアはその場に「ドォン」と音をたて、横倒しに倒れた。


「ハァ、ハァ、ハァ」


 息が荒い。

 心臓も爆発しそうなほど、強く鼓動している。


 そこへ、サミアンを咥えた黒い狼が現れた。

 

「倒したか?」

(倒したかじゃねーよ)


 極限の緊張を強いられたクリスの意識がプツンと途絶える。


「クリチュたま~~~!」


 その場にはサミアンの悲鳴だけがこだましていた。




「カッポ、カッポ」と馬の蹄の音が聞こえる。

(あれ、おれ、なんで馬に揺られているんだ?)


「目が醒めたか?」


 やけに近くでガインの低い声が響いた。


「クリチュたま?」

「んっ……」


 クリスが目を開けると、そこは馬の上だった。

 目の前には心配そうにクリスを見つめるサミアン。

 そして背中にも温もりを感じる。

 状況はなんとなくわかったが、一応後ろを振り返ってみる。


「なんだ?」


 ガインがいる。

 なぜか、3人で1頭の馬に乗っている。


「これ、どういう状況?」

「おまえが目を覚まさないから、眠ったまま運んだ。日が暮れる前に次の町の門をくぐりたいのでな」

「おれ、なんで寝ちゃったんだろう?」

「覚えていないのか? おまえは1人でアーマードボアを討伐し、その場に倒れた」


(アーマードボア……?)

「ああっっ!! アーマードボアッ!!」

 

「思い出したか?」

「ああ。それよりおまえ、Aランクは滅多に遭遇しないって言ったよな?」

「……ああ」

「金貨何10枚は毎回じゃないっていったよな?」

「……ああ」

「言ったよなっ!」

「……言ったな」

「なんで毎回遭遇してるんだよ!」

「おれが知るか!」


 自分を取り戻したクリスは、ガインの馬を降り、自分の馬に乗り換える。


「クリチュたま。ごめんなたい」


 サミアンは、ガインの馬の上でうつむきがちに呟いた。

 自分のせいでクリスが危ない目にあったと思い反省しているようだ。


 クリスは両手を広げ、サミアンに飛び移るように促した。


「クリチュたまぁ~~~」


 サミアンは、馬の上をジャンプして、クリスの馬に飛び移った。

 そしてクリスのお腹に顔を押しつけると「わんわん」声を出して泣き出した。

(犬だけに)


「もう、勝手に飛び出したらダメだぞ」

「はいっ、ズビッ、もうちまてん。クリチュたま~、ズビッ」


(途中の「ズビッ」が気になるが、しばらくこのまま泣かせてあげよう)


 そうして3人は王都手前の町まで到着した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。