↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サミアンの不思議な肉球~謎のもふもふを拾ったら家族が増えました~  作者: 三国華子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/50

12. 謎能力増える

「それよりサミアンにやられた冒険者は無事?」

「クリチュたま。との言い方はひとぎきがわるいでちゅ!」


 クリスは冒険者に近づくと、首に触れ脈を確認した。


「あ、大丈夫、生きてる」

「んっ、うん」


 クリスが触れたことが刺激になったのか、冒険者は目を覚まし、キョロキョロと辺りを見回す。

 グランドバジリスクの亡骸を見つけると、命の危機を脱したことを理解したのか「ホッ」と胸を撫で下ろした。

 だが「ハッ」と何かを思い出すと、立ち上がり、慌ててグランドバジリスクへと駆け寄った。


「仲間がっ!! 丸飲みされたからまだ生きてるかもしれないっ」


 グランドバジリスクは、毒を持つ魔物だ。仲間を思う気持ちはわかるが、生存は絶望的に思えた。

 だが、それを聞いたガインは、グランドバジリスクの体を上から下へと確認すると、真ん中辺りをめがけて横一閃に切り裂いた。

 本来その鱗は硬く、簡単に切れるような代物ではないのだが、ガインはいとも簡単に冒険者を救いだした。


 グランドバジリスクの腹から流れ出てきた冒険者の肌は、火傷のように爛れ、服も溶けている。

 とりあえず、あの消化液をなんとかせねば。

 クリスは、サミアンのリュックから、大量の水を取り出し、全身に振りかけた。


(でもこのままじゃ……)


 仲間の冒険者がポーションを飲ませる。だが、毒牙に触れたのか、あまり効き目がないようだ。


 みんなが諦めるしかないと思ったその時、トコトコとサミアンがやってきて、爛れた肌に前足をのせた。


 瀕死の冒険者は光を帯び、みるみる内に肌が再生されてゆく。

 解毒までされたのか、健康な肌色に変わり、挙げ句の果てには意識を取り戻した。

 その場にいた全員が唖然として、言葉を失ったが、サミアンは、それが特別なことではないかのように、冒険者に声をかけた。

 

「ふぅ、うんこになる前でよかったでちゅ」


(えっ!? 生還者にかける言葉それっ!?)


「……はい。ありがとうございます」


(えっ!? あなたもそれでいいのっ!?)


 色々ありえないことが起こっているが、クリスは細かいことが気になるタイプだ。頭の中で問いただせずにはいられない。


 だが目の前には抱き合って喜ぶ2人の冒険者がいる。

 細かいことは置いといて、2人の命を救えたことを、素直に喜ぼうと気持ちを切り替えた。


 それより、サミアンの治癒魔法だ。あの状態から復活させるのは、上級魔道師でも難しいのではないだろうか?

 サミアンを助けた時、翌日傷が癒えていたのは、この力のおかげだろう。


(謎能力が増えていく...…)



 目的地が逆方向の2人と別れると、3人になった。

 そして、いつの間にかサミアンがガインに懐き、抱っこされて運ばれている。


(しかも熟睡してるし!)


「あの、ガインさん?」

「ガインでいい」


 声をかけると、突然呼び捨てを許可される。


(親しみやすいキャラじゃないのに...…)

「じゃあガイン。なんで同行する気になった?」


 クリスはめんどくさいので、丁寧語もやめた。

 ガインは、それを全く気にする様子もなく答える。


「おまえ達といれば『白狼』を見つけられるかもしれないからだ」


「『おまえ』じゃない『クリス』だ。『白狼』ってなんだ? ガインの腕で眠っている白いソイツは、自分を『狼』だと言っているが」


「たしかに、白狼のような能力を持っているが、これは狼じゃない。狼の子が、こんなに丸いわけがない。それにおれが探しているのは成獣の白狼だ」


 ガインは、真剣な顔でそう言った。ギルドで話していた時から感じていたが、率直すぎて、無自覚でデリカシーが足りないタイプなのかもしれない……


「で、この痣のことは知ってるの? どうやったら消える?」


「すまない。それはわからない。ただ、伝承に聞くものに似ているというだけで、おれ自身、本物の痣を見たことはない」


(えっ? そうなの? 意外と使えない)


 クリスはガインが痣について知っていることを期待していた。


「この痣、大きくなったり、小さくなったりするんだ」

「そうか」

「大きくなりすぎたら、全身肉球みたくなるのかな?」

「そんな事例は聞いたことないが、……ないとは言えない」


(そこは「ない」と言いきるところだぞ!)


ブクマ、評価ありがとうございます。

はげみになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。